古銭の買取を検討中の方へ。せっかく売るならなるべく高く売りたいですよね。
この記事では、古銭を高く売るために押さえるべきコツ7選を紹介しています。ほんの少しのコツを知っておくだけで買取価格が大きく変わるかもしれません。買取形式や業者選びのポイントも解説していますので、売りに出す前に一度読んでみてください。
どんな古銭が高く売れる?
保存状態が良い古銭
古銭は古いものが前提なので多少の傷は問題にならないものの、基本的には、保存状態が良いものの方がより高く売れます。もし自分が中古商品を買うとすれば、同じものでも綺麗な方を選ぼうとしますよね。それと同じです。中古の古銭を欲しいと思っているのは、古銭のコレクターの方なので、綺麗な方が中古での販売価格も高いのです。なのでそれが買取価格にも反映されます。記念硬貨など時代が新しいものは、特に綺麗さが重要になります。
流通量の少ない古銭
しかしいくら高く売れるといっても、多くは額面以上の価値とはなりません。例えば「歴史の教科書に出てくるような寛永通宝は、希少で高いのでは」と思うかもしれませんが、実際に使われていた硬貨は流通量が多いので、買取相場は低い傾向にあります。ただ単に古いだけでは高く売れません。
それよりも記念硬貨や限定生産された硬貨の方が、流通量が少ないため高く売れます。希少性の方が大事なのです。例えば、世界大会の記念硬貨や、現代のエラーコインなどがプレミア価格が付いています
金や銀の含有量が高い古銭
金貨や銀貨の場合は、金・銀・プラチナ等の買取相場にも影響を受けることがあります。なので、金や銀の含有量が高い方が、価値が高くなります。金や銀・プラチナの買取価格が高いときに売れば、古銭の買取価格も高くなるでしょう。
しかし、金や銀としての側面ではなく、古銭としての価値が評価されるものもあります。代表的なものは、日本で金本位制が確立する以前の銀貨です。丁銀などと呼ばれています。銀としての価値ではなく、その希少性で値段が決まります。
代表的な古銭
高く売れる代表的な古銭についてご紹介します。
日本・金本位制以前の銀貨
昔の、丁銀や古金銀などの時代劇で見かけるような通貨です。1871年に金本位制が導入されるまでに作られた銀貨は、通用が停止となったため、価値は特に高く、プレミア価格で現金化できる可能性を秘めています。慶長長銀で10万円~1,100万円程度の買取価格、安政二朱銀では1.2万円~300万円程度の買取価格となる傾向があります。
日本・旧二十円金貨
日本では今では記念硬貨にしか見られない金貨も、実は明治期から大正期には毎年のように流通目的の金貨が発行されていました。その中でも特に発行枚数が極めて少なく、「近代金貨の王様」とも呼ばれるのがこの旧二十円金貨。直径が約35㎜と大型で見栄えも優れていることから、明治金貨の象徴的な存在と言えます。明治3年銘の発行数が最も多いですが、それでも46,139枚という少なさ。その他の年の発行は1000枚や100枚のものもあるそうです。状態が良ければ明治3年銘で300万円以上、それ以外で1000万円つく事も。ただしレプリカも多いので注意が必要です。
中国・咸豊通宝
中国古銭の中で清朝代の貨幣は人気がある為、買取価格も高くなっています。その中でも特に人気で価値が高いのが、咸豊通宝。1851年から10年間発行された古銭で、1文銭から当千銭まで非常に多くの種類が存在します。しかも一百と書かれた当百銭ひとつをとっても、いくつか種類があり、大きさが8㎝近くもあるものも存在します。買取相場は、20~40万円前後となっています。
フランス・ナポレオン金貨
ヨーロッパにも価値のある古銭は多く存在します。ヨーロッパの場合、日本や中国とは異なり金貨や銀貨が多いので、金や銀としての価値である側面も大きいです。このナポレオン金貨は特に、地金型金貨の先駆けとも言われ、大量に鋳造され現存数も多いため、希少価値は低いと言われています。ちなみにここで言うナポレオンは日本人がよく知る、ナポレオン3世のことです。金の価格が基準になるナポレオン金貨ですが、その中でもコインの肖像画が、”有冠(頭にリースが戴っている)”の1865年のパリ製、1868年のストラスブール製などはプレミア価格がついています。通常のナポレオン金貨は、5フランで1万円ほど、50フランで10万円ほど、100フランで20万円ほどです。
古銭を高く売るコツ7選
古銭を高く売るには相見積もり
相見積もりとは、2〜3以上の複数業者に査定してもらうこと。
お持ちの品ものや背景にもよりますが、高額であればあるほど、相見積もりを取る前提で業者に査定を依頼することをおすすめします。なぜなら、古銭の価値は非常に値付けが難しいため、査定担当者の知識や、買取店によって、査定額が特にばらつきやすい傾向があるため。そのため、後悔しないためには、「まあまあいい値段がついたな」と思っても相見積もりをするようにしましょう。
店舗買取や宅配買取で相見積もりをするのは、持ち運びや梱包・配送にかなり手間がかかります。手間のかからない出張買取を利用し、自宅にいながら相見積もりを取りましょう。ただし、信頼できる業者に依頼してください。出張費用やキャンセル料などが無料の大手買取業者がおすすめです。業者がキャンセル料無料を押し出している以上、遠慮する必要はありません。わざわざ来てもらったのに断りにくいと感じる可能性がある人は、1人ではなく2人以上で査定を受けると安心できます。
付属品をそろえておく
査定で見られるのは、古銭そのものだけではありません。古銭に付属品も査定に大きく影響を及ぼします。
- 共箱(ともばこ)
- 外箱
- 内袋
- 説明書
- 保証書
- 鑑定書
特に古銭の付属品で重要になるのが、鑑定書です。また、外箱や書付箱など付属している箱がある場合はすべて提示しましょう。鑑定書や箱がある事で、古銭の価値が保証され、買取価格が高くなります。特に近代の記念硬貨など貨幣セット(ミントセット)は、箱や台紙が重要になります。
その他、内袋や包み紙、布なども付属している場合、提出してください。
古銭の価値や状態をある程度把握する
査定員と同等に見極めることは困難でも、骨董の価値や状態をある程度把握することは重要です。わかるものだけでいいので一度確認してみましょう。
- 箱や古銭自体に貨幣名が書いていないか
- どのような経緯でその古銭を保有するようになったのか
- 鑑定書などはないか
- ヒビ・欠け
- 色褪せ
- カビ
- 金継ぎなどの修復跡
保存状態を良く保つ
普段からの保管方法に気を付ける事で、状態が悪くなることを防げます。今すぐ売る人向きではありませんが、古銭はどんどん状態が悪化するので、少しでも良い状態を保っておくことが大切です。
- 触れる時は手袋を使用する
- 空気や水分に触れさせない
- ペーパーフォルダやスラブケースなど専用のケースやホルダーを使用する
詳しくは次の記事でご紹介しています。
ホコリや汚れがあっても無理な手入れはしない
蔵にしまいっぱなしだった古銭や、遺品整理で十数年ぶりに発見された古銭などは、ホコリをかぶっていたり汚れていたりすることが多いです。
できるだけきれいな状態の方が査定員の印象は良くなるかもしれませんが、無理な手入れをしてはいけません。鑑定士はすぐ取れるホコリなのかこびりついた汚れなのか判断できます。
ゴシゴシ磨いたり、洗剤やクリーナーを使ったりする手入れは絶対に避けてください。軽く払って落とせる程度のホコリや砂を取り除くだけで十分です。
古銭の場合は特に手入れによって、製造当初の状態からかけ離れてしまい、コレクターが好む歴史的価値や時代を感じる風合いを失うことがあるため注意しましょう。
できるだけ早く売る
「売ろうかな…」そう思った時が高く売るためのベストタイミングです。
現在古銭はコレクターが減り、価値が年々下落傾向にあると言われています。手元にある古銭はなるべく早く売却して現金に換えてしまうことがおすすめです。価値基準は時代によって異なり、現在評価されているものでも数年後にはどうなっているかわからないのも抑えておきたいポイントです。
また時間が経てば経つほど古銭の劣化が進み、価値が下がっていく可能性が高まります。古銭は現時点でもすでに長い年月が経過しており、ちょっとした衝撃や気温の変化などで壊れたり傷んだりしやすいです。
今どんな古銭が高値で取引されているかといったトレンドを狙う方法もありますが、普段から古銭に触れていない素人にはおすすめできません。見極めるのが難しい上に時間もかかります。古銭に詳しくない人は、やはり今すぐ売るのがおすすめです。
今後飾ったり使ったりする機会がないなと思ったら、すぐにまずは査定だけでも出してみましょう。
いくつかまとめて売る
古銭1点よりも複数点あればより高く売れる場合があります。遺品整理などで思わぬ古銭が出てきたら、その周辺に他の古銭がないか確認してみましょう。
特に、古銭・記念硬貨・紙幣といったように、同じジャンルでまとめて査定に出すと高値が見込めます。
また、旧紙幣でぞろ目や連番、印刷ミス等があるものは高く売れるので、まとめて売る事によって額面以上の査定が期待できるでしょう。
古銭は出張買取がおすすめ
古銭の買取形式
買取形式には出張・宅配・店舗の3種類ありますが、古銭には出張買取がおすすめです。宅配買取には注意してください。
それぞれの買取形式の特徴は下記の通り。
出張買取 | 査定員が自宅を訪問して、査定と買取を行う形式。基本的に無料だが、出張エリアが限定されている場合もある。 |
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宅配買取 | 業者に宅配で古銭を送り、査定と買取を行う形式。手軽で楽だが、配送リスクや査定の様子が見えない。 |
店舗買取 | 自分で店舗に古銭を持ち込み、査定と買取を行う形式。複数の古銭は持ち運ぶのに労力がかかる。 |
宅配買取には注意
法令により記念硬貨や現行通貨などの「現金」に該当するものは宅配での買取はできません。それ以外の古銭・海外貨幣は受付可能としているところもあるものの、業者によります。もちろん、業者に問い合わせた上で宅配買取をしてもらう事は何ら問題はありませんが、自身で判断できない場合は、基本的には避けたほうが良いでしょう。出張買取および持ち込み買取を利用する方が無難です。
出張買取がおすすめな理由
出張買取は査定員が自宅まで来てくれるので、重たい古銭を持ち運ぶ必要がありません。また、古銭は特に貨幣的な価値があるものもあるので、持ち歩く事に不安を感じる方もいるでしょう。
出張買取は自分で持ち運ぶ必要がなく、買取後の回収も鑑定士が行うので安心です。
メリット | デメリット | |
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出張買取 | 持ち運びや梱包の手間がかからない | 出張対応エリアが限られていることもある |
宅配買取 | 自分のペースで利用できる | ・運搬中に破損するリスクがある ・査定の様子がわからない |
店舗買取 | 目の前で査定、即現金が受け取れる | 複数の古銭は重たく、持ち込むのが大変 |
出張買取で相見積もりを取ろう
自宅で査定から買取成立まですべて完結する出張買取。
便利で楽な出張買取を複数の業者で利用しましょう。複数業者で査定を依頼する「相見積もり」をすれば、より高く、より適切な価格で売ることができます。
古銭を高く売るための買取業者選び
業者選びは、利用のしやすさと査定の信頼性の2軸で選ぶことがポイント。査定料や出張料が無料であることや、古銭の実績が多い業者かどうかをチェックしましょう。
古銭の売却査定でなるべく高値を出すために重要となるのは、査定人の方の査定力(目利き)と、業者の販路(売却した品物を販売する能力)です。順番にご説明していきます。
鑑定力の高い・実績の多い業者を選ぶ
例えば不用品回収をおねがいした業者に「値打ちのあるものがあるか見てくださいませんか」というような形でお願いしてしまうと、業者が価値を理解せずに安値の査定価格になってしまい、損をしてしまう可能性があります。古銭としての価値があるかどうかは、古銭の査定士でなければわからないため、信頼できる業者に任せるようにしましょう。
前提として、骨董品の買取業者であっても、特に古銭に精通した査定士が必須となります。従って、リサイクルショップや不要品回収業者にそのまま買取してもらうのはNG。古銭の専門店や、買取専門業者であれば、ある程度の査定力は期待できます。しかし、もちろんその中でも査定人によって違いがあります。
実績(年間査定件数や、年数、写真付きの買取価格など)は一つの客観的な指標になるため、WEBサイトなどをよく見て、なるべく比較して選ぶようにしましょう。
買取と販売の両方行っている業者
買取のみの業者と、買取と販売の両方を行っている業者の2つがあります。買取のみの業者だと、買取後に販売業者に売ることになるので、仲介手数料が差し引かれている可能性があります。
一方で、買取と販売の両方行っている業者ならば自社内で販売まで完結するので、仲介手数料の心配はありません。
販売経路が多い業者
販売経路をたくさん持っている業者ほど、買い取った古銭を高く売れる可能性が高いので、高値で買い取ってくれる傾向があります。国内に限らず海外にも販売経路を持っている業者だとより良いでしょう。
古銭は特に販売経路の確保が難しいとも言われています。それはブランド品とは違ってニーズが限られたコレクター向けアイテムだからです。外国の古銭やコインも含めると種類も膨大になるので、適切な販売経路を持っているかどうかがカギになります。
業者がどのくらいの販売経路を持っているかの判断はやや難しいので、複数業者に査定を依頼する相見積もりで比較しましょう。
資金力が高い業者
ある程度の資金力がないと、高価な古銭の買取ができません。数万円〜数十万円ならば特に問題ありませんが、百万円を越えてくると業者の資金力が影響してきます。資金力が十分でない業者は、高額な価値の古銭を低く見積もる傾向があります。
ただ、業者の資金力を見極める方法はなかなかありません。したがって、複数業者に査定を依頼する相見積もりで、より高値を付けた業者で売るのがベストです。
学芸員や学者に紹介してもらった業者
美術館の学芸員や学者の先生に知り合いがいる場合は、信頼できる業者を紹介してもらうと安心です。学芸員や学者のもとには、確かな鑑定力を持つ業者や鑑定士がいる可能性があります。
まとめ:コツを押さえて古銭をできるだけ高く売ろう
この記事で紹介したコツは、知っているか知らないかで価格に大きく影響するポイントです。
一番安心で手間のかからない出張買取を利用し、複数業者に査定依頼する相見積もりを取れば、できるだけ高く売ることができます。
古銭買取のコツを押さえて、古銭をできるだけ高く売りましょう。