着付け教室とは
お茶やお花を習っている方なら普段から着物を着る機会が多いかもしれませんが、そうではない場合、いつも洋服を着て過ごすことが多いため着物を着る習慣がほとんどありません。
しかし、何かがきっかけとなって着物に関心や興味を持ち、自分で着れるようになりたい、着付け師として働いてみたいと思う方は少なくないようです。そんなとき頼りになるのが着付け教室です。着物の着付けを一から習うことができますし、着物の知識も学ぶことができます。
着物は洋服のように簡単に着れるものではありませんし、着崩れしないための知識も必要です。季節に応じて適した着物もあります。そのような知識を学べるのが着付け教室です。
着物に関する知識がまったくない方向けのコースや、着付け師として働くための知識を学びたいかた向けのコースなど様々なコースがあります。また、着付け教室に通う生徒たちが着物を着て食事をする会を設けたり、着物を着て出かけるなどの機会もあり、着物を着る以外の楽しみも用意されています。
知名度も実績もある有名な着物教室では、着物のファッションショーを開催しています。
着付け教室の種類
着付け教室と言っても様々なタイプがあります。着物教室の選び方として、どんなタイプが自分に合っているか、それぞれ特徴を抑えておきましょう。
公民館などの着付け教室
各地域で公民館などを利用して定期的に開催される着付け教室があります。行政などが主催する着付け教室で、気軽に参加できるのが特徴的です。全くの初心者で着物教室の選び方に迷ったら、気軽に通える着付け教室を選択するのもひとつの手段です。
個人経営の着付け教室
個人が経営する着付け教室も存在します。個人経営ですので、生徒は少人数で学ぶことができます。大手との違いは、習う側の生徒の好みによって学ぶことができる点でしょう。
例えば、基本的な着付けはできるので帯の結び方だけを教わりたいとか、仕事と並行して習いたいので時間をかけてのんびり習いたいなど、生徒の希望やライフスタイルに合わせて習うことができる特徴を持っています。
チェーン店の着付け教室
日本各地に文部科学大臣認可のチェーンスクールが存在します。
都・村上裕子きもの教室
東京都港区にある「都・村上裕子きもの教室」は、着物の文化を最先端から配信し続けています。着物のファッションショーを開催したり、着付け教室以外にも着物のレンタルや、和風のドレスや小物の販売も行っています。
プロコースは初級、中級、上級が用意されていて、それぞれ資格取得が可能です。初級では着物を着て女子会に参加するような手軽さが学べます。中級では招かれた披露宴に自分で着物を着つけて参列できるように着物の絶妙なバランスを作れるようになります。上級では、誰かに着物を着せることができる知識や技術を学べます。
いち瑠
いち瑠は、一般財団法人・日本和装協会認定学校のひとつです。着付け教室に必要な着物は一式すべて無料でレンタルできるので、着付けを習うために着物を用意する必要がありません。
また、1クラス5人制で学べるのも特徴のひとつで、授業の振り替えや夜間受付も行っているので、自分のライフスタイルに合わせて通うことができます。
1day和ライフ講座は、一日完結型で学ぶことができます。ある程度着物に関する知識がある方は、こちらを選んでみてはいかがでしょうか。そのほか、着物の基本を学ぶことができる初心者コースもあります。
ハクビ
老舗の着物教室として、安定した技術で指導しています。初心者の方でも手軽に始められるレッスンがいくつも用意されています。月額9,000円で通うことができる「ぷらっとパスポート」をはじめ、短期集中レッスンは気軽に学べますし、着付け2回レッスンはお得です。リバイバルレッスンは着付けを忘れてしまった方向けの復習レッスンです。
着付けの資格取得を目指したい方向けにエクセレント6ヶ月パック、エクセレント1年パックが用意されています。
長沼静きもの学院
着付けの技術だけでなく、着物を作った作家の思いもくみとったレッスンを展開しています。和の心を大事にしたレッスンは、歴史ある着物が今を生きる女性たちにとって身近になるようなレッスンシステムを導入しています。
着物をお持ちでなくとも手ぶらで受講できる体験レッスンがありますし、着付け師として働きたい方に向けて無料着付け師相談会もあります。短期間で着付けができるようになりたい方へ、3日間きもの入門講座も用意されてます。
呉服店が経営する着付け教室
呉服屋による着付け教室も人気で、知名度や実績がしっかりしているところが多い傾向にあります。
文化学苑(さが美)
和装離れと言われて久しいですが、いま女性たちを中心に着物に対する関心が高まっています。さが美の着付けを通してこれまで知らなかった自分を発見できることでしょう。
着付けの基礎はもちろんのこと、高度な技術を習得できるのも、さが美の着付け教室の特徴です。気軽に楽しみたい方に「はじめてのきもの着付けコース」、基礎を学びながら資格取得を目指したい方に「本科着付けコース」、師範認定取得を目指す方に「着付け師コース」が用意されています。
きものやまと
きもののやまとでは、きもの着付け4回コース、きもの着付け1回体験コースのほか、ゆかたレッスンや帯結びレッスンが用意されています。着物に比べて浴衣は着やすいイメージがありますが、基礎を抑えておかなければ見た目がだらしなくなるだけでなく、着崩れの恐れもあります。夏になったら浴衣を着てお祭りなどに出かけてみたいとお考えなら、きもののやまとのゆかたレッスンを受講してみてはいかがでしょうか。
着付け教室にかかる料金はいくらぐらい?
無料教室と有料教室の違い
着付け教室には無料教室と有料教室のどちらも用意しているところがあります。その教室によって内容は多少違うものの、無料教室の多くは手ぶらで受講できます。手元に着物がなくても着物教室でレンタルしている着物を借りることができるので、どなたでも気軽に受講を申し込めます。着物教室の選び方に迷ったなら、無料教室を受講して、その教室の雰囲気や先生との相性なども確かめてみてはいかがでしょうか。
有料コースも教室によって内容に違いがありますが、その多くは時間制になっていて、回を追うごとに基礎だけでなく着付けもしっかり学ぶことができます。有料コースをすべて完了すれば一人で着付けができるようになりますし、上級者向けコースなら誰かに着物を着つける術も身に着けることができます。
無料着付け教室のメリットとデメリット
無料着付け教室のメリットは、無料で着物の着付けを学べることです。その多くがレンタルの着物で受講できるので、受講前に用意するものはなにもありません。
無料着付け教室のデメリットは、その教室によって有料着付けコースに勧誘されるケースがあることです。無料着付け教室を導入しているところがすべてそうではないものの、無料コースが終わったら有料コースへ誘われる可能性があることを念頭に置いておくといいでしょう。もちろん、受講する意思がなければ断ってもだいじょうぶです。
着付け教室は目的で選ぼう
自分で着物を着れるようになりたい方
成人式や特別な日ではなくとも、着物を着て街を歩いてみたいと考える女性が増えてきました。しかし、その都度着付けをしてもらっていたのでは時間も手間もかかります。洋服も楽だけど着物をもっと身近に感じたい、そんな方に着付け教室はピッタリです。
着物を着る機会を増やして着物友達を増やしたい方
SNSの普及により、とくにInstagramではお気に入りの写真を載せて交流を深める人が増えてきました。その中で、今の時代だからこそあえて着物を着るという女性が増えています。
SNSで交流を持つだけでなく、もっと身近に着物友達がほしい、着物に関心はあるけれど周りに着物に関心がある友達がいない、そんなときは着物教室に通うといいでしょう。着物教室は着物に関心を持つ人が集まるところですから、同じ趣味を持つ人同士で親しくなることができます。
娘に着物を着付けしてあげたいお母さん
娘の七五三や成人式などで着物の着付けを自分でしてあげたいと考えるお母さんは少なくありません。娘の晴れ姿をお母さん自身で作り上げたらお母さんも嬉しいでしょうし、着付けをしてもらう娘さんも嬉しいはずです。
着物教室では自分で着物を着る以外にも、着付け師として必要な技術も学ぶことができます。
着付け師や着物の講師として働きたい方
着物教室に通っていると、自分も着付け師になりたいと思うようになる方も多いようです。着物教室は着付け以外にも着付け師として働くために必要な知識や技術も習得できます。手に職をつけることに憧れを持つ女性は多く、着付け師のほかに着物のアドバイザーとしての資格も習得できる教室があります。
着付け教室を選ぶとき注意したいこと
着付けを習うだけだったのにこんなはずではなかった、と後悔しないためにも受講する前に気受け教室の選び方のひとつとして注意点を確認しておきましょう。
着物の押し売りに要注意
すべての着物教室に該当する話ではありませんのでご安心ください。着物教室の中には、無料レッスンを受講したあとに有料レッスンへ勧誘してくるところもありますが、着物の押し売りをしてくるところもあるので注意が必要です。
手元に着物が一着もなければ、せめてお出かけ用に一着持っていた方がいいとアドバイスされることはあるかもしれません。
ところが、中には強引に着物を売りつけようとする教室もあるようです。これらの評判は瞬く間に広がりますし、口コミなどにも体験談がありますので、着付け教室の選び方として着物の押し売りに関して良い評判がないところは避けたほうがいいでしょう。