着物の人気が高まるにつれ、寒い冬の季節でも年越しや新年のご挨拶などのお出かけに着物を楽しむ方が増えてきましたね。
「冬でも着物をもっと楽しみたい」
「暖かく着物を着こなしたい」
こんな風に思っている方も多いのではないでしょうか。
実は冬こそ着物の重ね着を存分に楽しめる季節なのです。ちょっとした工夫と対策で、特に冷え込む真冬の季節でも暖かく快適に過ごすことができますよ。
そこで今回は、冬でも快適に着物を楽しめる「家にあるもので簡単にできる防寒対策のコツ」をご紹介します。
着物の寒いところTOP3
重ね着をすることで、寒い季節の体温調整も難しくない着物は、冬こそ楽しみたいところ。
しかし、着物の構造上、どうしても冷気が入りやすい箇所があります。
ここでは着物を着る時に特に意識して温めたいポイントを見ていきましょう。
首まわり
女性の和装では「衣紋を抜く」といって、女性らしい色気を出すために襟を後ろへ少しずらして着るのが一般的です。
うなじから首の部分は露出している肌の面積が多いので、冷たい外気を受けやすい部分になります。
手首
着物の脇は、身八つ口(みやつぐち)といって着物を縫い合わせずに開けてある部分があります。
女性と子供の着物にのみ作られていて、男性着物では身八つ口はありません。
上腕部や手の動きを楽にするための工夫のほか、通気性が良いので体温調整のためといわれています。
女性着物の場合は、授乳の時の開口部としての役割も補っている開口部。
しかし、冬場は冷たい風が入ってくることで寒さを強く感じやすい部分になるので意識して温めましょう。
足首
裾部分が開いている着物は、足首や足元も風を受けやすく冷えを感じやすいところです。
春~秋に履いていた足袋では、寒くて足がかじかんでしまうかもしれません。
足元は防寒対策をしやすい部位でもあるので、しっかりと温めることで足元からぽかぽかに暖かく過ごすことができますよ。
女性着物の防寒対策
寒い季節でも着物を快適に過ごすポイントは、上記三つの首をしっかり温めることです。
「首・手首・足首」の三つの首を温めることで血行が良くなり、体全体が温められることで防寒効果が上がるといわれています。
外気に触れている肌をしっかりガードして、熱を逃さない防寒対策を5つ見ていきましょう。
アウターでおしゃれに防寒
ポンチョやケープはさらっとはおれるのでカジュアルなシーンにおすすめです。
袖がもたつかず、普段着として着ているポンチョなどで代用ができるので、新しく買い足す必要もなくお手軽ですよ。
寒い季節は着物の外出用「道行(みちゆき)」コートが良いでしょう。
襟元が四角に開かれて仕立てられているのが特徴です。
さらに寒い季節、道行コートでは寒さをしのげない!というときは「外套(がいとう)」がおすすめです。
しっかり防寒できる暖かさがあり、洋服でいうところのダウンコートやロングコートといった位置づけになります。
色や柄が合っていれば、普段着として着用しているコートを着るのも問題ありません。
着物用のコートを新しく買い足すことなく、自宅にあるお洋服で十分代用できるので、ぜひお手持ちのコートを合わせてみてくださいね。
首まわりにはファーやストール
冷えやすい首元には、シュートやストール、ファーなどが良いでしょう。
柄や素材が合うものであれば、洋服用のもので代用可能です。
無地の柄でしたら訪問着にも使用できるので便利ですよ。
ファーを合わせた首元はとても温かみがあり、おしゃれな着こなしになりますが注意したいことが一点あります。
動物の毛皮から作られたファー素材は、殺生をイメージさせるといわれています。結婚式やお祝いの席での着用は原則NGなので気をつけましょう。
防寒対策をする際は、着物を着ていく場所などにも考慮して首元の対策をしてくださいね。
手元にはロング手袋
着物が開いている手元部分は、肘から下までしっかりガードしてくれるロングタイプの手袋がおすすめです。
ご自宅にアームウォーマーがあればわざわざ購入しなくても代用が可能なのでお手頃です。
手元が暖かくなることで体感温度がぐんと上がります。ぜひお試しくださいね。
足元にはブーツや厚手足袋
春夏用の足袋では冬を乗り切るのは厳しいかもしれません。
体温が下がりやすい足元はできる限りの対策と防寒をしたいところ。
現在は、冬用に裏起毛や、ネルやフリース素材などの防寒できる足袋が数多く展開されています。
冷えやすい足元は、暖かい生地の足袋でしっかりカバーしましょう。自宅にあるものでは厚手の5本ソックスなどでも代用可能です。暖かい靴下があればぜひお試しくださいね。
また、近年では着物にブーツを合わせておしゃれを楽しむ方も増えています。
カジュアルな防寒コーディネートに取り入れて、人と差をつけましょう。
機能性インナーも活躍
着物用の暖かいインナーも種類が豊富です。
普段のお出かけに着物を着用する場合は、普段着用しているインナーで十分代用が可能です。
一般的に手に入りやすい保温吸湿性の高いインナーや、サーモ機能が備わったインナー、極暖インナーなど、さまざまな普段着用のインナーがあるのでぜひ、取り入れてみてくださいね。
気を付けたいポイントは、首元や袖口からインナーが見えやすいことです。
襟ぐりが広めのものや、五分丈といった袖の短いものを選ぶようにしましょう。
男性の防寒対策
近年人気が高まりつつある男性着物。
おしゃれでかっこいい着物が豊富にあるのに「寒いから冬に着物を着るのが億劫」と感じるのはもったいないですよね。
実は男性の着物にも便利な防寒アイテムが多数あります。
実用的なおしゃれな小物を見ていきましょう。
コート類
もっともオーソドックスな冬用和装のメンズコートは角袖コートです。
洋装コートと異なり、袖付けが広めに作ってあるので着物の上にさらっと羽織りやすいのが特徴です。
どんな和装にも合わせやすいので、迷ったら角袖コートをチョイスするといいでしょう。
映画や小説の主人公などが着用しているコートとして人気が高いのはトンビコートです。
袖が邪魔になりにくい作りと、レトロでエレガントな雰囲気が魅力的。
人と差をつけたい、おしゃれな着こなしにぴったりの一着です。
首まわりはタートルネックで
メンズ着物のインナーは、ヒートテックまたはタートルネックのセーターやフリース素材などがおすすめです。
無地から柄物の着物まで、オールマイティに合わせやすい黒色のインナーは、一着あると重宝するでしょう。
全体的に引き締まった印象になるので暖かいうえにかっこよく決まるのでおすすめですよ。
手元はアームウォーマー
男性着物の、手元の寒さ対策にはアームウォーマーを取り入れると良いでしょう。
普段着用の素材からスポーツ用の素材まで、着物に合わせて粋な着こなしを楽しめますよ。
好みの素材で選びましょう。
普段の靴で足元を防寒
冬場のげたや草履はとにかく寒いですよね。
底冷えする足裏に、特におすすめ防寒アイテムはスニーカーや革靴です。
着物の自由な楽しみ方として、和風のカジュアルファッションが人気を集めています。
フォーマルな場面ではマナーを守った着こなしが必要になりますが、普段の着物での防寒対策では暖かい靴がぴったりですよ。
人とかぶらないアイテムを取り入れて、かっこよく着物を着こなしてみてはいかがでしょうか。
礼装の防寒対策
カジュアルな着こなしが難しい礼装の場合は、あたたかい素材を選んだり、保温性のあるインナーを使ったりして、防寒しましょう。
礼装で快適に過ごせる防寒対策に便利なおすすめ商品を紹介します。
あたたかい素材を選ぶ
礼装の防寒対策には二重ガーゼやソフトサーモ糸、ネル素材などの発熱・保湿機能が備わった素材がおすすめです。
東レの「暖か」インナー
画像引用元:楽天市場
繊維開発に強い東レの機能性インナー。
体から出る湿気や汗を活用しあたたかさを持続させる、東レ独自の繊維が使われています。
さらに静電気を抑える特性も兼ね備え、裾さばきがスムーズなのも嬉しいポイントです。
一流ブランド あづま姿 暖かLINEシャツ型肌襦袢
画像引用元:楽天市場
ぽかぽかなのにさらっとした肌触りが心地良い「あづま姿」のLINEシャツ。
旭化成のサーモギアを使用しており暖か繊維なので熱を逃がさずソフトな着心地です。
襟周りはワイドに開いているので首元から見える心配もありません。
七分丈の袖に、レースをあしらった女性らしいデザインも乙女心をくすぐります。
和装用インナーを使う
和装用ネル素材の足袋や内側がもこもこファータイプの足袋など、暖かい冬用小物は多数あります。
その中でも、礼装の際の防寒対策は和装用ストッキングがおすすめです。
ただし、ストッキングやレギンスは静電気が起きて裾さばきが悪くなってしまう可能性があるので注意が必要です。
気になる方は静電気防止対策がされているストッキングを選ぶか、事前に静電気防止スプレーを吹きかけておくと解消されるのでお試しください。
ストッキング着用の際は、裾がめくれても自然に見えるようベージュや肌色に近い色見を選びましょう。
福助 足袋用タイツ
画像引用元:楽天市場
安心安全の日本製福助の足袋用タイツ。
使い勝手の良いお色と脱着不要の利便性を兼ね備えた心地良い履き心地です。
足先が分かれているので重ね履きもできて、足元をしっかり温るので安心ですよ。
嬉しい静電気防止加工なので、裾のまとわりも軽減され快適に過ごせることでしょう。
東レ 足袋インナーロング
画像引用元:楽天市場
東レの温かく快適な和装インナー。
発熱保湿に優れている「東レサーモ糸」を使用し蒸れにくくさらっとした履き心地が特徴です。
ストッキングより厚手に作られていますが靴下より薄手の程よい厚み。
伸縮性に優れた素材なので締め付け間もなく快適に暖かく過ごせますよ。
まとめ
寒い冬でも、着物をおしゃれに楽める防寒対策をご紹介しました。
風通しよく作られている着物は、冷気が入りやすく体温が奪われがちですが「三つの首」をしっかり温めることによって体感温度がぐっと上がります。
冬のお出かけも、身の回りにあるアイテムで上手に防寒対策をしながら着物のある暮らしを楽しみましょう。
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