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骨董品の買取

古銭はどのように保存すればいい?コインと紙幣それぞれの方法をまとめます!

最近では古銭も投資の対象になっているので、新しく古銭を買ったという方もいるでしょう。また、遺品整理で古銭を受け継いだものの、ひとまずしまっておくという方もいるのではないでしょうか。

今回はそんな方向けに、古銭の保存方法について詳しくご説明します。コレクションする方だけでなく、いずれ買取に出そうと思っている方にとっても、保存の仕方を知っていることは重要となります。

紙幣とコインに分けて、ご紹介していきます。

画像参照:泰星コイン株式会社 公式サイトより


古銭の劣化とは

そもそも、なぜ古銭をそのまま空き缶や箱等に入れておいてはいけないのでしょうか?

それはそのままだと様々な要因で劣化してしまうからです。コインと紙幣、それぞれどんな劣化をするか見ていきましょう。

コインは酸化したり、サビたりする

コインであれば金や銀、銅など金属製のため、長期間空気に晒されていると酸化してしまいます。他にも、指で触れた際についた皮脂が原因で腐食し(サビ)てしまったり、直射日光や湿気で日焼け・変色してしまったりもします。他のコインと同じ場所に入れていると、コイン同士が擦れて傷がつく事もあります。

紙幣はシワシワになったり、カビたりする

紙幣も、コイン同様に紫外線や湿気で日焼け・変色したり、皮脂が原因でカビが生えて黄ばんだりします。また、紙であるゆえに、シワシワになってしまったり、うっかり破ってしまったり、折り目をつけてしまったりする事もあります。虫に食べられる可能性もあるので、気を付けたいところです。

発行当時の状態に近いほど価値が高い

劣化してしまうと、コレクション・買取のどちらにしても価値が下がってしまいます。古いのも味があってよいですが、買取の際には、出来る限り古銭の発行当時の状態に近いものが評価されます。コレクターの方にとっても、それなりに古い古銭が綺麗な状態で手に入ったら喜ぶはずです。

なので、いまの古銭から状態を落とさずに保管する事が大事になってくるのです。

汚れがあればどうする?

では、もし所有した際に汚れが既にあったり、自分が原因で汚れが付いてしまったりしたとき、汚れを落とすことは良いのでしょうか?

クリーニングするのはNG!

その答えは、NGです。10円玉をクエン酸でピッカピカに磨く手法は有名ですね。しかし、古銭に関してはクリーニングする事が価値を下げる事に繋がります。なぜなら、クリーニングはありのままの古銭の手を加えていることになるからです。

というのも、先程は綺麗な状態で手に入ると嬉しいという話をしましたが、それはあくまで出来ればの話で、古銭コレクターの間では「汚れも価値である」という考え方があるからです。錆や多少の汚れも含めて、その古銭が辿ってきた歴史を感じ、思いを馳せるのです。また買取業者も、クリーニングする(=綺麗にするために削る)と、「手が加えられ、本来の発行当時の状態からかけ離れている」と判断するので、気を付けてください。

近代金貨ではそもそも違法行為にあたる

補足ですが、金貨は簡単にクリーニングできるものではありません。金は王水でしか溶けない金属なので、一般人には加工が難しいです。それでも無理にクリーニングすると、金貨とのグレードが下がり、価格に影響を及ぼす事があります。

そもそもですが、近代硬貨に関しては、表面を削ること自体が実は違法行為となります。日常生活の遊び心で、10円玉の表面を綺麗にしたいという程度なら問題ないでしょうが、十分に注意しましょう。

自分で眺めるだけで絶対に買取に出すことがないという場合以外は、古銭はクリーニングせず、そのまま保存しましょう。

コインの保存方法

コインの保存方法にはいくつか方法があります。それぞれに一長一短がありますので、参考の上、ご自身に最も適した保管方法を選んでください。

まず最初に、保存の際のポイントを載せておきます。

特に完全密封で保管する事は何よりも大事です。金属製のコインにとっては、酸素や水分は天敵なので、触れさせないようにしてください。

保存方法の特徴まとめ

コインカプセル 密封性が高く、一枚ずつ保管できるので、擦れによる傷の心配もない。厚みがある事と、コストが掛かることがデメリット。
ペーパーフォルダ 安価で、一枚ずつ整理するのに向いている。カプセルに比べ密封性が劣るので、アルバムとの併用がおすすめ。
コイン用アルバム コレクション向きで、整理がとてもしやすい。密封性は低いので、他の手法と併用するのが望ましい。
クリップシーラー 密封性が最も高い。一枚ずつの密封は少し難しいか。複数で密封する場合は、コイン同士の擦れに注意。
ジップロック 最も安価な方法。密封性は比較的高め。ジップの部分が余分になるので、一枚ずつ整理するには不向き。

それでは保存方法を順番に、詳しく見ていきましょう。

コインカプセル

コインカプセルは、アクリル素材でできたコイン専用のクリアケースです。円形・正方形・スラブ形など形も様々あります。

メリットは、1枚ずつしっかりと外気を遮断し、密封できることです。また、耐久性も高く、落下などから守ってくれます。

一方で、大量にコインがある場合はたくさん用意しなければならないので、コストがかかります。また、一定のサイズしかないので、大きさや厚さが合わないものだと、破損する可能性がある点がデメリットです。

ペーパーフォルダ

ペーパーフォルダは、紙とフィルムで出来た保管用の台紙です。コインのある場所はフィルムで、その周りの部分が紙で出来ています。

カプセルに比べて、薄く、安価です。また、紙部分に情報が書き込めるのも良い点です。

デメリットは、やはりカプセルよりも密閉性が劣る点です。次にご紹介するアルバムと併用する事で、少し密閉性を上げることが出来ます。

コイン用アルバム

収納枚数が多い方におすすめなのが、コイン用のアルバム。専用の台紙にコインをはさみ、ファイルにまとめて収納できます。

メリットは、コインが大量にあっても差替えや追加が容易で、管理しやすい事です。またサイズが豊富なので、ご自身の容量に合わせて選ぶ事が出来るのも良い点です。

アルバム単体では密閉性はほとんどありませんが、薄いペーパーフォルダと併用する事でそのデメリットを補う事が出来ます。かさばってしまいますが、アルバムによってはカプセルを入れるのも良いでしょう。

クリップシーラー

完全に密封する事を考えるのなら、クリップシーラーが最も優れています。これは袋の口を熱で溶着し、密封状態にする機械です。本来は食品などの保存に使うものではありますが、完全保管には非常に役立つでしょう。ホームセンターなどで3000円~5000円程度で購入することができます。

これだけで酸化から、虫・ほこりなどの侵入まで防げます。

デメリットは、完全に封じてしまうため、コレクションとして扱うためには工夫が必要になる点です。またクリップシーラーと袋の大きさの関係で、コイン1枚一枚を密封するのは少し難しいかもしれません。複数をまとめて保管する用と考えた方が良いでしょう。その際、コイン同士の擦れには注意です。

ジップロック

密封もでき、手軽なのは、ジップ付きの袋に保管する事です。メリットは、空気や湿気を手軽にシャットアウトできる事や、コストがほとんどかからない事が挙げられます。

デメリットは、ジップの袋は透明なので、保管場所によっては紫外線の影響を受けてしまう可能性がある事です。サイズは様々売られているものの、コイン1枚にとっては少し大きく、ジップ部分などの余分が気になるかもしれません。厚さも少し心許ないです。

また整理しておくためにはあまり適していません。整理をしようとすると、1つ1つのジップに入れた後に、さらに種類別に分別したり、それらを更にまとめておく外袋や箱等が必要になるので、少し面倒です。きちんと価値があるものとして整理して保存しておくならば、やはりアルバム等の方が良いでしょう。

紙幣の保存方法

紙幣はコインよりもかさ張らないものの、一枚ずつが大きい事が特徴です。紙幣の保存方法にもそれぞれの方法に、一長一短がありますので、ご自身に最も適した保管方法を選んでください。

まず最初に、ポイントをご紹介します。

コインと同様、完全密封出来ればベストですが、それよりも風通しがよく、日光の当たらない保管場所を選んだり、折れやシワができないように気を付けたりする方が大切です。湿気を

保存方法の特徴まとめ

紙幣用ケース 少量のコレクションに向いている。完全密封ではないので、更に日光や温湿度、等にも注意し保管場所を決める必要がある。
紙幣用アルバム コレクション向きで、整理がとてもしやすい。ケース同様、完全密封ではないので、更に日光や温湿度、等にも注意し保管場所を決める必要がある。
クリップシーラー 保管向きで、大量の場合でも可。日光が当たらない場所に置いておけば、保存方法としては最も安心。
ジップロック 少量の保管向き。最も安価な方法。一枚ずつは薄いものの、整理しにくいので、逆にかさばる可能性がある。日光には注意。

それでは紙幣についても、順番に詳しく見ていきましょう。

紙幣用ケース

紙幣用ケースは、プラスチック素材でできた紙幣専用のケースです。後述のジップロックと似ていますが、ジップロックよりも厚みがあり、サイズもぴったりなので安心感があります。紙幣を入れると静電気でホールドされるような商品もあります。

メリットは1枚ずつ紙幣を収納するので、少ない枚数の保存に適している事です。また素材が柔らかいのでお札が折れにくい事や、価格が安い事、少量の贈答や交換する際に便利な事も利点と言えます。

一方で、大量に紙幣がある場合はたくさん用意しなければならないので向いていません。たくさんある場合は、次にご紹介するアルバムの方が適しています。また、完全に密封出来ているわけではない事には注意です。

紙幣アルバム

収納枚数が多い方に、おすすめなのが、紙幣アルバム。専用の台紙に紙幣をはさみ、ファイルにまとめて収納できます。

メリットは、紙幣の折れや破れを防げたり、ページの差替えや追加ができるので管理しやすかったりする事です。またサイズが豊富なので、ご自身の容量に合わせて選ぶ事が出来るのも良い点です。

アルバム型なので、紙幣用ケースよりは高価になってしまう事がデメリットです。ケース同様、完全に密封出来ているわけではない事には注意です。

クリップシーラー

コイン同様、完全に密封する事を考えるのなら、クリップシーラーがおすすめです。袋の口を熱で溶着し、密封状態にする機械です。本来は食品などの保存に使うものではありますが、完全保管には非常に役立つでしょう。

これだけで酸化から、虫・ほこりなどの侵入まで防げるグッズです。

デメリットは、完全に封じてしまうため、コレクションとして扱うには工夫が必要になる点です。完全に保管用と考えた方が良いでしょう。

ジップロック

手軽に身近にあるもので対処するなら、密封もできるジップ付きの袋に保管するのが良いでしょう。空気や湿気を手軽にシャットアウトできる事、紙幣を1つ1つ保管できる事、コストがほとんどかからない事、等がメリットとして挙げられます。

デメリットは、ジップの袋は透明なので、保管場所によっては紫外線の影響を受けてしまう可能性がある事です。サイズも様々売られているものの、ぴったりとまではいかない可能性もあり、厚さも少し心許ないです。

またコイン同様、整理しておくためにはあまり適していません。整理をしようとすると、1つ1つのジップに入れた後に、さらに種類別に分別したり、それらを更にまとめておく外袋や箱等が必要になるので、少し面倒です。きちんと価値があるものとして整理して保存しておくならば、やはりアルバム等の方が良いでしょう。

紙幣は空気に当てた方が良い?

密封して保存をした方が良いと、ここまではお伝えしてきましたが、実は紙幣の保存方法については、密封しない方がよいという意見と、密封した方がよいという意見があります。

密封しない方がよいという意見は、紙幣は紙なので空気にあてて「呼吸」させた方がよいという考えに基づいたものです。その場合は、紙幣を和紙で包む方法があります。これは古来から採られてきた手法で、和紙が吸湿の役割を担うため、紙幣が空気に晒されていても、きちんと保存されるというものです。確かにこの方法で昔の紙幣が今に保存されてきている事を考えれば、その有効性は示されています。

しかし、技術はどんどん進んでおり、環境もどんどん変わっています。きちんとした場所の空気で「呼吸」をさせる事で、現状維持はできるかもしれません。しかし、今より良くなることはないはずです。完全密封保存であれば、多少場所が紙幣にとって相応しくなかったとしても、現在の状態のまま保存できます。発行時が一番新しく、時間が経てば経つほど劣化していく事を考えると、手元にある紙幣は今現在が最も状態が良いはずなので、この記事では密封の手法をおすすめしています。吸湿剤として和紙に包んでから、完全密封するのもいいかもしれませんね。

保存の際の注意点

作業前後に気を付ける事

いくら完全密封をしようと、湿気をたくさん含んだ空気と一緒に保存したり、濡れ・汚れのある手で触った後に保存したりしていれば本末転倒です。保存前には細心の注意を払い、風通しの良い場所で、手袋をはめて乾いた布で拭くなどの工夫をしましょう。

脱酸素剤や乾燥剤、カビ・サビ防止剤と一緒に保存する、真空で保存する、といった工夫も有用です。

保存作業後には、完全密封の有無に関わらず、古銭にとって出来るだけ望ましい環境(コインは冷暗所で湿気の少ない場所、紙幣は風通しの良い場所)などに置いておきましょう。

アルバムや専用ケースは万能ではない?!

長期保存の観点では、100均のジップロックやケースよりも、コイン専門店が売っているような専用ケースやアルバムの方が安心なのは間違いがないです。しかし、コレクターの方の間では、これら専用グッズにも問題があるという評価があります。

例えば、「素材に塩化ビニルをつかっているものは、可塑剤の塩素の影響があるため、長期保存には向いていない」「アルバムの紙が酸性紙なので、これが錆に繋がってショックだった」「久しぶりにアルバムを開いたら、台紙とホルダー部分のプラスチックの間のセロハンが剥がれ、保存していたコインが大量に床に落ちた」といった声があります。

長期間保存する事で、思いもよらぬところに落とし穴があるようです。コレクターの間でも物議があるようなので、保存は思ったよりも難しい問題なのかもしれません。こちらでご紹介している方法はあくまで一般論なので、より完璧な保存方法が知りたい方は、コインショップの専門家にご相談されることをおすすめします。

まとめ

この記事ではコインと紙幣、別々に保管方法についてまとめました。コインは金属なのでサビやすく、密閉性が大切で、紙幣は紙であるため、折れやシワに注意する必要があります。

整理のためにはアルバムが適しているのは共通しているものの、コインと紙幣とでは大きさも異なっているので、よりそれぞれに適した方法があります。お手元の古銭の量によっても保存方法は変わります。

ご自身の状況や予算に応じて、保存方法を工夫してみてください。