着物基礎知識

帯留めとは?基本的な使い方や知っておきたいTPO、コーディネートのヒントまで。

着物の帯部分で目を引く帯留めは、個性豊かでとても可愛いらしいでアイテムですよね。

着物姿が一層華やかになる帯留めはぜひ取り入れたい着物小物の一つ。

「帯留めを付けて着物をもっと可愛く着こなしたい」
「でもどうやって使うの?」
「何かルールはあるのかな?」
そう思われる方も多いのではないでしょうか?

今回は、帯留めの歴史から、帯留めの種類、使えるシーンなど、帯留めについてくわしく解説していきます。

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帯留めとは?


帯留めとは帯締めに付けるアクセサリーの一つです。

洋服に例えると、ベルトの金具部分に似ていますね。

帯留めはさまざまな種類があるので、自分らしいものを選べる和風小物です。ワンポイント取り入れるだけでぱっと華やかな印象になりますよ。

ここでは帯留めについてくわしく知っていきましょう。

元々は帯を留めるための金具

かつて、帯留めは主に男性が使用するものでした。

その歴史は江戸時代後期までさかのぼります。

当時は、帯がほどけないようにするための固定金具として実用的に使われていました。

明治に入ると廃刀礼が出されたことにより、それまで刀を作っていた職人たちは不要になった刀装具で帯留めを作るようになります。

廃刀礼で職を失った刀職人たちは帯留め職人となりました。

帯留め職人が作った帯留めは瞬く間に人気となり、これが帯留めの流行の始まりといわれています。

西洋の文化が入ってきてからは、上流階級では華やかなドレスに負けないようにと帯留めで対抗しました。

和装のアクセサリーとして宝石をつけた帯留めが流行したのはこの頃からです。

その後、現在まで長い時間をかけて定着してきたと言われています。

現在では着物を彩るアクセサリー

帯留めは着物のおしゃれを楽しむためのアクセサリーです。

「着物を自分らしく華やかにしたい」
「人と差をつけたておしゃれの幅を広げたい」
着物おしゃれを楽しみたい方におすすめです。

着物のワンポイントに季節感をプラスしたり、自分だけのオリジナルの帯留めを付けてみたり、楽しみ方はそれぞれです。

必ず付けなければいけないものではありませんが、帯留めを取り入れることによってシンプルな帯回りが一気に華やかになりますよ。

帯留めの付け方


帯留めの付け方はとっても簡単です。
用意するものはお好きな帯留めと帯締め

だけ。

アンティークなものから、ハンドメイドの帯留めまでさまざまなデザインを取り入れて日替わりで楽しんでみてがいかがでしょうか。

帯締めは三分紐を用意

帯留めを付けるための帯締めは三分紐(さんぶひも)がおすすめです。

その理由は、通常の帯締めの太さが四分(約12mm)に対し、三分紐は三分(約9mm)と細くなっているため帯留の金具に通しやすいからです。

平たく幅の細い紐三分紐は、さまざまなデザインの帯留めが通しやすく、とても使いやすいですよ。

ほとんどの帯留めが通る太さなので帯留めの種類を選ばず楽しめます。

ただ、三分紐でなければいけないという決まりはありません。

帯留めの種類によっては、通常の四分紐でも使えるので、帯留めや帯に合わせて使い分けると良いでしょう。

簡単5ステップ

こちらでは、5つのステップでできる帯留めのつけ方をご紹介します。

  1. 帯留めを紐に通す。
  2. 紐を帯に巻き付け、通常と同じように正面でしっかり結ぶ。
  3. 余った紐の両端は、蝶々結びをして小さくまとめる。
  4. 帯留めを抑えながら紐を回し、結び目を帯結びに入れて隠す。
  5. 帯留めを整えて、完成です!

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帯留めのTPO


出かける場所に合わせて帯留めを選ぶことが大切です。

基本的に帯留めはカジュアルに使うものなので、素材によって使ってはいけない場所もあります。

ここではフォーマルとカジュアル、それぞれの場面に合わせた帯留めの種類を見ていきましょう。

フォーマル向けの帯留め

フォーマルな場での帯留めは、宝石類など高級感あるものをつるけるのが一般的です。

第一礼装ではフォーマル用の帯締めに合わせて、パールや蒔絵(まきえ)など白や黒、銀色を基調とした帯留めを取り入れると良いでしょう。

結婚式などの礼装用にはダイヤやルビーといった5大宝石の帯留めがおすすめです。
しかし、ゲストではなく親族側として出席する場合は、両家でいろいろな見解があるので宝石の帯留めは避けた方が無難かもしれません。

帯留めは基本的におしゃれを楽しむためにつけるものなので、冠婚葬祭に出席する際は、ご親族などに確認してからつけると安心でしょう。

カジュアル向けの帯留め

季節を問わず、好きな素材や形、大きさで気軽におしゃれを楽しめるのが帯留めの魅力です。

貝、陶器、ビーズ、ガラスやとんぼ玉素材のものまで、どんなものでも帯留めの飾りとして使うことができますよ。

素材は自宅にあるものから、100円ショップやネットなど、いろいろなところで手にれることができます。

お好きな素材に帯留め金具をつけるだけ。オリジナルの帯留めを身に着けて着物を楽しみましょう。

お茶会と弔事には帯留め禁止

さまざまな場面でコーディネートを楽しめる帯留めですが、一般的にはお茶会と弔事には帯留めは着用できません

お茶会では、誤って茶器(道具)を傷つけてしまわないように帯留め、指輪、腕時計などのアクセサリー類は原則禁止です。

不祝儀の場はお悔み事の場なので華やかさは不要です。そのため喪服には帯留めを付けないのが一般的です。

帯留めになる素材


基本的に帯留めの素材はなんでもOKです。

コーディネートに合わせてアイデア次第でなんでも帯留めとして使えます。

ここでは自宅にある材料で手軽に使える帯留めの素材をみていきましょう。

ブローチ

自宅に眠っているブローチがあれば帯留めとして活用しましょう。

帯留め金具を使うだけで簡単に帯留めにできますよ。

帯留めの金具は、ネットや手芸店で手に入ります。

サイズがいくつかあるので、ブローチの大きさに合った形のものを選んで購入するとよいでしょう。

ボタン

ボタンを使ったハンドメイドの帯留めも人気です。

ボタンに、パールやビーズ、スワロフスキーなどのかわいらしいアイテムをデザインし、レジンや接着剤で固めるだけで出来上がり。

お手軽な値段でリーズナブルに作れるのも魅力ですね。

箸置き

陶器や木材、ガラス製など、さまざまな素材が魅力的な箸置きは、季節感を出しやすいのが特徴です。

季節に合わせて素材やデザインを選びやすいので簡単に取り入れることができますよ。

帯留めとしてちょうど良い大きさのものが多いことや、お帯留めにマッチした質感がぴったりです。

裏側がでこぼこせず、平面なものも多いので、帯留め作りの初心者さんでも選びやすい素材でおすすめですよ。

イヤリング

少し古いものや使わなくなったイヤリングはご自宅に眠っていませんか?

片方なくしてしまって使い道がないイヤリングも、帯留めとしてリメイクするのにぴったりです。

サイズが合えばイヤリングについているクリップをそのまま帯締めにつけるだけ。

おしゃれな帯留めが、とっても簡単に完成します。

帯留めコーディネートのヒント


格上の着物をカジュアルに着こなしたい時や季節感を出したい時、帯留めをワンポイントにすることでがらっと雰囲気が変わります。

普段の着物がとってもおしゃれな着こなしに変わる、帯留めコーディネートのヒントを見ていきましょう。

帯揚げと帯締めに合わせた統一感を

着物を着る上で重要な役割をしている帯回りの小物たち。

帯枕を包んでいる帯揚げは帯結びの形を整える役割があります。ボリュームや色味、柄などを使い分ける事で差し色をプラスします。

帯を締め固定するための帯締めは、無くてはならない大切な存在ですよね。さまざまな色、形があり結び方でアレンジは無限です。

着物を一段とおしゃれにしてくれる、帯留め。周りからも注目されやすい帯留めは特に個性を出せるアイテムです。

上記3点は組み合わせる物によって、まったく別の表情を見せてくれます。

例えば、帯揚げと帯締めを同系色で統一すると、大人っぽい落ち着いた印象に。

逆に、帯揚げだけ色味を変えると、ぱっと目を引く華やかな印象に変身します。

それぞれの色味や柄、紐の太さなどを考えながらバランス良く取り入れましょう。

春夏秋冬おすすめの帯留めデザイン

着物に季節感を出したい時は、帯留めの素材やデザインを変えるとワンポイントになります。

  • 春は桜
  • 夏は金魚
  • 秋は紅葉
  • 冬は雪

このように帯留めのデザイン一つで季節を演出できますよ。

帯まわりの小物3点のコーディネートを意識することでワンランク上のおしゃれな着物美人を目指しましょう。

帯柄との位置もポイント

帯留めの位置は正面の真ん中でなくても大丈夫です。

帯留めの大きさや形によっては、帯留めを帯の中央に置くことで、美しい帯の柄が見えなくて残念といったこともあるかもしれません。

そのため、帯留めの位置は帯の柄や帯留めの形によって、調整することをおすすめします。

アシンメトリーにしても個性的でおしゃれな雰囲気の着こなしができますよ。

反対に、帯留めを目立たせたい時は、中央に置くと良いでしょう。

全体のバランスを確認しながら自分のセンスと好みで楽しんでくださいね。

また、帯留めの位置がずれないようにするポイントは、しっかりと帯締めを締める事です。帯留めを取り入れるといつも以上に帯締めが緩みやすくなります。

せっかくの帯留めがずれないように、帯締めは帯にえくぼができるくらいしっかり締めましょう。

まとめ

着物をおしゃれにしてくれる帯留めについてご紹介してきました。

自宅にある材料で、今すぐに取り入れられるところも魅力の一つですよね。

せっかく着物を着るなら細部もとことん楽しみたいですよね。

自分だけのオリジナル素材を取り入れて毎日の着物をより一層楽しみましょう。