着物基礎知識

着付け師になるまでの道のりは?必要なスキルや実務の流れまで解説

着付け師は、お客様に美しく着物を着付ける仕事です。

着物に興味がある人、着物が好きな人の中には
「好きなことを仕事にしたいな」
「多くの人に着物の良さを知ってもらいたい」
そんな気持ちから着付け師を目指したいと考える人もいるのではないでしょうか?

そこで今回は、着付け師について、着付け師として採用されるまでの道のりや実際の業務の流れ、また必要なスキルなど着付け師の仕事について紹介していきます。

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着付け師とは?

お客様に着物を美しく、着崩れなく着せるのが着付け師の仕事です。

着付け師は、主に結婚式や成人式、七五三など人生の節目を迎えるお客様の着付けのお手伝いをするべく、以下のような職場で日々活躍しています。

  • 呉服店
  • 結婚式場
  • 写真スタジオ
  • 美容院

実際に仕事に就くまでの道のり

それでは、実際に着付け師になるには、同様な道のりが必要なのでしょうか?

実例に基づき具体的に紹介していきます。ただ、今回紹介する応募から採用までの流れはあくまでも一例で、各社違いがあります。

着付け師として仕事に就くまでの流れ

  1. 応募する
  2. 面接
  3. 実技テスト
  4. 研修期間
  5. デビュー
  6. スキルアップ

それぞれ、の流れを少し詳しく見ていきましょう。

①応募する

まずは、ハローワークや求人情報雑誌、また求人サイトなどを見て、着付け師の募集をしている企業を探します。

業種や勤務時間帯など、条件に合うものを見つけたら、先方の会社に履歴書などの必要書類を送ります。

②面接

面接では、雇用するにあたり求めるスキルやおおまかな仕事の流れ、報酬についての説明が会社から行われます。

その後、自分の着付けに関する実務経験、着付けできる着物の種類、また応募の経緯などを伝えます。

雇用条件や着付けスキルなどお互いに合意できれば、面接は終了です。

③実技テスト

実技テストでは現時点での着付けの技術を確かめるために、先方の会社で働くプロの着付け師同席のもと、スキルチェックが行われます。

入社後即戦力となるか、現時点でのスキルはまだまだでも伸びる可能性があるか、などの観点から採用の判断をしていきます。

④研修期間

採用が決まったら、まずは研修からスタートです。

結婚式場、美容院、スタジオなどそれぞれの職場によって着付け方が異なります。

例えば、レンタルの着物の場合はどんな身長の人にも合うように長襦袢も長く作られており、お客様に合った適切な長さに合わせて着せなければいけません。

その他、腰紐は4本使用する/コーリンベルトは使わない/着物のサイドの余り布はタックを取る/胴に巻きつけた帯は結ぶor結ばないなど、それぞれの職場によりルールがあります。

雇用先での着付けルールに従い、目標とされる時間内で着付けできるようになるまで研修を行います。

⑤デビュー

研修期間を終えたらいよいよデビューです。

実際の現場の雰囲気に慣れながら、始めは少ない件数から徐々に実務経験を積み、仕事の流れを学んでいきます。

⑥スキルアップ

結婚式場や写真スタジオなどは、着付ける着物の種類が多いです。

仕事の合間を縫って、少しずつ七五三の衣装の着付け、紋服の着付け、振袖の着付け、花嫁衣裳の着付けなどを練習しスキルを習得していきます。

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着付け師一日のタイムスケジュール

着付け師の仕事の実例として、結婚式場で親族やゲストの着付けを担当する着付け師の一日の業務のタイムスケジュールを紹介します。

準備、残務 1件目 2件目 3件目
8:30 当日着付けの衣装チェック
9:00 黒留袖1枚着付け
10:30 親族、全体写真撮影
11:00 黒留袖、訪問着各1枚着付け
12:30 親族、全体写真撮
13:00 黒留袖2枚、振袖1枚着付け
14:30 親族、全体写真撮影
15:00 着物を脱がせて後片付け
17:00 着物を脱がせて後片付け
19:00 着物を脱がせて後片付け
~20:00 翌日着付け分のチェック

出勤したらまず、着付け予定のお客様の衣装が間違いなく用意されているかどうか、衣装チェックを行います。

この時点で足りないもの、手配ミスなどがあった場合には、着付け開始の時間までに必要なものが届くよう問い合わせします。

着付けにかかる時間はおおよそ30分程度です。

その後、写真撮影に立ち合い、また次の回の着付け…というふうに、めまぐるしく時間が過ぎていきます。

それぞれが披露宴を行っている時間帯は少し時間が空きますが、安心はできません。

「胸紐が苦しい」「帯をゆるめて欲しい」など、いざというときに素早く対応できるように待機していなければいけません。

後半は、披露宴から戻られたお客様の着物を脱がせ、後片付けを行います。

一年の中でも特に忙しい3月~5月、10月、11月の繁忙期には、一日に何件も結婚式が入り、多い日は一日に6人の着付けを行うこともあります。

着付け師に必要なスキル

着付け師に求められるスキルには、メインとなる着付け技術の他にもいくつかあります。

着付け技術

着付け技術は着付け師として仕事をこなしていく上で一番重要なスキルです。

特に実務の現場では以下のようなスキルが求めれます。

  • 決められた時間内に着付けする
  • 長時間着用しても着崩れない着付けをする
  • お客様の体格や年齢に合った着付けをする

着付けの現場は時間との勝負です。

結婚式のスタート、写真撮影の開始時間、またお出かけの場合には出発時間などに合わせて、決められた時間内で着付けを完了させなければいけません。

そのためにも、補正、襦袢、着物、帯と一つ一つの工程を正確に行う事が大切なポイントです。

時間内に着付けが終わったとしても、補正が適切でなかったり、腰ひもが緩かったり、帯がしっかり締まっていなければ、着崩れの原因になってしまいます。

お客様のハレの日を台無しにしてしまわないように、丁寧に着付けしていきます。

臨機応変な対応

ベースとなる着付けの技術の他にも臨機応変な対応が必要です。

着付けを行うお客様は、ほとんどの場合初対面です。

ふくよかな人、胸が豊かな人、ヒップラインがくびれている人、お腹が出ている人、いかり肩の人など、体型は千差万別。さらに年齢もさまざまです。

着付け担当のお客様を瞬時に見極めながら、以下のように臨機応変に着付け方を変えていかなければいけません。

  • 胸の豊かな人はガーゼで胸をおさえる
  • ヒップラインのくびれはタオルで補正
  • ふくよかな人は、衿合わせをゆったり
  • 若い人は衿合わせの位置を高く、年配の方は低くする

最初のうちはなかなかできませんが、実務を積み重ねていくうちに、その人に一番似合う気姿を作ることができるようになってきます。

お客様が持ち込んだ着物の着付けをする場合には、前もって小物をチェックできません。

そのため、いざ着付けの段階になったときに、腰ひもや、伊達締めなど必要なものが不足している場合もあります。

そういうときのために予備の販売品なども用意していますが、お客様の負担を軽くするためにも、あるもので何とかする工夫も大切です。

例えば、半衿や帯板が無いお客様は段ボールや厚紙で代用したり…。

伊達締めが1本しかない場合には、長襦袢に優先的に使ったり、ときには、着物を包んでいた風呂敷を伊達締めとして使う場合もあります。

必要に応じて柔軟に対応できる能力も着付け師としては大切です。

コミュニケーション能力

着付けの際のお客様とのコミュニケーションも、着付け技術と同様に非常に大切なスキルです。

お客様は着付けが終わるまで長時間立ちっぱなしの状態になっています。

人によっては着付けにただ身をゆだねているだけの時間をつまらないと感じるかもしれません。また、それとは反対に、「あまり関わりたくない」と思っている人だっています。

お客様から感じる雰囲気を上手に読み取って、「今日はお天気が良くて良かったですね」「苦しいところはないですか?」など適度に声をかけると、お客様の着付け師への印象がUPし、気持ちよく着付け時間を過ごしてもらえます。

また、長襦袢の着付けから帯を結ぶなどの一つ一つの作業の間ごとに、気になる所はないか確認しながら作業を進めることも大切です。

こうして声かけをすることでお客様はきっと「丁寧な着付けをしてくれた」と思うはずです。

コミュニケーションが上手く行かないと、「ここが気に入らなかった」「こうして欲しかった」など、些細な事でもクレームに繋がってしまいます。

反対に印象を良くしておくことで、多少の着崩れもカバーすることができます。

着付け師の大変なこと

着付け師の仕事を行う上で、大変だと感じる瞬間はどんなときなのでしょうか?

繁忙期と閑散期がある

着物離れが進む昨今、お客様が着物に袖を通すのは、主に以下の時期です。

  • 3月~5月、10月、11月の一年の中でも気候の良い結婚式に適した季節
  • 成人式シーズン
  • 秋の七五三のシーズン

上記のシーズンは一年の中でも最も忙しい時期です。

一日に何人もの着付けを担当するため、朝早くから遅い時間まで働くことになります。

反対に、暑い時期や2月・3月の冬の時期には着付けの需要が少なく、着付け専属のスタッフとして雇用されている場合には、仕事も入りません。

このように、シーズンによって仕事量が違うため収入も不安定になりがちです。

着付けの仕事だけで「毎月安定した収入を得たい」と考える場合には、不向きかもしれません。

土日、祝日にも仕事が入る

着付け師のシフトは、週末や祝日に仕事が集中します。

そのため、家族や友人と予定が合わせにくくなり、小さい子どもを育てているママなどは、幼稚園や学校などのイベントにも参加しずらくなり、家庭と仕事のバランスが取れなくなってしまうかもしれません。

子育てがある程度ひと段落ついた頃に、着付け師としての仕事を始めると時間にも余裕ができるのでおすすめです。

やりがいを感じる瞬間

大変なことももちろんありますが、それ以上にやりがいを感じる瞬間もたくさんあります。

何よりうれしいのはお客様に喜んでもらえること

何より嬉しいのは、お客様に満足して頂けたときです。

着付けが終わったときに「まったく苦しくない」と言ってもらったり、戻られたときに「何回もトイレに行ったのに全然着崩れなかった」、「自分で着れるけれどやはりプロにまかせたら安心だった」などと、嬉しいコメントを頂いたときには、着付け師として何よりやりがいを感じる嬉しい瞬間です。

人生の大切な節目のお手伝いができる

着物離れが進む中、着物に袖を通すのは、結婚式や、成人式、七五三など特別な節目です。

「わが子が家庭を持つ」
「成人式を迎えて大人の仲間入りをする」
「子供が無事にここまで成長することができた」

ハレの日は本人や家族も感動の一日を送ります。

着付け師は、そんな人生の大切なイベントに立ち合うことができ、さらにお祝いのお手伝いができる素敵な仕事です。

着付けのスキルが上がっていく実感

何年着付けをしていても、「今日は完璧な状態でお客様を送り出せた」と満足できる事はほとんどありません。

しかし、「いつもより短時間で正確に着付けられた「」その人の雰囲気にピッタリ合った着付けができた」と自分なりの成長を実感する瞬間は嬉しいものです。

経験を重ねることで、わずかばかりでもスキルアップできたときには、「この仕事に就いてよかった」とやりがいを感じます。

まとめ

着付け師の仕事は、大変な部分もありますが、その分たくさんのやりがいを感じる仕事でもあります。

「私も着付け師になりたいなぁ」と思ったらそのときがスタートです。

目標に向かってぜひチャレンジしてみてください。