着物基礎知識

着物には種類がある?種類別の特徴と着用シーンを解説

「着物の種類が多すぎてわけがわからない」
「いつどんな着物を着ていけばいい?」

着物を始めてすぐには、その種類の多さや聞きなれない用語に混乱しますよね。そこで、この記事では着物の種類11個をまとめました。特徴や着用シーンについてわかりやすく解説していますので、着物の基本知識が整理されるでしょう。

覚えてしまえば怖いことはありません。この記事を読んでしっかり基本知識を身に付け、着物を楽しんでください。

着物の種類によって格がある

これから着物を着る機会を増やしたいなら、着物の格についてぜひ知っておきましょう。
シーンに合わせた着こなしができるようになりますよ。

着物の格とはTPOのこと

”格がある”と言われてもピンとこないかもしれませんね。格とはいわゆるTPOのことです。
例えば…

  • 成人式にふさわしい着物
  • 披露宴に招かれたときに合う着物
  • お茶会に呼ばれたときに合う着物

着物を着ていく場所が違えば着物の格もそれに合わせるのが着物の世界なのです。着物はそのままで美しいものですが、格を知ることでその美しさをさらに際立たせます。

着物の種類と格

格の高い着物は礼装と呼ばれ、フォーマルシーンでの着用にふさわしい着物です。
逆に、格が低い着物はカジュアルシーンで活躍します。
どちらが良いというわけではなく、使い分けが重要なのです。

格の高い順に、第一礼装・第二礼装・外出着・普段着があります。
第一礼装には黒紋付・黒留袖・振袖、準礼装には色留袖・色無地・訪問着・付け下げ、おしゃれ着には御召・小紋、普段着には紬・浴衣などがあてはまります。

次の章で、それぞれどんな着物なのか、どんなシーンにふさわしいのか、詳しく見ていきましょう。

第一礼装(正式礼装・正装)

着物の中で格の最も高いものは礼装や正装として着ることができます。どんな着物の種類があるのか、それらはどのような場所に着ていくものなのか見ていきましょう。

黒紋付


黒紋付とは、着物全体が黒一色で無地の着物。
着物の中で一番格の高い着物に分類されていて、5つの紋が入っています。
既婚者も未婚者もどちらも着ることができ、一般的に喪服のイメージが強い着物ですが、身に着ける帯によってフォーマルとして着ることも可能です。
年齢が若い方でも黒紋付を着ることは珍しくなく、嫁入り道具のひとつとして準備する方もいます。

着用シーンとしては、現在は喪服として着ることが最も多いです。ただし、本来黒紋付は結婚式、入学式、卒業式のような晴れの日に着るものでした。

黒留袖


黒留袖とは、黒地の着物の裾の部分に柄が入っている着物。
既婚者女性の第一礼装にあたります。
背中と両胸元、両袖の後ろ側、合わせて5つの紋が入ります。紋は刺繍で入れるタイプや染めるタイプがあるものの、格の高い黒留袖には染め抜き紋を使うのが一般的と言われています。

着用シーンには、結婚式の仲人、新郎新婦の母、親戚の既婚女性が着用するのが一般的です。

振袖


振袖とは袖の長い華やかな着物で、未婚女性の第一礼装にあたります。
袖の長い着物なので、袖を振る着物であることから振袖と呼ばれるようになりました。袖の長さは大振袖、中振袖、小振袖とあり、それぞれ袖の長さが違います。袖の長さが長ければ格の高い長いほど格の高い振袖となります。

着用シーンとしては、今では成人式が最も多いでしょう。
他にも、結婚式で着ることも珍しくありませんし、パーティーのようなフォーマルな場所で着る機会も多いです。お正月に振袖を着るご家庭もあるようです。

第二礼装(略礼装・準礼装)

第一礼装に比べると格は高くないものの、第二礼装として格のある着物です。
どんな着物が第二礼装にあたるのか、どんな場所に着ていくものなのか見ていきましょう。

色留袖


色留袖とは黒以外の留袖の着物で、未婚既婚問わず着られます。
基本的には黒留袖より格は下がりますが、五つ紋の色留袖は黒留袖と同格になります。
五つ紋の着用シーンは、新郎新婦の姉妹や親族として参列する結婚式、格式のあるパーティなどが挙げられます。
三つ紋一つ紋の着用シーンは、訪問着のように第二礼装として着ることもできます。
訪問着との違いは、上半身に柄がないものが色留袖で、柄のあるものが訪問着となります。

色無地


色無地とは、黒以外の一色で染められた無地の着物です。
無地一色なのでとてもシンプルで上品な印象が感じられます。
紋があれば第二礼装として、紋がなければ外出着として、着用シーンが幅広い着物です。

着用シーンには、紋のある色無地ならお子さんの入学式や卒業式、七五三といった華やかな場所に。紋がなければ普段お出かけをするときなど気軽に着ることができます。

訪問着


訪問着とは、上半身ならびに裾の部分に柄が入っている着物で、柄は絵羽模様です
絵羽模様とは、縫い目をまたぐように模様が入っているものです。
未婚者、既婚者どちらも着ることのできる着物で、カラーは水色やピンク、クリーム色のようなパステルカラーが多い傾向にあり、華やかさを演出します。

着用シーンとしては、お見合いの席で着る女性も多いです。
その他。友人の立場などで結婚式や披露宴に参列する場合やお子さんの入学式や卒業式などでも着ることができます。

付け下げ


付け下げとは、着物に施された柄はすべて上を向いている着物です。
付け下げの格は訪問着の次に分類されています。付け下げと訪問着の違いが分かりにくいですが、見た目で華やかさがあるのが訪問着、シックで大人しいイメージのあるものが付け下げと判断するといいでしょう。
着用シーンは、訪問着のようにお見合いの席や結婚式、披露宴などでも好まれて着ることが多い着物です。

外出着(おしゃれ着)

意外に思われているのは、着物にもお洒落を楽しんだり、普段使いができる着物があることではないでしょうか。
あまり気負いせず着物を楽しみたいのであれば、おしゃれ着や普段着からはじめて見ましょう。

お召(御召)


お召は、織りの着物の最上級品であり、上品なシボが特徴的な着物。
徳川家斉が当時好んでよく来ており「将軍様のお召しもの」ということから、この名が付きました。
上品なシボの生地は、光があたったときに色に深みが見えます。有名なものですと西陣御召や白鷹御召などがあります。

着用シーンはお出かけや友人との食事会などで、おしゃれを楽しむ感覚で手軽に着ることができます。気軽に着物を楽しみたい着物愛好家に根強い人気のある着物です。
紋をひとつ入れることで略礼装として着ることも可能です。

小紋


小紋とは、全体的に同じ模様が入った着物。
模様に上下はありません。シンプルでありながら柄によってそれぞれ特徴的な印象を与えます。一見無地に見えるほど小さい柄から、手のひらサイズの大きい柄まであります。模様が小さいものを飛び柄小紋、模様が大きいものを総柄小紋と呼んでいます。
着用シーンは、友人との街歩きや気軽な食事といったカジュアルシーンがおすすめです。
おしゃれ着感覚でもいいですし、お稽古事などで着ることも可能です。

普段着

かつては日本人の普段着だった着物。今でも日常生活で着ることができます。
いつもの日常を着物で彩ってみてもよいでしょう。


紬とは、紬糸使って仕上げた織りの着物。
紬糸は生糸とは違う性質を持ち、着物として仕上がると独特なデコボコとした手触りに仕上がります。格子柄や縞柄が一般的です。
紬の産地によって呼び名があり、有名な鹿児島の大島紬の他にも、新潟の塩沢紬や沖縄の久米島紬などもあります。

着用シーンは、親しい友人とのお出かけや、近所に買い物に出かけるときなどが挙げられます。
普段着感覚で着ることができるので、街に出かけるときの洋服の代わりといったところです。

浴衣


浴衣とは、真夏に素肌の上に着る着物。
もともとはお風呂からあがったときにルームウェア感覚で着ていました。現在もホテルや旅館などで浴衣を置いているのは、その習慣が続いているからです。
着物の中でカジュアルな部類に入ります。木綿で作られたものが一般的ですが、絹で作られたものも人気があります。他の着物に比べるとかなり薄手の着物です。

着用シーンは、夏の花火大会や夏祭りなど。最近では、街にでかけるときのおしゃれ着感覚で着る女性も増えています。普段着感覚ですので、結婚式や披露宴といったフォーマルな場所には向いていません。

着物に合わせた帯や小物えらびも


着物に格があるように、帯にも格があります。
着る場所によって着物の格を合わせるのがマナーですが、その着物に合う帯を選ぶことも忘れてはなりません。格の高い着物に対して格の高い帯を合わせる必要があるので、帯にどんな格があるのか学ぶことも重要になります。
格の高い順に、袋帯・名古屋帯・半幅帯という帯の種類があります。
(帯の種類・格についての記事・内部リンク)

また、着物と帯以外にも身に付けるものがありますよね。
帯揚げや帯締め、バッグ、草履などの小物類も着物と帯の格に合わせましょう。特に、フォーマルシーンで格合わせは重要な要素です。
(小物の格あわせについての記事・内部リンク)

まとめ

着物には種類があること、種類によってTPOがあることがわかりましたね。
現在では着物のルールも多様化しているので、この基本を押さえていれば大丈夫です。
シーンに合わせたコーディネートで、着物をかっこよく着こなしてください。