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着物基礎知識

結城紬は高価買取の可能性大!買取相場と高く売るポイントをチェック

希少価値の高い結城紬ですが、着物を着ない人にとってはなかなか着る機会はありませんよね。眠っている結城紬があるなら、思い切って売却を検討してみましょう。結城紬は人気や稀少性の高さから良い価格での買取が期待できます。

この記事では結城紬の買取を検討している人へ向けて、買取相場おすすめの買取業者などを徹底解説しています。当サイトで収集した着物買取の口コミ185件も紹介しているのでぜひ参考にしてください。

目次

順位 業者名 説明
1

バイセル

バイセル

重点対応地域:全国

形式:出張・宅配・店舗

着物の査定を頼む前に

バイセル・福ちゃんを使う前に

✔ 現金査定価格の相場を分析

利用料金を細かく記載

✔ 3社の口コミ100件以上

買取の比較調査情報

記事を読む

カンタン5分

そもそも結城紬とは?

稀少な高級絹織物

茨城県と栃木県にまたがる鬼怒川流域で作られる結城紬は、奈良時代から受け継がれてきた高級絹織物です。軽くて暖かいこと、経年変化で増すやわらかな風合いが魅力で、着物愛好家や著名人から愛され続けています。

一反織り上げるのに1年以上かかることもあるほど丁寧に作られているので、人気が高いのに対し生産量が少なく、希少価値も高いです。

国内外で高く評価

1953年に茨城県の重要無形文化財に指定。
1956年には、結城紬の伝統的な技法である「糸つむぎ・絣くくり・地機織り」が、国の重要無形文化財に指定されました。結城紬の中でも、この技法で作られた結城紬は大変価値の高いものとなっています。

1977年には国の伝統的工芸品に、そして2010年にはユネスコ無形文化遺産に登録され、日本も世界も認める絹織物となりました。

結城紬の買取相場

着物の査定を頼む前に

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買取の比較調査情報

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結城紬の買取相場

有名産地の紬なので高め

結城紬の買取相場 数千円~100,000円

結城紬は有名産地なだけあって買取相場は高め。牛首紬や郡上紬といった他の有名産地の紬と比べても、上限が高めであることがわかります。
ただし価格帯が幅広く、実際の買取価格は「ものによる」というのが現状です。

大島紬 5,000~200,000円
牛首紬 数千円~100,000円
久米島紬 ~80,000円
郡上紬 ~150,000円

【注意】保存状態や製法によって価格は変動する

実際の買取価格は、保存状態、手織りか機械織りかなどによって変動します。保存状態の良い結城紬には100,000円以上の価格が付くこともあれば、汚れの目立つ古い結城紬には数百円しかつかないことも。

あなたの結城紬が実際にいくらになるのかは査定に出してみないとわかりません。まずは無料査定に出してみることをおすすめします。

結城紬を高値で売却するには

結城紬の査定時には証紙を提出

結城紬の査定時には必ず証紙を提示しましょう。証紙があることで、使われている素材・産地・伝統的工芸品かどうかが客観的に証明されるので、買取価格は確実にアップします。

証紙は、その着物の品質を保証する大切なものなので、大切に保管しておきましょう。

買取業者とフリマアプリの違い

着物の知識がない方は、買取業者の利用がおすすめですが、着物の知識をお持ちの方はフリマアプリも利用可能です。

結城紬などの高級素材の着物や帯を売る場合は、まずは買取業者の利用をおすすめします。

フリマアプリの場合、少しでも高く売れる可能性がありますが、着物を正しく出品するには、寸法や記事、落款証紙や記事の状態などを適切に伝える必要があるため、ある程度以上の着物の知識が必須です。

結城紬などを売却する場合は、サイズ感や状態、証紙や落款などの情報を正しく記載しないと、トラブルのもととなってしまいます。

専門買取業者 フリマアプリ
メリット 手軽に利用できる
結城紬などの高級品が売りやすい
無料で利用できる
ノーブランド、デザイナー着物に強い
デメリット 人件費がかかる
デザイナー着物に弱い
売れるかわからない
手間がかかる
高額商品は売りにくい

結城紬は出張買取がおすすめ

着物の買取業者を利用する際は、出張買取が便利です。

実際、当サイトが収集した着物を売却した170件の口コミの中でも、出張買取を利用する人が最も多くなっており、これは結城紬などの着物でも同様だと思われます。

大量の着物を持ち込むのは手間がかかるため、出張買取を利用する人が多くなっているようです。

また、大手の着物買取業者であれば、訪問料金やキャンセル料金も無料のところが多く、相見積もりやキャンセルしやすいのも利用しやすいポイントです。

着物は1枚1㎏前後

布の面積が大きい着物は、予想以上の重さがあります。1枚1㎏前後あるので、5枚以上となると持ち運びも大変です

複数枚の着物がある場合は、着物専門買取業者の出張買取を利用して、自宅にいながら一気に売ってしまうのが一番楽です。

利用者が最も多いのは、バイセル

当サイトが収集した着物を売却した約170件(2022年1月5日時点)の口コミの利用サービスを比べてみましょう。

データによると、バイセルの利用者が圧倒的に多くなっています

バイセルは、上場企業のBuysell Technorogiesが運用する出張訪問型のサービスですが、全国でサービスを展開しており、認知度が高く実際に多くの人が利用しているようです。

2社以上に査定を頼む

よく勘違いされる方がいますが、出張買取も、相見積もりを取ることはできます。

一度お断りた後に、他社で納得行かなければ、また連絡すれば再度買い取りに来てもらう、なども可能なことが多いです(※査定金額や状況によっては宅配買取に変更のケースもあります)

「わざわざ来てもらったのに、申し訳ない。」という感情から納得していない価格で売却してしまわないようにしましょう。

1社大手でスムーズに予約できるサービスを利用し、査定に納得できなければ、地域の着物店を探して持ち込む、というのもおすすめです。

断るのが苦手という人は2名以上で査定を受けることをおすすめします。判断力の低下してしまった高齢の方一人では、査定を受けないようにしましょう。

本当に高く売りたい場合は、委託販売も

結城紬の中でも高級で需要の高い着物をお持ちで、時間がかかっても高く売却したい場合、着物の委託販売という手段もあります。委託販売とは、一定の間着物をリユース店舗に預け、売却されたら売り上げの一部をもらうという着物の売却方法です。

ただし、委託販売は非常に高度な査定技術と販売力が必要なため、あまり対応している業者はいません。そもそもいつ売れるかもわからないため、仲の良い業者がいれば話を聞いてみてもいいかも。というのが現状です。

買取業者をうまく利用しよう

実際どうやって売却すればいいか、ますますわからなくなったという方もいらっしゃるかと思いますが、まずは出張料、査定料、キャンセル料無料の買取業者をうまく使ってみてはいかがでしょうか。

一般的な、「相見積もり」ですが、出張業者の無料査定をまずは受けてみて、気に入らなければ、キャンセルか部分的に売却し、フリマアプリを使ってみる。それでも難しければ別の出張業者を利用する。というように、無料査定を最大限利用してみましょう。

最も大事なのは、納得しない価格では、一旦は売らない。ということです。業者がキャンセル料無料をうたっている以上、何も心配せずに買取を断りましょう

バイセル

注力対応エリア 全国
買取形式
  • 出張
  • 宅配
  • 店舗
注力取扱商品 振袖、紬、留袖、友禅、訪問着、付け下げ、上布、沖縄着物、男性着物、反物、和装小物、和装上着、小紋、色無地、アンティーク着物、袋帯、丸帯、半幅帯、名古屋帯、作家着物
出張 宅配 店舗
支払日 査定当日 成約後2営業日以内 査定当日
支払い方法 現金手渡し 銀行振込 現金手渡し
手数料 無料 振込手数料:無料
送料:無料
返送料:有料
無料
利用キット 無料宅配キットあり
営業時間 ・電話問い合わせ:24時間(通話料無料
・店頭(持込)買取:店舗により異なる
査定力○ 着物に精通した査定担当が多数在籍
・訪問先からも、本部の鑑定チームに確認
・豊富な販路で、査定価格が付けやすい
査定力✖ ・査定担当者によっては査定力にブレあり
サポート ・出張買取後にはアフターフォローコールあり
・お客様相談室あり
・コールセンターあり

全国に無料出張査定。即日対応も可能

バイセルは、全国に無料で出張査定を行っており、可能な場合は、即日の対応も行っています。査定金額に不満があれば無料で買取を拒否することもできるため、手間やリスクをかけることなく査定金額を知ることができます。

安心できる査定体制が一番の特徴

不当な査定価格や、悪質な押し買いを不安だ、という方は、まずバイセルのような大手の買取業者をおすすめします。上場企業のバイセルは、コンプライアンスを徹底しており、査定後に、査定員の態度や満足度についてのアフターコールを実施しているなど、安心安全な主張買取体制を敷いています。

利用者数が圧倒的に多い

「買取の比較」の口コミ調査では、約4割の方がバイセルに買取してもらったと回答しており、全国で実際に多くの人がバイセルの出張買取を利用していることを表しています。365日24時間電話での無料申し込みを受付けているので、まずは気軽に相談してみましょう。

利用者の口コミ

4

60歳 女性 愛知県で着物の買取の口コミ・評判
バイセルで大島紬3点,源氏物語の帯1点、その他ノーブランドも含め0計20点近くの着物、その他アクセサリーを29700円で買取してもらいました
  • 留袖
  • 付下げ
  • その他着物
使ってみた感想
実家の遺品整理で買取サービスを利用しました。着物が30枚くらいと帯など小物もあったので出張買取をお願いしました。予約のオペレーターの方や実際に買取に来られた担当者の方も非常にマナーがよく、会社としてかなり顧客対応を重視していると感じました。押し買いと言われないように、説明をしっかりすることや、録音など記録をきちんと残すことに非常に気を遣っているように思いました。
査定金額について
正直なところ安いと思いました。でも、着物は丈が短いと値段が安くなることは事前に調べていたとおりですし、高価なブランドものがあるわけでもないですし、そのまま置いておいても着るあてがないので、誰かが活かしてくれるならそれでよいと思いました。
査定担当者について
会社の教育が非常に行き届いているようで、マナーが非常によく、好感がもてる方でした。押し買いにならないように、顧客に十分説明することがとても重要視されているようでした。
迷ってる方にオススメの一言
よほど状態がよかったり、ブランド品だったり、需要があるものでないと思ったほどの値はつきません。何十年も実家の引き出しに眠っていた着物がそんなに高く売れるとは思わないほうがよいようです。
でも、ただ廃棄してしまうより、多少でも値段がついて引き取ってもらえるなら利用する価値はあると思います。

バイセルで実施中のキャンペーン

概要 2月限定!抽選で買取金額が「5倍」に!
内容 期間中に5,000円以上ご成約した方の中から抽選で500人に1人買取金額5倍!
期間 2022/2/1 ~ 2022/2/28
条件 以下の条件をすべて満たしている方
・2022年2月1日~28日にご成約の方
・出張・店頭買取にて1度に5,000円以上ご成約の方
※詳細は公式サイトをご確認ください

電話・WEBから無料相談

高く売れる結城紬の特徴

高く売れる結城紬の特徴

保存状態がよい結城紬

まず確認したいのが保存状態です。しばらく着ていなくても、いつの間にか汚れていることもあります。特に汚れが付きやすい箇所は下記の通り。買取に出す前に、これらの箇所をチェックしておきましょう。

ちなみに、着用時には見えない部分の汚れでも、査定額にマイナス影響を与えます。特に”胴裏”という胴まわりの裏地はシミができやすいので、日頃のお手入れをきちんとしておきたいところです。

衿元 ファンデーションや日焼け止めなど
泥はねや水はね
裏地 汗や皮脂
袖口や袂 動作時に汚れやすい

本場結城紬

本場結城紬とは、本場結城紬検査協同組合によって品質を保証された結城紬です。下記のような16項目で厳しく検査されます。

  • 手つむぎの真綿糸を使用
  • 手くくりの絣糸を使用
  • 模様ずれ
  • 長さ
  • 幅…

検査基準にひとつでも満たないものは、本場結城紬であるとは認められません。検査を合格した結城紬にのみ、本場結城紬の証紙が貼られます。

買取相場
本場結城紬 数千円~100,000円ほど
本場結城紬以外 ~30,000円

細かい亀甲柄の結城紬

結城紬には無地・縞・格子などいろいろな柄がありますが、結城紬の柄の代表格は亀甲柄です。亀甲と呼ばれる小さな六角形の集合体でできた、点画のような柄です。

亀甲絣には80、90、100、160、200と数値があり、数値が大きいほど細かい亀甲柄を意味します。小さな亀甲柄を作るには高度な技術が必要になるため、価値が高くなるのです。さらに近年では後継者も少なくなっているため細い糸を作ることが難しくなり、細かい亀甲柄はますます価値が高くなっています。

老舗問屋奥順の結城紬

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画像引用元:千成堂着物店のブログ

伝統的な結城紬の技術を踏襲し、現代の我々の生活により馴染んだ結城紬を提供している、老舗問屋・奥順。明治40年に創業して以来、長きに渡って結城紬の発展や研究に携わってきた老舗です。

結城紬というと高級で手が出しにくいイメージがありますが、奥順ではより安くより手軽に結城紬を楽しんでもらえるオリジナル結城紬ブランドはたおり娘を確立しました(上写真)。はたおり娘の結城紬は、柔らかな色合いのものが多く、袷の紬はもちろん夏場に着られる薄物まで幅広く取り揃えています。見るからに紬といった風合いを感じさせないこともあり、若い人からも人気が高いです。

結城紬の証紙


証紙とは、本物であることの証しです。結城紬の証紙は、本場結城紬かそれ以外かでデザインが異なります。

証紙のデザイン
本場結城紬 結マーク
本場結城紬以外 紬マーク

本場結城紬の証紙

結マーク

画像引用元:株式会社 小倉商店

本場結城紬には「結」の文字が書かれた証紙が必ず貼り付けられます(写真左)。これが本場結城紬かどうかを判断する大切なポイントです。本場結城紬卸商協同組合が発行しています。

問屋のロゴ

結城紬卸業協同組合

画像引用元:着物心

女性が真綿糸をつむぐ様子が描かれたイラストの左下には、上記のいずれかの問屋のロゴが入っています。組合に入っている問屋でないと本場結城紬として認められないので、問屋のロゴも確認してみましょう。

地機織り本場結城紬


画像引用元:株式会社 小倉商店

地機織りとは、国の重要無形文化財指定の技術である貴重な織り方です。本場結城紬検査協同組合が検査を行ったことを証明する証紙(上写真)と、検査に合格したことを表す金色のシール(下写真)が貼られます。地機織りの本場結城紬には、どちらの証紙にも「地機」の文字があります。

高機織り本場結城紬

画像引用元:株式会社 小倉商店

高機とは地機よりも容易に速く織れる手織り機で、高機織りのものは地機織りよりも風合いはやや劣ります。地機織りと同じく検査の証紙(上の写真)と合格シール(下写真)が貼られますが、検査の証紙はオレンジ色です。高機織りの本場結城紬には、どちらの証紙にも「高機」の文字があります。

本場結城紬以外の証紙

紬マーク

yuui_shousi003

画像引用元:千成堂着物店のブログ

本場結城紬以外の結城紬には、上の写真のような証紙が付けられます。証紙の文字は「結」ではなく「紬」の文字が特徴です。糸つむぎや織りなどの一部の工程を機械化してコストダウンを図り、消費者に求めやすい結城紬となっています。紬マークの証紙が貼られるのは主に以下の2つです。

  • いしげ結城紬
  • 織元オリジナルの結城紬

いずれも茨城県結城郡織物協同組合によって結城紬と認められたもので、本場結城紬のニセモノというわけではありません。

伝統的工芸品の証紙は貼られない

伝統的工芸品のシンボルマーク

画像引用元:一般社団法人伝統的工芸品産業振興協会

結城紬は伝統的工芸品でありながら、伝統的工芸品の証紙は貼られません。なぜなら、結城紬という着物自体が有名ブランドとして広く確立されているからです。組合がしっかりと品質を保証したものであれば貼り付けるまでもない、という考えで伝統的工芸品の証紙は貼り付けられていません。

証紙がない場合はどうしたらよい?

証紙がない場合や見つからない場合は、着物専門買取業者に依頼しましょう。何となく風合いを見て結城紬かな?と思うかもしれませんが、中には結城紬風の着物も存在します。着物に詳しい査定士のいる着物専門買取業者に見てもらうのが一番安心です

結城紬をより高く売るコツ

買取の大原則【相見積もり】

できるだけ高い買取価格で売るためにまず押さえたいのが、相見積もりです。複数の買取業者に査定してもらい、一番高値をつけた業者に買い取ってもらいましょう。

着物の買取額は「この着物はこの金額」と決められているものではないため、買取業者によって買取額が違います。A社では10万円でも、B社では15万円の査定額がつくことも。複数社の査定額を比較することで、買い叩かれることを防ぎ、少しでも高く売ることができます。

査定時には証紙を提出

査定時には必ず証紙を提示しましょう。証紙があることで、使われている素材・産地・伝統的工芸品かどうかが客観的に証明されるので、買取価格はアップします。

着物についての知識がなくても、証紙があれば安心して査定を受けられますね。証紙は、その着物の品質を保証する大切なものなので、大切に保管しておきましょう。

良好な保存状態をキープ

シミや汚れなどを防ぎ良い保存状態をキープするためには、日頃からのお手入れが大切です。お手入れ方法は下記の通り。

  • 着用後は風通しの良い場所で数時間陰干し
  • シミを見つけたら着物専門のクリーニング業者に相談
  • シワにならないようたたみ、たとう紙に包んで保管
  • 少なくとも年に一度の虫干し

丁寧なお手入れと保管を行っておくと、いつもキレイな状態で着用することができ、買取時も高値が付きやすくなります。

できるだけ早く売る

絹の着物はデリケートな衣類です。たとえここ数年着ていなくても、長い間仕舞いっぱなしにしていると、シミができたり虫食いができたりすることは多々あります。したがって、もう着る機会がないならば、状態が良いうちに早めに買取に出した方が高値が付きます。

結城紬の特徴

ほっこり、柔らかい風合い

結城紬は、繭を煮て伸ばし、真綿状にした上で、手で紡いで紬糸を作ります。結城紬に見られる、手で紡がれた糸は無撚糸(むねんし)と呼ばれており、世界的にもレアな製法になっています。手で紡ぎだした糸に草木染めや藍染めを施し、織り上げていきます。

結城紬は、軽くて着やすい着物として定評があり、着れば着るほどに肌に馴染みます。さらに、味わい深い色合いとなり、絹独特の光沢も出てくるので、着物通からの人気も高いのです。

織り機によって紬の柔らかさが異なる

結城紬を作るには、昔ながらの地機を用いた方法と高機を用いた方法があります。地機織りか高機織りかは、実際に生地を触ってみれば瞬時に判断がつくと言われるほどです。

地機を用いた方法は、織り手が床に座って織ることから居坐機(いざりばた)織りとも言われています。織り手は、自分の腰で経糸の調子を見ながら織るという高度な技術が必要で、結城紬の織技術は素晴らしいと国内外から評価されています。手間暇かけて織られた結城紬の反物には、心地よい生地の柔らかさを感じ取ることができます。反物を透かして見れば、綿毛が見えるような柔らかさがある、独特の織り味を見て取ることができます。一方、機械織りは同じ手で紡いだ糸を用いますが、地機で織られた紬のような柔らかさは無く、しっかりとした打ち込みの生地に仕上がります。

親子三代で着られる丈夫さ

紬は全般的にその丈夫さが広く知られていますが、結城紬も生地及び糸の頑丈さには定評があります。親子三代で着まわしてもまだまだ着ることができるほど頑丈です。

糸の紡ぎ方、撚りのかけ方、糸の染色法、織り方など、段階的に複数回の工程を繰り返して丁寧に紡がれるからこそ、どんどん糸が丈夫になるのだと考えられます。元々は普段着用に作られた着物なので、やはり強度や頑丈さはそれなりに必要だったのでしょう。

結城紬の柄

代表的な無地・縞・亀甲絣

結城紬は素朴な味わいが特徴的な着物なので、派手な図柄のものはあまり存在しません。その代わりに、ただの縞柄の地にもほんのり絣柄を見て取ることができます。無地でも絣柄を見ることができるものが多く、織りの技術の高さを肌身で感じることができます。

柄や絣の細かさでランクも変わる

紬の高価さは絣の細かさで決まると言われていますが、これは結城紬にも当てはまります。結城紬の場合、縦緯絣が一番手間がかかるとされており、亀甲絣が反物の一幅にどれぐらいあるかで技の高さを表します。糸が最も細かく柔らかい200亀甲が現在では最高品、天とされていますが、通常では目にすることもできない超高級品としても知られています。そこから、一部では幻の結城紬などと言われることもあるのです。

現在店頭で目にできるランクの高い結城紬は、地機織りで100亀甲の絣のものがあり、これは100万から300万ほどの値段が付けられています。

結城紬の産地

主に茨城県結城市で作られる

結城紬の産地は茨城県の結城市です。茨城県に属しますが栃木県寄りに位置するため、歴史的にも栃木との関わりが深いことで知られています。そのため、最近では結城市に隣接する栃木県の小山市でも同様に結城紬が作られるようになりました。

現在では、結城市・小山市一帯で結城紬は生産されています。茨城県結城市で作られる結城紬こそが本場ものであるという理解をしている人が多いのですが、栃木県小山市で作られるものが必ずしも本場ものではないということはありません。どちらの市でも本場結城紬・結城紬の両方が作られています。

茨城県で作られるさまざまな織物

結城御召

結城御召は、茨城県結城地方で生産される縮織りで、結城縮とも呼ばれます。結城紬と同じく真綿から手紡ぎにした糸を使いますが、強い撚りをかけるのが特徴です。強い撚りをかけた糸を用いることによって表面に細かいシボが生まれるので、その凹凸により肌にぺたりとつかずさらさらとした風合いになります。戦後に大流行し昭和30年代までに盛んに織られましたが、現在では生産量が減っています。

豊田紬

豊田紬は、茨城県豊田地方で作られている、絹綿交差の紬織物です。作られたのは明治末期で、結城紬に似せた実用向きの夏用生地として登場しました。絹と木綿の交織なのでさらりとした風合いです。肌触りが良く耐久性に優れており、単衣で着る方が多いです。

何度洗い張りしても耐えられる丈夫さから、大正、昭和には盛んに生産されていましたが、現在は生産するのが1社のみとなっており大変貴重です。

石下紬

石下紬は、茨城県常総市石下地区の鬼怒川沿いの地域で作られている絹織物です。石下地方では古くから木綿の織物が織られていましたが、明治末期になって、緯糸に綿、経糸に絹を使う交織が開発され、石下紬が始まります。石下紬は、十字絣や亀甲絣などの絣模様が特徴ですが、紬の持つ特有の風合を楽しむために、絣のない無地や縞・格子のものも作られています。しゃきっとした風合いと軽く着崩れしにくいことで、夏の単衣などに重宝されています。

結城紬の歴史

結城紬の原形は「あしぎぬ」

結城紬の起源は、古くは奈良時代までさかのぼります。結城紬は、奈良時代に朝廷に献上されていた「あしぎぬ」と呼ばれる絹織物が原形と言われており、今でも正倉院に保管されています。あしぎぬが多く作られていたのは、現茨城県、常陸の国です。そこからあしぎぬは徐々に常陸紬と呼ばれるようになり、庶民にも広まっていきました。

武士に好まれた着物

地位の高い人に献上されていたあいぎぬは、普段使いできる紬へと姿を変えていきます。鎌倉時代には、質素と素朴を好む武士が常陸紬の素朴さを気に入り、常用するようになります。
江戸時代には結城紬がもっとも繁栄し、「結城紬は最高峰の紬である」といった記載を江戸の百科事典で確認することができます。紬ならではの丈夫さも武士が喜んだポイントだったのでしょう。次第に、紬が織られている場所を端的に表すために結城紬と呼ばれるようになりました。

国内外で認められた結城紬

茨城県の重要無形文化財

1953年に、茨城県の重要無形文化財に指定されました。県をあげて守るべき技術とみなされたのです。

国の重要無形文化財

本場結城紬は、1956年に重要無形文化財に指定されました。指定を受けた本場結城紬の条件は、「真綿の手紡ぎ糸」、「手くくりの絣」、「地機の条件を満たしたもの」で、これを全てクリアしていないと重要無形文化財指定の結城紬とは認められません。特に、真綿の手紡ぎ糸が重要視されるのは、数ある紬の中でも経糸緯糸両方に手紡ぎ糸を用いるのが結城紬だけだからです。

ユネスコ無形文化遺産

2010年には、結城紬の製作工程がユネスコ無形文化遺産に登録されました。全て手作業で地道に行い、昔ながらの原始的な地機を用いて織り出す様は、まさに職人技なのです。結城紬は、1873年のウィーン万国博覧会に初出展した時も、その技術力の高さに世界が驚嘆したと言いますが、ウィーン万博から100年以上経った現在でもその技術力は衰えていません。今後もこの素晴らしい技術を残すべく、後進の養成にも力を入れています。

結城紬の技法

画像引用元:廣田紬株式会社

結城紬の技法である、糸つむぎ・絣くくり・地機織りの3つは1956年に国の重要無形文化財に指定されています。この技法で作られた結城紬は特に価値が高く、買取価格も100,000円程と高額です。結城紬の買取価格の違いを理解するために、この特徴的な3つの技法について知っておきましょう。

原料は真綿の【手つむぎ糸】

結城紬_糸つむぎ

画像引用元:結城市

結城紬は、真綿から手作業でつむぎ出される糸から作られます。上質な繭を大きな窯で煮出し、袋状に広げたものを乾燥させた真綿から、熟練の職人が撚りのない糸を引き出していきます。糸は、なるべく均等になるようにつむぎ出されますが、熟練の職人でも太さを一定にするのは困難です。ところどころ太さの違う手つむぎ糸を使って織り上げられた生地の表面には、節(フシ)と呼ばれる凹凸ができます。これが結城紬の素朴であたたかみのある何とも言えない風合いを生み出すのです。

着物一反分の糸を作るには、蚕2,000匹分の繭が必要で、糸つむぎだけでも2~3カ月かかります。細かい絣模様を表現するためには、より細い糸をつむぐ必要があり、さらに高度な技術が必要です。結城紬は、原料となる糸自体がそもそもの高級品なのです。

【手くくり】で絣模様を染め出す

結城紬_絣くくり

画像引用元:結城市

絣模様のある結城紬は、手作業で絣くくりを行った絣糸を使用して作られます。絣とは、織る前にあらかじめ完成の模様どおりに染め分けた糸を使って、織ることで模様を表現する方法です。重要無形文化財に指定されている手作業での絣くくり「手くくり」は、糸の染めない部分を一つ一つ木綿糸で縛っていきます。手くくりされた糸を染料に浸すことで、糸で縛った部分は染まらず白く残るのです。柄が細かくなると、この手くくりの部分が多くなり、細かく複雑にもなるため、てくくりだけでも、半年以上の期間を要します。

高度な技術を要する【地機織り】

結城紬_地機織り

画像引用元:結城市

半年以上もの時間をかけて作られた糸を使い、重要無形文化財の指定条件である「地機」で織られる結城紬は、特に高級品です。地機は、日本最古の織り機と言われていて、現在手織りの主流となっている高機と比べると3倍の手間がかかります。しかし、それでも結城紬が地機にこだわるのは、結城紬の風合いを最大限に引き出すためです。

地機は糸に負担をかけず風合い良く仕上がるメリットがありますが、上手に織らないと織りムラができてしまいます。地機で織られた結城紬は、根気と高度な技術の結晶です。

高機で織られた結城紬の価格と比べると、地機製の結城紬は約2倍ととても高価です。そのため、状態の良いものであれば、必然的に買取価格も高くなります。

結城紬の着用シーン

結城紬、中でも本場結城紬はもっとも高価な紬として知られていますが、どんな席に相応しい着物かよく分からないという方も少なくありません。

普段着として定着していた紬も今ではちょっとしたおしゃれ着として楽しむ人が増えたことで、着ていく場にも広がりが出ました。

憧れのおしゃれ着

結城紬は、大島紬と並び高級紬として広く認識されています。値段も値段なことから、普段着使いをする人はまずいません。

おしゃれ着として活用する人は多く、お食事会、ちょっとしたパーティー、個展、美術館巡り、同窓会、ちょっとしたコンサートといった華のある場所で目にしやすいです。特に、薄手で平織りの結城紬はよそゆきの着物として活用できるので、一着あると大変便利だと言います。帯によって格付けも可能なので、カジュアルダウンも、フォーマルアップも思いのままです。

結婚式には着ていいの?

結城紬は高級紬として認識されていますが、結婚式には不向きです。値段が200万もする高級品だからといっても紬は紬で、フォーマルな着物というわけではないのです。しかし、最近では友禅染と結城紬を組み合わせた新しいタイプの紬着物も出てきています。色合いもピンク、黄色、緑など華やかなものが多く、かつ絵羽模様に唐草葡萄や、金も使った草花などが描かれた結城紬訪問着は一見紬には見えません。恐らく、結婚式に着て行っても、紬の訪問着とは気付かれないでしょう。

柄や色が結婚式にも適したものであれば、友禅染本場結城紬訪問着をフォーマル衣装として着ても問題ないでしょう。合わせる帯は、金糸銀糸がふんだんに使われた、織りの豪華な袋帯を締め、着物の格を上げるようにするとなお結婚式などの格式高い場に相応しいです。

まとめ

結城紬は早めに着物専門買取業者へ

結城紬は、着物愛好家に人気の高い着物です。買取相場は数千円~100.000円と着物の中でもかなりの高値が期待できます。