大島紬の買取相場はいくら？売却手段やおすすめ業者、高く売れる大島紬を解説

大変人気のある大島紬ですが、着物を着ない人にとってはなかなか着る機会はありませんよね。眠っている大島紬があるなら、思い切って売却を検討してみましょう。大島紬は知名度や人気の高さから良い価格での買取が期待できます。

この記事では大島紬の売却を検討している人へ向けて、買取相場やおすすめの買取業者などを徹底解説しています。当サイトで収集した着物買取の口コミ185件も紹介しているのでぜひ参考にしてください。

目次

順位	業者名	説明
1位	バイセル	バイセル 重点対応地域：全国 形式：出張・宅配・店舗 公式サイト 詳細・口コミ（117）

そもそも大島紬とは？

絶大な人気と知名度

1300年の歴素を誇る大島紬は、着物の女王と呼ばれるほど圧倒的な人気がある着物です。なめらかな着心地、三代着られる丈夫さ、緻密な絣柄といった特徴に人気があります。世界三大織物の一つにも数えられ、着物にあまり詳しくない人にも知られているほど、知名度の高い着物です。

３つの産地

大島紬の発祥は鹿児島県の奄美大島です。現在では鹿児島市や宮崎県都城市でも生産されており、産地によって特色があります。3つの産地で織られた大島紬は本場大島紬と呼ばれ、その中でも奄美大島で作られたものを特に本場奄美大島紬と呼ばれ人気が高いです。1975年に本場大島紬は国の伝統的工芸品に認定されました。

奄美大島産	泥染めの泥染大島紬が中心で、主に手織りで作られる
鹿児島産	化学繊維を使った色染大島紬が多く、手織りと機械織りで作られる
宮崎県産	やわらかな色調の草木染が主流

大島紬の買取相場

有名産地の中でも高め

大島紬はかなり人気なだけあって買取相場は高め。結城紬や郡上紬といった他の有名産地の紬と比べても、上限が高めであることがわかります。

ただし価格帯が幅広く、実際の買取価格は「ものによる」というのが現状です。

結城紬	数千円～100,000円
牛首紬	数千円～100,000円
久米島紬	～80,000円
郡上紬	～150,000円

【注意】保存状態や種類によって価格は変動する

実際の買取価格は、保存状態・作家・産地などによって変動します。保存状態の良い本場大島紬には最大200,000円ほどの価格が付くこともあれば、汚れの目立つ古い大島紬にはたった数百円ということも。

あなたの大島紬が実際にいくらになるのかは査定に出してみないとわかりません。まずは無料査定に出してみることをおすすめします。

大島紬を高値で売却するには

大島紬の査定時には証紙を提出

大島紬の査定時には必ず証紙を提示しましょう。証紙があることで、使われている素材・産地・伝統的工芸品かどうかが客観的に証明されるので、買取価格は確実にアップします。

証紙は、その着物の品質を保証する大切なものなので、大切に保管しておきましょう。

買取業者とフリマアプリの違い

着物の知識がない方は、買取業者の利用がおすすめですが、着物の知識をお持ちの方はフリマアプリも利用可能です。

大島紬などの高級素材の着物や帯を売る場合は、まずは買取業者の利用をおすすめします。

フリマアプリの場合、少しでも高く売れる可能性がありますが、着物を正しく出品するには、寸法や記事、落款証紙や記事の状態などを適切に伝える必要があるため、ある程度以上の着物の知識が必須です。

大島紬などを売却する場合は、サイズ感や状態、証紙や落款などの情報を正しく記載しないと、トラブルのもととなってしまいます。

	専門買取業者	フリマアプリ
メリット	・手軽に利用できる ・大島紬などの高級品が売りやすい ・無料で利用できる	・ノーブランド、デザイナー着物に強い
デメリット	・人件費がかかる ・デザイナー着物に弱い	・売れるかわからない ・手間がかかる ・高額商品は売りにくい

大島紬は出張買取がおすすめ

着物の買取業者を利用する際は、出張買取が便利です。

実際、当サイトが収集した着物を売却した170件の口コミの中でも、出張買取を利用する人が最も多くなっており、これは大島紬などの着物でも同様だと思われます。

大量の着物を持ち込むのは手間がかかるため、出張買取を利用する人が多くなっているようです。

また、大手の着物買取業者であれば、訪問料金やキャンセル料金も無料のところが多く、相見積もりやキャンセルしやすいのも利用しやすいポイントです。

利用者が最も多いのは、バイセル

当サイトが収集した着物を売却した約170件（2022年1月5日時点）の口コミの利用サービスを比べてみましょう。

データによると、バイセルの利用者が圧倒的に多くなっています。

バイセルは、上場企業のBuysell Technorogiesが運用する出張訪問型のサービスですが、全国でサービスを展開しており、認知度が高く実際に多くの人が利用しているようです。

2社以上に査定を頼む

よく勘違いされる方がいますが、出張買取も、相見積もりを取ることはできます。

一度お断りた後に、他社で納得行かなければ、また連絡すれば再度買い取りに来てもらう、なども可能なことが多いです（※査定金額や状況によっては宅配買取に変更のケースもあります）

「わざわざ来てもらったのに、申し訳ない。」という感情から納得していない価格で売却してしまわないようにしましょう。

1社大手でスムーズに予約できるサービスを利用し、査定に納得できなければ、地域の着物店を探して持ち込む、というのもおすすめです。

断るのが苦手という人は2名以上で査定を受けることをおすすめします。判断力の低下してしまった高齢の方一人では、査定を受けないようにしましょう。

本当に高く売りたい場合は、委託販売も

大島紬の中でも高級で需要の高い着物をお持ちで、時間がかかっても高く売却したい場合、着物の委託販売という手段もあります。委託販売とは、一定の間着物をリユース店舗に預け、売却されたら売り上げの一部をもらうという着物の売却方法です。

ただし、委託販売は非常に高度な査定技術と販売力が必要なため、あまり対応している業者はいません。そもそもいつ売れるかもわからないため、仲の良い業者がいれば話を聞いてみてもいいかも。というのが現状です。

高く売れる大島紬の特徴

保存状態がよい大島紬

まず確認したいのが保存状態です。しばらく着ていなくても、いつの間にか汚れていることもあります。特に汚れが付きやすい箇所は下記の通り。買取に出す前に、これらの箇所をチェックしておきましょう。

ちなみに、着用時には見えない部分の汚れでも、査定額にマイナス影響を与えます。特に”胴裏”という胴まわりの裏地はシミができやすいので、日頃のお手入れをきちんとしておきたいところです。

衿元	ファンデーションや日焼け止めなど
裾	泥はねや水はね
裏地	汗や皮脂
袖口や袂	動作時に汚れやすい

泥染めの本場奄美大島紬

大島紬の中でも価値が高いとされるのは、奄美大島で作られた本場奄美大島紬です。泥染めされたものは、さらに価値が高くなります。本場奄美大島紬の買取相場は、状態さえ良ければかなりの確率で高価買取が期待できます。

	買取相場
本場奄美大島紬	100,000円以上
泥染めの本場奄美大島紬	200,000円以上

伝統的工芸品の大島紬

画像引用元：本場奄美大島紬協同組合

大島紬のうち、国の伝統的工芸品の基準を満たすものには伝統的工芸品としての価値があります。昔から続く技法で手作業で作られた貴重なものだからです。伝統的工芸品の大島紬には、上写真のマークが貼られているので確認してみてください。

現在では機械で織られた大島紬もありますが、伝統的工芸品として認められていないので買取価格は低くなります。

都喜ヱ門の大島紬

画像引用元：佐藤チアキ和装塾

大島紬の最高級ブランドとして有名なのが、藤絹織物の都喜ヱ門（ときえもん）です。絵画のような緻密さがあり、国内外で高い評価を得ています。長い年月をかけて丁寧に作られるので、市場に出回っている量も少なく稀少価値もあります。高いものでは18万円程の買取実績も。

藤絹織物は組合に入っていないので、都喜ヱ門には独自の太陽印の証紙が付けられています（上写真）。

柄が細かい大島紬

細かい柄を織るには高い技術力と長い年月を必要とするので、高く評価されます。柄の細かさを表す指標としてマルキというものがあり、マルキの数値が大きいほど柄が細かいことを意味します。一般的な大島紬は７マルキ程度なので、９マルキ以上だと価値が高いです。

• ５マルキ
• ７マルキ
• ９マルキ
• １２マルキ
• １５マルキ

マルキは、反物の端に表記があったり購入時にも表示があったりするので一度確認してみましょう。表示がない場合でも、明らかに細かい模様なら価値の高いものだと期待できます。

大島紬の証紙

画像引用元：廣田紬株式会社

証紙とは、本物であることの証しです。大島紬の証紙は産地ごとにデザインが異なります。

産地	証紙のデザイン
奄美大島産	地球印
鹿児島産	旗印
宮崎県都城産	鶴印

奄美大島産の証紙

地球印の証紙

画像引用：本場奄美大島紬NEXTプロジェクト

奄美大島産の大島紬の証紙は、この地球印が目印です。本場奄美大島紬協同組合が発行しており、手織りの大島紬にのみ貼り付けられます。

泥染めの証紙

画像引用：本場奄美大島紬NEXTプロジェクト

奄美大島で泥染めされ、組合の検査に合格した大島紬に貼られるものです。

草木染かつ泥染めの証紙

画像引用：本場奄美大島紬NEXTプロジェクト

一般的な泥染めに使われるテーチ木以外の草木染が行われた後、泥染めされたものに貼られます。

機械織りの証紙

画像引用：本場奄美大島紬NEXTプロジェクト

機械織りの場合には、この地球印の証紙が貼られます。手織りの地球印とは異なるデザインなので注意してください。なお、機械織りには伝統的工芸品の証紙は貼られません。

鹿児島産の証紙

旗印の証紙

画像引用元：本場大島紬織物協同組合

鹿児島産の大島紬には、旗印の証紙が貼られます。本場大島紬織物協同組合が発行しており、厳しい検査をクリアした大島紬のみに貼られます。

泥染めの証紙

画像引用元：大島紬アンバサダー

植物染めの証紙

画像引用元：和空間スポットガーデン

草木染で染められた大島紬に貼られる証紙です。

機械織りの証紙

画像引用元：枡谷儀兵衛

機械織りで、絣柄のない縞大島の証紙です。鹿児島県絹織物工業組合連合が発行した円形シールが貼られます。オレンジ色の台紙に貼られているのですぐに見分けがつきます。

宮崎県都城産の証紙

鶴印の証紙

画像引用元：着楽舎

宮崎県都城市で作られる大島紬には、都城絹織物事業協同組合が発行する鶴の証紙が貼られます。

大島紬の実際の買取祖事例、口コミ・評判

大島紬の特徴

大島紬は、他の着物にはない優れた特徴をいくつも持っています。

なめらかで光沢のある生地

大島紬の生地の特徴は、結城紬などの他の紬と違うなめらかな肌ざわりと生地の光沢感です。

結城紬や久米島紬などは紬糸で作られるのに対し、大島紬は生糸を原料にしているため、織り上がった生地に絹糸独特のなめらかさや光沢が生まれます。他の紬にはない特別感のある着物に仕上がるのです。

絣模様が緻密

大島紬は緻密な絣模様が最大の特徴です。細かな絣模様を織ることができるのは、以下の2つ理由からです。

• 生糸を使用していること
• 大島紬にしかない絣締め（かすりじめ）という工程がある

絣締めは、大島紬の製造過程で独自に開発された締機（しめばた）と呼ばれる機で行います。締機を使うことで、染めない部分、染める部分を設計図通りに細かく分ける事ができるのです。

草木をモチーフにした絣柄

龍郷（たつごう）柄

 
龍郷（たつごう）柄は、奄美に自生するソテツの葉と実を図案化したものです。

秋名（あきな）バラ柄

秋名（あきな）バラ柄は、竹で編んだ「ザンバラ」と呼ばれるざるをモチーフに図案化されています。

西郷（さいごう）柄

西郷（さいごう）柄は、格子の中にさらに細かい絣柄が入る複雑な模様です。
龍郷と秋名バラ柄は女性物の最高位、西郷柄は男性物の最高位で、技術的にも高度な技術が要求され、人気があるため、買取額が期待できます。

軽くて着心地が楽

大島紬は、他の着物と比べて軽いのも特徴の一つです。その理由は、細い糸を使い一番単純な組織平織りで織られているからです。
一般的な着物との重さを比べてみると、大島紬が随分軽いことが分かります。「着物を着ると肩が凝る」というのはよく聞く話ですが、大島紬は着物の重量が軽いため、ふわっと体に乗っているという感覚で長時間着ていても疲れることがありません。

一般的な着物	700～800ｇ
大島紬	450ｇ

大島紬は三代着の宝物

丈夫で長持ちするのも、大島紬の特徴です。丁寧に手入れをすれば200年、子や孫の世代まで受け継いで着用できるといわれています。

また、大島紬は着込むほどにその味わいを増していきます。着用を重ね、何度も洗うことで、最初はシャリっとしていた生地が、とろんとなめらかな風合いに変わるのが魅力です。丈夫な大島紬だからこそ、古着でも根強い人気を誇っているのですね。

大島紬の染色技法による種類

画像引用元：鹿児島県観光サイト　どんどんかごしまの旅

大島紬といえば、黒地に細かい絣模様の泥染大島紬が代表的ですが、その他にも染色方法によりさまざまな種類があります。手元にある大島紬はどれにあてはまるのか、確認しながら読んでください。

泥染大島紬

画像引用元：大島紬村

泥染大島紬は、本場奄美大島紬の代表格です。奄美大島に自生する車輪梅（テーチ木）の染液に含まれるタンニンと、奄美の泥の中にある豊富な鉄分が化学反応を起こすことで糸が黒く染まります。「カラスの濡羽（ぬれば）色」とも称される、黒々とツヤのある色になるまでには、この化学反応を85回程繰り返さなくてはなりません。糸を染める工程だけでも2週間以上の期間を要します。この泥染めを行うことで、鉄分が絹糸を包み込むように染めあがり、生地全体の風合いをしなやかにしてくれます。

泥藍染大島紬

画像引用元：奄美の里サウスヴィラガーデン

地糸に泥染めの糸を使い、絣糸の柄になる部分を植物藍で染めます。この2種類の糸を使うことで、黒地に、藍色の絣模様ができます。地糸とは、絣染していない一色のみの着物地の色になる糸のことです。泥藍染大島紬は、大島紬の歴史から見ると比較的新しい昭和9年に開発されたものです。

正藍染大島紬

画像引用元：ほていや

正藍染大島紬は、主に鹿児島で生産されます。地糸も絣糸も植物藍で染めますが、地糸は濃紺、絣部分は淡い藍色で濃淡を作り、絣模様を織り出します。色落ちしやすいため、現在ではあまり生産されていません。

色大島紬

画像引用元：奄美の里サウスヴィラガーデン

色染め大島紬は、昭和31年に開発された新しい大島紬です。大島紬の伝統的な絣の技法に、化学染料を使い近代的な色味の絣模様を表現しています。さまざまな色を入れることができるので、バラエティーに富んだ柄を表現できるのが特徴です。

草木染大島紬

画像引用元：本場奄美大島紬共同組合

近年になり、伝統的な天然染料が見直されたことにより、生まれたのが草木染大島紬です。草木染独特のやさしい色合いで絣模様が表現されています。大島紬で使われる天然染料の、車輪梅や植物藍以外の植物染料も使用しているのが特徴です。

白大島紬

画像引用元：ほていや

白い地糸と、白い糸の絣部分に淡く華やかな色を入れて織られたものです。

奄美大島で織られている白大島紬は、地糸を染めず絹糸そのままの色を使ったものと、一度泥染めしたものを脱色して白くしたものの2通りあります。泥染め後脱色したものは、ほんのり泥の色が残る生成り色をしているのが特徴です。鹿児島で作られる白大島の地色は、磁器を作るために使用される土で白く染められ、乳白色に仕上がります。

大島紬買取のQ&A

Q.大島紬の帯や反物は売れる？

A.もちろん売ることは可能です。反物はモノにより着物より買取額が高くなることもあります。

大島紬は、着物地がメインの織物なので帯の生産量は少量ですが、存在しもちろん売ることも可能です。しかし、帯は伝統工芸品としての大島紬の条件を満たさないため、証紙や伝統マークは付かないため、買取額もそれほど期待できません。反物は、仕立てるサイズの自由度が高いため、状態、質によっては着物と同じ100,000円程の買取額になることもあります。

Q.古い大島紬も売れる？

A.古い大島紬も買取の対象になりますが、状態によっては価格が下がる場合もあります。

大島紬に限らず、年代物の着物の場合はシミや汚れ、ほつれ等が起こりやすい傾向があります。そのため、新しい大島紬の買取相場と比べると価格が低くなる可能性があるかもしれません。しかし、年数がたっていても大島紬はそもそもの価値が高いので、同じ条件の他の着物が二束三文でも、数千円程の価値が付くこともあります。正しい手入れを行っていて、保存状態が良いものであれば一万円程の価値が付くものもあります。

Q.大島紬の小物は売れる？

A.もともとの価格が低いので、値が付かないかもしれません。

着物地の他にも、大島紬の生地を使って名刺入れやポーチ、巾着など身近な生活用品も作られています。しかし、小物の場合500円から高くても3,000円くらいのものが主流で、買取に出したとしても値段は付かないと考えておいた方が良いかもしれません。

まとめ

大島紬は早めに着物専門買取業者へ

大島紬は、着物好きの女性なら一度は袖を通したいあこがれの着物です。買取相場は10,000円～200.000円と着物の中でもかなりの高値が期待できます。

まずは着物に詳しい着物専門買取業者の無料査定に出してみましょう。