着物買取、実際どれぐらいで売れるものだと思いますか?
実は着物買取は、金・宝石や機械類などと比べても、査定が非常に難しい領域なんです。
このページでは着物買取について、買取相場の現実、おすすめの査定業者や査定方法、高く売るポイントまでくまなく解説します。
少しでも不安な点や疑問点を解決して、納得のいく着物買取をしてください。
当サイトが独自に収集した183件(2021年5月21日時点)の着物買取の口コミによると、約30%の方が着物買取サービスを利用して不満を感じたと回答しており、その多くは買取価格に関する不満となっています。この記事では実際にいくらぐらいで売れるのかなどを口コミのデータも交えながらご紹介します
着物っていくらくらいで売れるの?
ギャップに驚く査定結果になることも?
そもそも着物はいくらくらいで売れるとお思いでしょうか?
大手買取業者が、CMやチラシで数十万円!といった広告を流してしまっていることや、着物はもともとの購入時の価格が高いので、売るときも高値がつくと思っている方も多いかもしれません。
しかし、実際は、査定価格が購入時の1割以下になることが結構多い(あくまでもモノによりますし、実際数万円の査定価格がつく方もいらっしゃいます)です。
しかも値段がつくのは、大島紬や、加賀友禅などの著名な産地の着物や、著名な作家の着物で、デザイナーズ着物などは元値がある程度して保存状態がよくても、1万円以下の買取価格になることがほとんどなのが現実です。
口コミデータから見る、着物の査定価格
では、当社が収集した、「着物買取業者」を利用して着物を売却した183件(2021年5月21日時点)の口コミが、実際にどれぐらいの価格で売却できたのかをご紹介します(あくまでも当社が収集した口コミのデータです。ご理解の上ご覧ください)。
平均買取価格は22,867円となっておりますが、約6割の方が1万円台以下の査定価格となっており、1万円以下の査定価格となっている方も半分近くいらっしゃいます。
一部5万円を超えるような査定価格の方もいらっしゃいますが、加賀友禅や本場大島紬など、価値のある着物を状態良く管理されていたケースとなるようです。
査定価格が低くても、もう不要になった着物を無量でスムーズに買取してくれてまとめて引き取ってくれることに満足の感想を持たれている方もいれば、3万円でも購入価格にくらべて低すぎるということで、不満足の方もいるように、査定価格をどう捉えるかは人それぞれなようです。
リユース着物の「販売価格」が、そもそも低い
それでは、なぜ着物の査定価格は低くなってしまうのでしょうか。
もちろん特定のサービスの査定の目利きの品質もありますが、根本は、リユース(中古)着物の販売価格が、新品に比べて非常に低いという現状が大きな要因となっています。
どれだけ高く買おうと思っても、実際に売れる価格以上の金額で買い取ることはできませんよね。
そのような実態と、大手サービスがこぞって広告で流すような金額に乖離があるため、結果的に期待通りといかずに不満を感じてしまう方が多くなっているのです。
着丈(サイズ)や、流行の変動等による需要の変化
また、素材の価値が決まっている貴金属や、動作に問題なければ利用できる機械類と比べて、着物は柄の流行や誂えた着丈(サイズ)によって需要が限定されてしまうことも要因に挙げられます。
着丈に関しては、昔の方よりも現在の方のほうが身長が高くなっているため、昔小柄だった方の着物は現在ではサイズ的な需要が少なく、査定価格が伸び悩んだりする傾向もあります。
デザイン系の着物は、シーズンによって需要が急激になくなったりもするため、古いシーズンのものは、きれいな状態であっても濃い入価格と比べると低い査定結果になってしまいがちです。
査定はどこにお願いするのがベスト?
着物の買取をしてくれるお店は、買取業者(全国展開型、地域密着型)・リサイクルショップ・フリマアプリなどがあります。それぞれを比較してご説明します。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
全国展開型 着物買取サービス |
・利用がスムーズ ・全国で利用可 |
・査定員の品質のばらつき |
地域の着物・骨董専門店 | ・査定員の目が確か | ・見つけにくい ・利用の難易度は高め |
リサクルショップ | ・利用が簡単 | ・査定価格が低い |
フリマアプリ | ・中古市場で価値のつきにくい着物が高く売れる可能性がある | かなり手間が掛かる |
専門査定士はマスト
着物の価値を見極めてくれる査定士は、着物の買取で損をしないためには絶対に必要ですが、見極めたいのは、専門査定士の質です。
大手のバイセルや福ちゃんなどの着物買取サービスでも、必ず専門の査定員は配備されていますが、日本全国で利用できるサービスである分、査定員の経験はどうしてもばらつきがあります。
基本的には、査定員の品質自体に問題はないですが、あえて言うのであれば、信頼が置ける査定員のいる店舗が近くにあるのなら、そちらのほうが査定価格は安心できるかもしれません。(ただ、それ程変わらないことも多いです)
リサイクルショップはなるべく避ける
一般的なリサイクルショップや古着屋で着物の買取を頼むのは、結論おすすめしません。
着物の買取を行っていても、査定をする人が着物専門の知識を持った人ではないため、細かい査定が行われずに買い叩かれる可能性があります。
ひどい場合は、価値のある大島紬なども量り売りの対象となってしまうようなこともあるので、なるべくリサイクルショップでの着物の売却は避けましょう。
利用してよいのは、お持ちの着物が買取業者だと金額がつくようなものではないとわかりきっていて、まとめて持ち込んで不要なものとして処分してもらいたい時ぐらいでしょうか。
デザイナーズ着物などは、手間を掛ければフリマアプリで高く売れることも
メルカリなどのフリマアプリやネットオークションなどで着物を売る、という選択肢は、実は着物の売却にはおすすめの選択肢です。
フリマアプリやオークションでは、「そのサイズのその柄の着物がほしい人」に直接売却できるため、一般的な需要を計算する買取業者よりも高く売ることができます。
特にシーズン者のデザイナーズ系の着物は、買取市場では査定価格がつきにくいですが、欲しい人はいる可能性があります。そういうものを理解して、高く売りたい際は、フリマアプリのほうがおすすめですね。
ただし、ある程度着物の価値がわかる人でないと、逆に安く売ってしまう可能性があったり、出品するだけでも、写真を撮影したり素材やサイズの詳しい表記を入力したりとどうしても手間がかかってしまうことがデメリットです。
当サイトの意見としては、①着物に関する知識はあまりないが、持っている着物をスムーズに着物を売却するには、出張買取が無料のバイセルや福ちゃんなどのサービスをまず利用してみることをおすすめしています。もちろん査定を頼んでも売却しないという選択肢もあります。一方で、一点一点価値を把握し、しっかりと売却していきたい方はフリマアプリでの売却が最適でしょう。
査定方法はどれがいい?
査定方法には、主に出張査定・宅配査定・店舗査定という3つの方法があります。
ここでは、どの査定方法がよいのか理由とともに解説します。
かさばる着物は出張査定がおすすめ
着物の査定は、出張買取が1番おすすめです。
着物は布の面積が大きいので、複数枚はもちろん、1枚であっても重くかさばってしまいますよね。
自宅で完結する出張買取なら、持ち運ぶ労力もかからず手軽に利用できます。
口コミも約半数が出張での買取を利用
当社が収集した、「着物買取業者」を利用して着物を売却した183件(2021年5月21日時点)の口コミが、実際にどの査定形式で査定をされたのかをご紹介します(あくまでも当社が収集した口コミのデータです。ご理解の上ご覧ください)。
出張買取を利用している人が最も多くなっており、特に複数の着物を査定に出す際は、出張買取が多く利用されているようです。
詳しく見ると、リサイクルショップなどで売却された人は店頭での売却が多く、買取業者を利用した人は大半が出張買取を利用されています(バイセルを利用した87人のうち、57人が出張買取を利用)。
出張買取の流れやメリット・デメリット
出張査定の大まかな流れは下記の通りです。
- 電話orメールで申し込み
- 当日査定員が訪問査定
- 合意すれば査定金額を受け取る
出張買取のメリット&デメリットをまとめました。
なんと言っても、申し込みをすれば後は訪問を待つだけでよいというスムーズさが、主張買取最大の魅力です。
一方で、「着物以外で売れるものはありませんか」という形で、貴金属などの売却を迫られる事があるという点が、デメリットとしてあげられます。
もちろんちゃんとしたサービスを使えば、執拗に迫って来て怖い思いをすることなどはありませんが、いきなり訪問してくるサービスには注意しましょう。
メリット |
・事前準備は申し込みだけ ・全国で利用できる ・着物を持ち運ばなくてよい ・査定の様子がわかる ・その場で査定金額を受け取れる ・出張料は完全無料 |
---|---|
デメリット |
・家に人を入れたくない人には不向き ・着物以外を見せてと言われることがある |
宅配買取の流れやメリット・デメリット
宅配買取の大まかな流れは下記の通りです。
- 電話orメールで申し込み
- 梱包キットが送られてくる
- 着物を梱包する
- 着物を配送する
- 査定結果の連絡が来る
- 合意すれば査定金額が振り込まれる
宅配買取のメリット&デメリットをまとめました。
宅配買取のメリットは、人と合わないでよい点です。面倒なコミュニケーションが一切取りたくない人にはおすすめです。
一方デメリットは、手間ひまがかかる点、査定の詳細がわからないため、査定の金額の納得感替えにくいところが挙げられます。
メリット |
・全国で利用できる ・人と合わないで利用できる ・査定に出したいものだけ見てもらえる |
---|---|
デメリット |
・キャンセルする場合、返送料負担の場合がある ・梱包・発送手間がかかる ・査定の様子がわかりにくい |
店舗買取の流れやメリット・デメリット
店舗買取の大まかな流れは下記の通り。
- 電話orメールで予約
- 着物を店舗へ持ち込む
- その場で査定
- 合意すれば査定金額受け取る
店舗査定のメリット&デメリットを表でまとめました。
店舗査定の魅力は、査定をその場で受けられるため、納得感が得やすい点と、査定金額に納得いかない場合、空気的に断りやすい点です。
デメリットは、着物をまとめて持ち運ぶ必要があるため、手間がかかる点、近くに店舗がないと利用できない点が挙げられます。
メリット |
・査定の様子がわかりにくい ・その場で査定額を受け取ることができる ・断りやすい ・査定に出したいものだけ見てもらえる |
---|---|
デメリット |
・持ち運びが大変 ・近くの店舗に利用が限られる |
着物を高く売るためのポイント
ここでは、買取相場や証紙・落款、相見積もりなど、着物を高く売るため押さえるべきポイントを紹介します。
適切な買取サービスを選ぶ
まずは、自分にあった買取サービスを選びましょう。
前述の通り、リサイクルショップは避けるべきですが、大手の買取サービスを利用するか、フリマアプリを駆使して1着1着販売するかなどは人によります。
かけられる手間自分の手持ちの着物から、最適なサービスを選択しましょう。
証紙や落款の有無を確認する
証紙や落款の有無は必ず確認しましょう。
証紙と落款とは、着物の価値を客観的に証明するものです。
証紙とは、品質証明書のようなもので、産地や素材、織り方などを示します。
落款とは、作家のサインのようなもので、その作家が作った着物であることを示しています。
この証紙や落款があれば、査定価格は高くなるでしょう。ない場合は、たとえ本物で良質なものであっても、高値が付かない可能性があります。
前もって証紙や落款がないか探し、査定時に提出しましょう。
相見積もりをとる
査定金額に納得できなければ、相見積もりを取ることをおすすめします。
相見積もりを取れば、査定金額を総合的に判断できるので、よりよい買取ができます。
まずは大手の買取業者に査定してもらい、納得がいかなければきちんと断りましょう。
その後、地域の買取業者にも査定をお願いし、査定金額を比較してみてください。
より高値の方で買い取ってもらいましょう。
査定員の当たり外れがある?
大手のサービスに多いことですが、査定員によって査定金額に違いが出ることを念頭に入れておきましょう。
もちろん一定の経験を積んだ査定員で、マニュアルに沿った対応をしてくれますが、経験の知識の差はあるようです。
どの査定員なのか、どの鑑定士なのか、そのときの当たり外れがあることを理解しておきましょう。
高く売れやすい着物とは?
高値がつきやすい着物は、有名な着物ブランド・有名作家の着物・汎用性の高い着物の大きく3つです。
有名な着物ブランド
有名な着物ブランドとは、大島紬・結城紬・加賀友禅・琉球紅型…といった着物を指します。
これらの着物は、今でも大変人気があり、作り手の減少から稀少性が高く、高値がつきやすいです。
主な着物ブランドは下記の通りとなります。※買取相場はあくまで目安です。状態やものによって大きく変化します。
着物ブランド | 買取相場 |
---|---|
大島紬 | 200,000円前後 |
結城紬 | 3,000円~100,000円 |
牛首紬 | 6,000円~30,000円 |
西陣織 | 数千円~30,000円 |
博多織 | 6,000円~数万円 |
桐生織 | 3,000円~70,000円 |
京友禅 | 20,000~100,000円 |
加賀友禅 | 10,000円~150,000円 |
上田紬 | 数千円~10,000円 |
白鷹紬 | 数千円~20,000円 |
有名作家や人間国宝
有名作家、人間国宝の作家の着物は高値が付きやすい傾向があります。流行に比較的流されないため、価値が安定しているのも特徴です。一例ですが、手持ちの着物にもし次のような作家の着物があれば、高額買取を期待することができます。
※人間国宝とは、正式には「重要無形文化財の技術保持者」といい、通称「人間国宝」と呼ばれています。
また、特に故人の作家の着物は稀少性が増し、価値が上昇する傾もあります。
主な人間国宝は下記の通り。
人間国宝 | |
---|---|
江戸小紋 | 小宮康助、小宮康孝 |
長板中形 | 松原定吉、清水幸太郎 |
友禅 | 田畑喜八、木村雨山、中村勝馬、上野為二、森口華弘、山田貢、羽田登喜男、田島比呂子、森口邦彦、二塚長生 |
友禅楊子糊 | 山田栄一 |
正藍染 | 千葉あやの |
型絵染 | 芹沢銈介、稲垣稔次郎、鎌倉芳太郎 |
羅 | 喜多川平朗、北村武資 |
精好仙台平 | 甲田栄祐、甲田綏郎 |
唐組 | 深見重助 |
有職織物 | 喜多川平朗、喜多川俵二 |
献上博多織 | 小川善三郎、小川規三郎 |
紬縞織・絣織 | 宗廣力三 |
紬織 | 志村ふくみ、佐々木苑子、村上良子 |
佐賀錦 | 古賀フミ |
紅型 | 玉那覇有公 |
綴織 | 細見華岳 |
刺繍 | 福田喜重 |
首里の織物 | 宮平初子 |
読谷山花織 | 与那嶺貞 |
芭蕉布 | 平良敏子 |
経錦 | 北村武資 |
木版摺更紗 | 鈴田滋人 |
紋紗 | 土屋順紀 |
汎用性の高い着物
着物には種類があり、種類によって着用シーンが異なります。
例えば、振袖は未婚女性の礼装で、成人式やお正月などのハレの日に着用する着物です。他にも喪服は通夜や葬儀、法事といった弔事に着る着物ですよね。
着物の種類の中でも、振袖のように多くの人が成人式で着る着物だったり、訪問着のように着用シーンが多い着物だったりすれば、買い手が付きやすいので高く売れることがあります。
一方、喪服や黒留袖などは着用シーン限られているので、なかなか買いたいという人は多くありません。このような着物は購入するよりレンタルが主流です。
主な着物の種類は下記の通り。買取相場はあくまで目安です。
着物の種類 | 買取相場 |
---|---|
黒留袖 | 3,000円~20,000円 |
色留袖 | 3,000円~20,000円 |
振袖 | 10,000円~40,000円 |
色無地 | 3,000円~5,000円 |
訪問着 | 5,000円~30,000円 |
付け下げ | 30,000円~15,000円 |
小紋 | 数百円~10,000円 |
浴衣 | 数百円~5,000円 |
着物買取のQ&A
その他、着物買取に関する疑問点をQ&Aで解説します。
Q.良い状態をキープするためのお手入れ方法は?
着物の保存状態は良いにこしたことはありません。
普段からのお手入れや虫干しなどを行い、できる限り良い状態をキープしましょう。
すでにシミや虫食いがある場合でも、できることはあります。
査定前に陰干しすることでニオイやシワを軽減させて、少しでも良い状態に近づけておきましょう。
ただし、正しい知識がない状態で、アイロンをかけたり汚れをゴシゴシ洗ったりするのは、かえって着物を傷めてしまうので避けてください。
Q.着物に関連する小物類も買取に出せる?
着物や帯以外にも、和装小物はたくさんあります。
例えば、帯締めや帯留め、帯揚げ、和装バッグ、草履など。
これらの和装小物は、単体での買取は難しいですが、着物と一緒ならば買い取ってもらえることがあります。
依頼する業者に事前に確認しておきましょう。
Q.正絹以外の着物も買い取ってもらえる?
正絹以外の着物には、麻や木綿、ウールやポリエステルなどがあります。
麻や木綿は、夏の着物として重宝するので買い取ってもらえることが多いでしょう。
ただし、普段着やカジュアル着としての着物なので高値は期待できません。伊勢木綿や琉球絣などの有名な着物ブランドならばもう少し高値がつく可能性があります。
ウールやポリエステルの着物は買取していないところがほとんどです。
ただし、高級ポリエステルの「東レシルック」や「きもの英(はなぶさ)」は買取してくれる可能性はあります。
Q.キャンセルの場合はどうなる?
査定をしてもキャンセルすることはもちろん可能です。
出張査定と店舗査定では、買取の意思を確認されたさいにはっきりとNOを伝えましょう。
宅配買取では、キャンセルの場合の返送料を負担しなければなりませんのでご注意ください。
いったん買取が成立した後でも、きちんとした業者ならばクーリングオフ制度を設けています。
事前にクーリングオフ制度があるか確認し、やっぱりキャンセルしたい場合は利用しましょう。
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