京都が長い年月をかけて受け継ぎ育んできた「西陣織」。
教科書でも紹介されるほど名の知られた高級織物です。
精巧で精密な文様と、その色使いの美しさで、日本国内のみならず海外でも大変人気があることはみなさんご存知ではないでしょうか。
今回はそんな西陣織について
「西陣織の買取相場ってどのくらい?」
「そもそも西陣織ってどんなもの?」
「西陣織にはどんな証紙が付くの?」
など西陣織の特徴から買取相場、高く売るためのコツなどを詳しく紹介していきます。
目次
順位 | 業者名 | 説明 |
---|---|---|
1位 |
バイセル |
バイセル 重点対応地域:全国 形式:出張・宅配・店舗 |
そもそも西陣織とは?
桐生織と博多織とともに日本の三大織物に数えられていますが、西陣織は特に歴史が古く1,000年以上にわたって織物を生産している有名産地です。
生産の中心は帯で、帯が9割、着物が1割と言われています。
華やかなデザイン
数多くの色糸を使って織る西陣織は、他の織物とは一線を画しています。
西陣織の色糸は、一本の帯に50色以上を使用することもあり、その色彩の豊かさは西陣織の名を不動のものとさせました。
「西陣織で織れない織物はない」といわれるほど多種多様です。
デザインはシンプルなものから豪華なものまでさまざまですが、特に金糸銀糸を含む多くの色糸を使った、華やかで繊細な柄を表現している帯が西陣織の代表格です。
この多色で緻密な柄を織り出すためには、大変高度な技術を必要とします。
豪華絢爛な西陣織は、他の帯と比べて市場価格がもともと高く、買取額も高値です。
古くから朝廷へ献上する高級な織物として貴族や武士、さらには裕福な町人たちによって支えられ育まれてきた西陣織は、今も多くの人に愛される人気の高い高級織物です。
多品種少量生産の分業制
西陣織の一番の特徴は、大量生産をするのではなく「多品種少量」生産方式を用いられていることです。
完成までに必要な20以上の工程それぞれを専門の職人が担当し、完全分業制で生産しています。
手間暇がかかって、大量生産できないことから稀少性があり買取価格も高めなのですね。
現在では職人の高齢化による後継者不足が課題となっており、今後希少価値はさらに高まり、買取額も高くなることが予想されます。
西陣織は、1976年に国の伝統的工芸品に指定されています。
西陣織の買取相場
画像引用元:KOGEI JYAPAN
西陣織の帯と着物の買取相場
西陣織は、金糸や銀糸を贅沢に使った高級な帯が有名です。
西陣織の帯の買取相場 数千円~数十万円
質や製法、作り手などの違いにより買取相場には大きな差が出てきます。
しかし、1000年以上前から都と共に栄えてきた西陣織は、高級で品質も高いので一般的な帯よりも買取額は高額です。
そのことは、ノーブランドの一般的な帯の買取額と比べてみるとよく分かります。
ノーブランド帯の買取相場 | |
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袋帯 | ~20,000円 |
名古屋帯 | ~5,000円 |
半幅帯 | ~2,000円 |
西陣織は格の高い袋帯を多く生産しているので、全体的に買取額も高値が期待できるでしょう。
また、着物の買取相場は下記の通りです。
作家物(人間国宝や有名作家) | 数千円~30,000円 |
---|---|
振袖 | ~10,000円 |
黒留袖 | ~5,000円 |
色留袖 | ~6,000円 |
小紋 | ~6,000円 |
紬 | ~7,000円 |
付け下げ・訪問着 | ~10,000円 |
【注意】保存状態や種類によって価格は変動する
実際の買取価格は、保存状態・作家・産地などによって変動します。保存状態の良い博多織には100,000円ほどの価格が付くこともあれば、汚れの目立つ古い博多織の半幅帯にはほとんど値が付かないことも。
お手元の博多織が実際にいくらになるのかは査定に出してみないとわかりません。まずは無料査定に出してみることをおすすめします。
実際に買取を行った人の口コミ
具体的な事例とともに口コミを見ていきましょう。
保存状態や付属品などによって価格が変わる着物の買取は、口コミがとても参考になります。
西陣織を高値で売却するには
西陣織の査定時には証紙を提出
西陣織の査定時には必ず証紙を提示しましょう。証紙があることで、使われている素材・産地・伝統的工芸品かどうかが客観的に証明されるので、買取価格は確実にアップします。
証紙は、その着物の品質を保証する大切なものなので、大切に保管しておきましょう。
買取業者とフリマアプリの違い
着物の知識がない方は、買取業者の利用がおすすめですが、着物の知識をお持ちの方はフリマアプリも利用可能です。
西陣織などの高級素材の着物や帯を売る場合は、まずは買取業者の利用をおすすめします。
フリマアプリの場合、少しでも高く売れる可能性がありますが、着物を正しく出品するには、寸法や記事、落款証紙や記事の状態などを適切に伝える必要があるため、ある程度以上の着物の知識が必須です。
西陣織などを売却する場合は、サイズ感や状態、証紙や落款などの情報を正しく記載しないと、トラブルのもととなってしまいます。
専門買取業者 | フリマアプリ | |
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メリット | ・手軽に利用できる ・西陣織などの高級品が売りやすい ・無料で利用できる |
・ノーブランド、デザイナー着物に強い |
デメリット | ・人件費がかかる ・デザイナー着物に弱い |
・売れるかわからない ・手間がかかる ・高額商品は売りにくい |
西陣織は出張買取がおすすめ
着物の買取業者を利用する際は、出張買取が便利です。
実際、当サイトが収集した着物を売却した170件の口コミの中でも、出張買取を利用する人が最も多くなっており、これは西陣織などの着物でも同様だと思われます。
大量の着物を持ち込むのは手間がかかるため、出張買取を利用する人が多くなっているようです。
また、大手の着物買取業者であれば、訪問料金やキャンセル料金も無料のところが多く、相見積もりやキャンセルしやすいのも利用しやすいポイントです。
布の面積が大きい着物は、予想以上の重さがあります。1枚1㎏前後あるので、5枚以上となると持ち運びも大変です
複数枚の着物がある場合は、着物専門買取業者の出張買取を利用して、自宅にいながら一気に売ってしまうのが一番楽です。
利用者が最も多いのは、バイセル
当サイトが収集した着物を売却した約170件(2022年1月5日時点)の口コミの利用サービスを比べてみましょう。
データによると、バイセルの利用者が圧倒的に多くなっています。
バイセルは、上場企業のBuysell Technorogiesが運用する出張訪問型のサービスですが、全国でサービスを展開しており、認知度が高く実際に多くの人が利用しているようです。
2社以上に査定を頼む
よく勘違いされる方がいますが、出張買取も、相見積もりを取ることはできます。
一度お断りた後に、他社で納得行かなければ、また連絡すれば再度買い取りに来てもらう、なども可能なことが多いです(※査定金額や状況によっては宅配買取に変更のケースもあります)
「わざわざ来てもらったのに、申し訳ない。」という感情から納得していない価格で売却してしまわないようにしましょう。
1社大手でスムーズに予約できるサービスを利用し、査定に納得できなければ、地域の着物店を探して持ち込む、というのもおすすめです。
断るのが苦手という人は2名以上で査定を受けることをおすすめします。判断力の低下してしまった高齢の方一人では、査定を受けないようにしましょう。
本当に高く売りたい場合は、委託販売も
西陣織の中でも高級で需要の高い着物をお持ちで、時間がかかっても高く売却したい場合、着物の委託販売という手段もあります。委託販売とは、一定の間着物をリユース店舗に預け、売却されたら売り上げの一部をもらうという着物の売却方法です。
ただし、委託販売は非常に高度な査定技術と販売力が必要なため、あまり対応している業者はいません。そもそもいつ売れるかもわからないため、仲の良い業者がいれば話を聞いてみてもいいかも。というのが現状です。
実際どうやって売却すればいいか、ますますわからなくなったという方もいらっしゃるかと思いますが、まずは出張料、査定料、キャンセル料無料の買取業者をうまく使ってみてはいかがでしょうか。
一般的な、「相見積もり」ですが、出張業者の無料査定をまずは受けてみて、気に入らなければ、キャンセルか部分的に売却し、フリマアプリを使ってみる。それでも難しければ別の出張業者を利用する。というように、無料査定を最大限利用してみましょう。
最も大事なのは、納得しない価格では、一旦は売らない。ということです。業者がキャンセル料無料をうたっている以上、何も心配せずに買取を断りましょう
バイセル
注力対応エリア | 全国 |
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買取形式 |
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注力取扱商品 | 振袖、紬、留袖、友禅、訪問着、付け下げ、上布、沖縄着物、男性着物、反物、和装小物、和装上着、小紋、色無地、アンティーク着物、袋帯、丸帯、半幅帯、名古屋帯、作家着物 |
出張 | 宅配 | 店舗 | |
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支払日 | 査定当日 | 成約後2営業日以内 | 査定当日 |
支払い方法 | 現金手渡し | 銀行振込 | 現金手渡し |
手数料 | 無料 | 振込手数料:無料 送料:無料 返送料:有料 |
無料 |
利用キット | ー | 無料宅配キットあり | ー |
営業時間 |
・電話問い合わせ:24時間(通話料無料) ・店頭(持込)買取:店舗により異なる |
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査定力○ |
・着物に精通した査定担当が多数在籍 ・訪問先からも、本部の鑑定チームに確認 ・豊富な販路で、査定価格が付けやすい |
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査定力✖ | ・査定担当者によっては査定力にブレあり | ||
サポート |
・出張買取後にはアフターフォローコールあり ・お客様相談室あり ・コールセンターあり |
全国に無料出張査定。即日対応も可能
バイセルは、全国に無料で出張査定を行っており、可能な場合は、即日の対応も行っています。査定金額に不満があれば無料で買取を拒否することもできるため、手間やリスクをかけることなく査定金額を知ることができます。
安心できる査定体制が一番の特徴
不当な査定価格や、悪質な押し買いを不安だ、という方は、まずバイセルのような大手の買取業者をおすすめします。上場企業のバイセルは、コンプライアンスを徹底しており、査定後に、査定員の態度や満足度についてのアフターコールを実施しているなど、安心安全な主張買取体制を敷いています。
利用者数が圧倒的に多い
「買取の比較」の口コミ調査では、約4割の方がバイセルに買取してもらったと回答しており、全国で実際に多くの人がバイセルの出張買取を利用していることを表しています。365日24時間電話での無料申し込みを受付けているので、まずは気軽に相談してみましょう。
利用者の口コミ
4
- 紬
- 留袖
- 付下げ
- その他着物
- 帯
- 帯
でも、ただ廃棄してしまうより、多少でも値段がついて引き取ってもらえるなら利用する価値はあると思います。
バイセルで実施中のキャンペーン
概要 | 2月限定!抽選で買取金額が「5倍」に! |
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内容 | 期間中に5,000円以上ご成約した方の中から抽選で500人に1人買取金額5倍! |
期間 | 2022/2/1 ~ 2022/2/28 |
条件 |
以下の条件をすべて満たしている方 ・2022年2月1日~28日にご成約の方 ・出張・店頭買取にて1度に5,000円以上ご成約の方 ※詳細は公式サイトをご確認ください |
高く売れる西陣織の特徴
画像引用元:ICHI POINT
もともと市場価格が高い高級織物の西陣織ですが、その中でも高く売れる西陣織とはどのようなものなのでしょうか?
金糸・銀糸を使った豪華な西陣織
画像引用元:西陣織あさぎ美術館
西陣織の中でも金糸や銀糸をふんだんに使い、多くの色で豪華絢爛に織り上げる錦の帯は高級品で、買取価格も高値が期待できます。
その中でも、特に質の高い金糸や銀糸を使っているものは、買取価格がさらにUPします。
金糸や銀糸といってもその品質はさまざまです。
本金糸 | 金箔を貼った和紙を細かく裁断し、芯糸に巻きつけたもの |
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金属糸風繊維 | 金色のフィルムを芯糸に巻きつけたもの |
本金糸が最高峰の品質を持つ金糸です。材料代が通常の糸の10倍から20倍かかります。
現在は、僧侶の衣服や能装束などを織るために使われていますが、ごく一部の超高級な西陣織には本金糸が使われています。
本金糸使用の新品の帯は販売価格で300万円以上するものも。
本金糸の西陣織はもともとの価格も高く、生産数も少なく希少価値が高いので高い買取価格が付くこともあります。
本金糸を使っている場合には、証紙に必ず「本金糸使用」などと明記されているので確認しましょう。
金属糸風繊維を使ったものでも市場価格は数十万円するものがざらで、格の高い袋帯が多いので、買取額も高値になるでしょう。
金属糸風繊維を使っている場合には、品質表示のラベルに記載があります。
手織りの西陣織も高く売れる
爪掻き本綴織 (画像引用元:キオリ)
機械織りが西陣織の大多数を占める中、手織りで丁寧に織られている西陣織の帯は、高級で買取額も全体的に高値です。
手織の西陣織には機械織りにはない以下の特徴があります。
- しなやかな手触り
- ふっくらと空気をふくんでいるような立体感
- 余分な糸を少なくできるので軽くあつかいやすい
手織りの西陣織の帯の市場価格は、40万円程から高いものでは数百万円を超えるものもあります。
また、手織でしか織れない綴れの場合は、熟練の職人でも一日に数センチしか織れません。
高度な技術ととてつもない手間がかかるため、店頭に並ぶこともほぼなく、市場価格も100万円程と非常に高価です。
以上のような理由から、手織りの西陣織は大変価値が高いので、かなりの高値買取が期待できるでしょう。
手織りの製品の場合には、手織であることを証明する証紙が必ず付いています。
有名織元の西陣織は高い
織元名の織り込み(画像引用元:まつかわや)
長い歴史を持つ西陣織には、古くから営業を続ける有名織元が多数あります。
長年伝えられてきた高度な技術で織られる有名織元の西陣織は高級で、品質も確かです。
そのため、信頼度が高く買取価格も高値で安定します。
有名織元の帯であるかどうかは、西陣織工業組合が発行するメガネ型の証紙の製造番号で確認することができます。
ただし、誉田屋源兵衛は組合に加盟していないのでメガネ型証紙はありません。上の写真のような帯の織り込みで確認できます。
長嶋成織物の袋帯 | ~12,000円程 |
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服部織物の帯 | ~15,000円程 |
川島織物 二代目川島甚兵衛の帯 |
~20,000円程 |
誉田屋源兵衛の帯 | ~30,000円程 |
龍村美術織物 初代瀧村平蔵の帯 |
~100,000円程 |
袋帯なら買取額も高額
画像引用元:KAWASHIMA Stories
西陣織の袋帯は、いくつかある帯の種類の中でも買取額が高額です。
帯には以下のような種類があり、使用頻度やニーズなどで買取相場に違いがあります。
下の表は、帯の格式の高い順にそれぞれの帯を簡単に説明したものです。
帯の種類 | 特徴 |
---|---|
丸帯 | ・帯の中でも最も格式の高い第一礼装用の帯 ・表裏に柄がある |
袋帯 | ・丸帯の次に格式の高い礼装用の帯 ・表に柄があり、裏は無地 ・丸帯より軽く扱いやすい |
名古屋帯 | 少しカジュアル向けの装いに合わせる帯 |
半幅帯 | カジュアルな着物や、浴衣などに合わせる帯 |
一番格の高い丸帯は、表と裏どちらとも柄が付いている豪華なものですが、花嫁さんや舞妓さんなど使用者が限定され、あまり需要がありません。
そのため、豪華だからといってあまり高値は期待できないでしょう。
一方で袋帯は結婚式や入学式、名古屋帯はお茶会やお出かけなど、着用シーンも幅広く、需要も高いので、その分買取額も高額になります。
さらに、一般的なものだと数百円程度の値段しかつかない半幅帯でも、西陣織なら高値が付きやすいです。
伝統的工芸品12品目も高価買取
画像引用元:k-cs
多様な織物が織られている西陣織ですが、国の伝統的工芸品には12品目が指定されています。
綴 |
緯糸だけで模様を表現する織物。 ノコギリの歯のような形に削った爪で緯糸を一本ずつ打ち込みながら緻密な模様を表現する「爪掻き本綴」という技法が有名。 |
経錦 |
金・銀糸をはじめ多くの色糸を使って織られる「錦」と呼ばれる種類のうち、経糸で模様を表現するもの。 使う色の数だけ経糸が必要になり、それを織るには高度な技術が必要。 |
緯錦 |
緯糸に多くの色の糸を使い、模様を表現したもの。大柄な模様を表現できるのが特徴。 |
緞子 |
繻子織という織り方を使って、経糸、緯糸を浮かせて模様を表現したもの。 光沢があり、密度が高く厚地だが柔らかい独特の風合い。 |
朱珍 |
緞子に似た織物で、緯糸に色糸を使って模様を表現したもの。 |
紹巴 |
経糸、緯糸ともに強撚糸と呼ばれる強くねじれを加えた糸を使う。 細かい地紋があるのが特徴。 |
風通 |
通常断面が一重になる織物とは違い、断面が二重、三重になっている多層織物。 二色風通は裏表が反対の模様になる。 |
捩り織 |
隣同士の経糸が絡み合うことにより透け感のある生地に仕上がる織物。 羅、紗、絽などがある。 |
本しぼ織 |
経糸、緯糸に撚糸と呼ばれるねじれを加えた糸を使う。 生地の表面にシボとよばれる凹凸ができるのが特徴。 |
ビロード |
ベルベットのような毛羽立ちや、パイルのような風合いを作るために、横に細い針金を織り込む。 織り上がってから針金の通った部分に切込みを入れたり、そのまま引き抜いたりして生地の表面に表情を付ける。 |
絣織 |
あらかじめ出来上がりの模様を想定して、糸を部分的に染め、模様を織り上げた着物地。 |
紬 |
真綿を手でつむいだ糸を経糸、緯糸に使い、手織で絣模様、縞模様、無地などの着物地を織ったもの。 |
画像引用元:西陣織工業組合
伝統的工芸品と認められるためには、細かく決められた指定条件をすべてクリアしなければなりません。
組合の検査により伝統的工芸品と認められたものは、伝統的な技法で作られた価値の高いものとみなされ買取額も高くなります。
高く売れる老舗織物トップ3
龍村美術織物
画像引用元:龍村美術織物
瀧村美術織物は、帯の王様ともいわれる超一流メーカーです。
1894年に初代龍村平蔵が創業して以来、120年以上の歴史を今に守り伝えています。
初代龍村平蔵は人間国宝で、日本の代表的な染織研究家で、正倉院の宝物裂や法隆寺裂の復元にもたずさわっています。
海外からも評価が高く、確かな織の技術で数々の作品を生み出し、その大胆かつ繊細なデザインは多くの着物愛好家に人気があります。
川島織物セルコン(旧:川島織物)
画像引用元:KAWASHIMA Stories
川島織物は170年以上の伝統を持つ、西陣織の織元の老舗中の老舗です。
「帯の川島」としても名高い、川島織物セルコンは、数々の着物雑誌にも多数取り上げられています。
長年のこだわりを持ったモノづくりに裏打ちされた技術は本物で、独創的なデザインで美術品としても評価の高い、高品質な帯を織り上げるのが特徴です。
しなやかで締めやすい帯は、着物ファンにも人気が高い織元です。
現在では、帯の他部隊の緞帳や、カーテンカーペットなどインテリア商品も取り扱っています。
服部織物
画像引用元:まつかわや
服部織物は、京都・西陣で創業以来200年以上続く老舗メーカーです。
一般的な西陣織は3,500本の経糸を使うのに対し、服部織物は約6,000本の経糸を使用します。
細く丈夫な糸で、緻密な模様を表現できることができます。
服部織物の最上位クラス「こはく錦」は、本金糸を用いて織られていて上品な光沢感と滑らかな風合いがあります。
また、色数が多く複雑なデザインでありながら、軽くて締め心地の良い最高品質の帯です。
貴重!西陣織の人間国宝
北村武資氏
1935年京都に生まれた武資氏。
親戚が西陣で仕事をしていた縁で、中学卒業後に京都西陣で機屋に入ります。5年勤めた後にそこを去り、1959年に「龍村織物」に入社。
装束や法衣の注文を受け始めた1960年には独立をします。1972年に目にした、中国で発掘された古代織「羅」に強く興味を持ち、それ以降は繊細で密度の高い「羅」を数々発表します。
1995年には「羅」、2000年には「経錦」が重要無形文化財として認定され、武資氏はふたつの技の保持者となりました。
ダイナミックでありながらも、非常に繊細で軽妙さを持つ武資氏の作品。
厳選された彩色と、完璧なまでに計算し尽くされた文様が、息をのむほどの芸術作品としていつまでも色褪せることなく輝き続けています。
喜多川俵二氏
喜多川俵二氏の父親は、「羅」と「有職織物」の重要無形文化財保持者である故・喜多川平朗氏。
平朗氏は室町時代から続く西陣の織元「俵屋」の17代目で、俵二氏はその次男として1936年に生まれました。
父平朗氏のもと織の技術を修業し、1988年に「俵屋」の18代目を継ぎます。
俵二氏はその後、父親の平朗氏に続き親子二代で1999年に「有職織物」で重要無形文化財保持者の認定を受けます。
伊勢神宮の御神宝・装束の制作や、皇族の儀式用装束を制作するだけではなく、古代織物の復元にも精力的に取り組んできました。
俵二氏の作品は、使われている様々な色たちが美しく調和され、得も言われぬ優雅さを醸し出しています。
「風合い」を大事にしてこられた俵二氏の織物は、優しく優美でありながら、軽やかさを感じさせる格式高い作品で溢れています。
西陣織の証紙|確認すべき5つ
画像引用元:京都きもの町【本店】
西陣織に付けられる証紙は大きく分けて5種類です。
これらの証紙を見ることで以下のことが分かります。
- 本物の西陣織か
- 帯の種類
- 使われている原料
- 手織か機械織りか
- 伝統的工芸品か
【証紙1】本物の西陣織に付けられるメガネ型証紙は4種類
画像引用元:銀座きもの青木
西陣織工業組合が発行する以下の4種類のいずれかの証紙が付いている場合は、品質が保証された本物の西陣織です。
証紙の形は特徴的なメガネ型です。
メガネ型証紙は2008年に一度改訂されているので、現在市場にはどちらも出回っています。
また、「西陣」「西陣織」「帯は西陣」などは、西陣織工業組合の登録商標です。
現在のメガネ型証紙は【西陣織】表記
現在の証紙は以下の4種類です。
メガネ型証紙は、金ホイル紙の「紙製」とサテン地の「布製」の二種類が流通しています。
袋帯用証紙 |
証紙の中央に、帯の種類により ・なごや帯 ・袋なごや帯 ・小袋帯 などが記載される |
京袋帯用証紙 |
証紙の中央に「京袋帯」と記載 ※京袋帯については以下で解説します |
爪掻き本綴帯用証紙 |
爪掻き本綴れ帯に付けられる証紙 |
黒共帯用証紙 | 喪服に合わせる黒い帯に付けられる証紙 |
画像引用元:西陣織工業組合
西陣織の生産の主流は袋帯のため、ほとんどの帯には一番上の袋帯用の証紙が付けられます。
緑色のメガネ型証紙が付けられる京袋帯は、名古屋帯の仲間ですが、袋帯と同じように端から端まで同じ幅の帯です。
長さは袋帯より短く、二重太鼓を結ぶことはできません。
この京袋帯は、めずらしい帯の種類なので、あまり見かけることはないでしょう。
また、手織で半年から1年かけて作られる高級手織物「爪掻き本綴帯」には、黒の証紙が付けられます。
証紙右下の番号は織元の番号を表しており、ここから製造元をたどることができます。
改定前の証紙は【正絹】と記載
画像引用元:特撰呉服結城屋
上の写真は改定前の証紙です。
写真右のメガネ部分が、現在の証紙は「西陣織」、改定前の証紙は「正絹」と記載されています。
帯の中で金糸が使われていた場合、正確に言えば絹100%の正絹ではありません。
しかし改定前は「本金は正絹とみなす」とされていたので、正絹の表記になっていました。
改定後は、使用した素材、配合割合などを正確に示すラベルをこのメガネ型の証紙と一緒に貼り付けることがメーカー側に義務付けられました。
そのため、現在は「正絹」ではなく、「西陣織」の表記になっています。
【証紙2】素材を確認できる品質表示
西陣織の品質表示 画像引用元:銀座きもの青木
上の写真は、メガネ型証紙の下に貼り付けられている品質表示です。
証紙改定後は、素材名・使用の割合・製造者の名称と連絡先が書かれた品質表示を貼り付けるよう義務付けられました。
これにより、消費者がその製品に使われている素材を正確に知ることができるようになりました。
上の写真の品質表示は、実際に西陣織の帯に浸けられている品質表示です。
これを見ると、70%が絹糸、その他の30%に金属糸風繊維が使われていることが分かります。
【証紙3】本金糸を使った帯の証紙
画像引用元:西陣岡本
糸の原料に本金を使用している西陣織の帯には、西陣織工業組合から発行される本金の証紙が付けられます(上写真)。
本金の文字の下にある数字が製造者番号です。
上の写真を見ると、製造者番号187の西陣岡本(株)で作られた帯であることが分かります。
本金糸を使った西陣織の帯は、最高クラスの証明です。
本金糸は非常に高価な糸で、この証紙が貼られている西陣織の帯は、買取額もかなりの高額が期待できるでしょう。
【証紙4】希少価値の高い手織り証紙
画像引用元:西陣織工業組合
手織の製品には手織りであることを示す証紙が貼られます。
手織の証紙は、西陣織工業組合が発行するものと、西陣手織り協会が発行するものがあります。
西陣織工業組合発行の手織り証紙
画像引用元:蝶屋
上の写真は、西陣織工業組合が発行する手織りの西陣織に付けられる証紙です。
西陣織の文字の上に手織と金色で書かれています。
西陣手織り協会発行の手織り証紙
画像引用元:和門なかむら
上の写真は、西陣手織協会が発行する手織りの証紙です。
西陣織工業組合の会員で、かつ西陣手織協会の会員である製造者の帯には、上の手織りの証紙が付けられます。
【証紙5】伝統的工芸品の証である伝統証紙
西陣織伝統証紙 画像引用元:西陣織工業組合
経済産業大臣が指定する「伝統的工芸品」は、100年以上の歴史があり、伝統的な技法と技術で今日まで継続して製造されているものが当てはまります。
この伝統的工芸品を証明する証紙が、伝統的工芸品産業振興協会が発行している「伝統証紙」です。
西陣織工業組合の検査で、細かく定められている伝統的工芸品の指定条件をクリアしているものには、上の写真のような伝統証紙が貼られます。
伝統証紙が貼られたものは伝統技法で作られた確かな製品であると判断されるため、買取額も高額です。
西陣織をより高く売るためのポイント
そもそも着物としての価値の高い西陣織は、高額買取が期待できます。
ここからは、そんな西陣織をより高く売るためのポイントを紹介します。
複数の買取業者に【相見積もり】
「相見積もり」とは、買取時に複数の業者に見積もりを依頼することです。
各社の見積額を比べることができ、一番高値の付いた業者に売れます。
着物の買取額には、明確な決まりはありません。
同じ保存状態、製法の西陣織でも見積もり額は業者によって異なります。
売ってしまってから「あっちの業者の方が高く買い取ってもらえたかも…」と後悔しても取り返しがつきません。
あらかじめ、何社かに見積もりを取り、少しでも高値で買い取ってくれる業者と取引を行いましょう。
西陣織の価値が分かる買取業者へ
西陣織の買取を依頼する場合には、その価値をしっかりと判断できる業者へ査定を依頼しましょう。
おすすめはバイセルなどの大手総合買取業者です。
リサイクルショップやフリマアプリなどは、十分な着物の知識がない人同士が売買を行ってしまう危険性があるので、避けたほうが無難です。
価値のある西陣織を適正な価格で売るためにも、着物の専門的な知識を持つ買取業者に査定を依頼しましょう。
査定時には証紙を提示
査定時には必ず証紙を提示しましょう。
証紙は、西陣織の品質をしっかりと保証してくれるいわば「本物の証」です。
証紙があることで買取価格も高値で安定し、売り手側も安心して取引することができます。
品質の高い西陣織には、購入時必ず証紙が付けられています。
買取するときのことを考えて、大切に保管しておきましょう。
定期的なお手入れ
帯を使う度、あるいは年に数回、定期的なお手入れを行いましょう。
きれいな状態をキープすることで、買取時の印象が良くなり買取額もUPします。
いつも気持ちよく使えることとももちろん、買取のためにも日頃から以下のお手入れをしておくことが大切です。
- 使用後はハンガーにかけて、直射日光の当たらない風通しの良いところで2時間ほど干す
- シミや汗、ホコリなどがないか全体をチェックする
- ホコリは柔らかいブラシで払う
- シミがある場合は早めに着物専門のクリーニング店に相談する
- 湿気を避け、一枚ずつたとう紙に包んで保管する
- 年に2回程、虫干しをする
忙しく定期的な虫干しが難しい場合には、湿気のない季節にタンスの引き出しを一定時間開け、空気を入れ替えましょう。
できるだけ早く売る
絹の着物はデリケートな衣類です。
たとえここ数年着ていなくても、長い間仕舞いっぱなしにしていると、シミができたり虫食いができたりすることは多々あります。
したがって、もう着る機会がないならば、状態が良いうちに早めに買取に出した方が高値が付くでしょう。
西陣織の実際の買取祖事例、口コミ・評判
5
- 金製品
- 銀製品
- その他
西陣織の歴史
1972年2月に、国の伝統工芸品に指定された西陣織。京都の伝統工芸品である西陣織は、非常に長い歴史を持っています。
西陣織の持つ歴史とはどのようなものなのか、始まりから見ていきましょう。
1500年以上の歴史を持つ
西陣織の始まりは5・6世紀、古墳時代にまで遡ります。
大陸からの渡来人であった秦一族が、現在の太秦のあたりに居を構え、養蚕と絹織物の技術を伝えたのが始まりです。
その後途絶えることなく受け継がれてきた技術は、平安朝廷において織部司(おりべのつかさ)という役所で管理されるようになります。
室町時代になると、大舎人座(おおとねりざ)という組合のようなものも発足し、朝廷からのみならず公家や武家の注文も受けていました。
室町時代中期に起きた応仁の乱のあおりを受け、大舎人町の織物産業は壊滅状態に。
その後、戦乱のあった際に西軍の本陣のあった、大宮今出川付近で再び織物業を再開します。西陣織の名前の由来は、西軍の本陣後であった土地の名からきているのです。
明治時代に転換期
古くから海外の最先端技術を導入することに積極的な姿勢を見せていた西陣。
文明開化の波に乗り、京都府から佐倉常七を含む3名を欧州に留学させます。
フランスからジャカードなどの技術を持ち帰り、大幅に生産技術の改良を重ねた結果、絹織物業の近代化に成功したのでした。
現在はさまざまな商品を展開
伝統的で豪奢な西陣織は、誰もが一度は手にしたいと思う素晴らしい織物ですね。
今では着物だけではなく、多種多様なものに西陣織は使われるようになっています。
現在では、壁紙やタペストリーなどのインテリアに使用されるだけではなく、ネクタイやショール、バッグなど、次々と新しい試みにも力を注いでいます。
西陣織の着用シーン
シックな柄からポップな柄まで、どのような場面にでも着ることができそうな西陣織ですが、ここではおすすめの着用シーンをご紹介します。
ファッショナブルに着こなすカラフル着物
西陣織の着物はとてもカラフル。
どこにいてもすぐにわかるような鮮やかで煌びやかなデザインは、若い人たちの間で大人気となっています。
きちんとした着物の着方にこだわらず、ブーツを履いたり帽子をかぶったりと、さまざまなアレンジをしても着物が浮いたりしないと愛用している人も増えています。
特別な日に締める上質な帯
西陣織の中でも、やはり人気のあるのが帯です。
豪華絢爛なものから、落ち着いた色合いのものまで、その種類は多岐にわたります。
上質な絹を使って織られた帯は、その柔らかな光沢と風合いが特別感を醸し出します。
何か特別な日には、ぜひ西陣織の帯を着けて出かけてみてください。必ずいつもとは違った心持ちで1日を過ごせるはずです。
まとめ:西陣織の高価買取を目指そう!
西陣織は、日本三大織物として有名な帯を中心とする織り物です。
長い歴史の中で代々受け継がれていきながらも、その時代に合わせて変貌を遂げてきた西陣織。
西陣織は多種少量で作られているので、他の着物ブランドと比べて希少価値の高い織物です。
買取相場は、原料や製法、織り手によって数千円~数十万円程と幅がありますが、一般的な帯の中では高額買取が可能です。
証紙の保管と定期的なお手入れを忘れずに、買取時少しでも高く売れるように心がけましょう。
買取をしてもらう際には、しっかりと知識のある買取専門業者を利用して、納得のいく買取価格で賢く売りましょう。
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