実際に骨董品買取業者にインタビュー。骨董品の買取のコツとは？

今回、福円堂の福王様にお時間をいただき、直接お話をお伺いさせていただきました。

どのような品物を取り扱われていらっしゃいますか？

弊社は、絵画、掛け軸、陶磁器、茶道具などいわゆる骨董品と言われるジャンルをメインで買取しておりますが、それ以外にも、カセットウォークマン、AV機器、あとはレコード、家具などの買取を幅広く行っています。

そのため、遺品整理などのタイミングで、「何が価値があるものなのかわからない」という状態でも、買取の対象となる品物が見つかることも多いため、まずはお問い合わせいただき、状況をお伺いさせていただくのが良いかと思います。

どのようなきっかけで査定を申し込まれることが多いですか？

きっかけは皆様バラバラで人それぞれなのですが、最も多いのは、ご親族のどなたかが亡くなられた際の遺品整理、という文脈でのお問い合わせになります。次に多いのは、断捨離・生前整理といった形でのお問い合わせですね。

品物の特性として、古くから受け継がれている物も多いため、そのようなタイミングでのご依頼が多くなっています。

骨董品の中では、どういうものが査定金額がつきやすいでしょうか？

弊社ですと、絵画、掛け軸、陶磁器、茶道具などが比較的査定が高くなりやすいです。

逆に、例えば「着物だけ」だったりしますと、やっぱりそれ自体の単価は低いので、査定金額は大きくなりにくくなります。

ただ、お問い合わせいただくきっかけとなった品物以外にも価値があるケースもあるので、ご自分で価値がないと思い込まれるのはもったいないので、注意いただければと思います。

骨董品は売るタイミングが難しいと感じるのですが、最適なタイミングはあるのでしょうか？

そうですね。

骨董品は、金などの価格相場と違って、価格の移り変わりが一般のお客様には非常にわかりにくいため、ベストな売るタイミングのご判断は、実際難しいと思います。

「テレビとかでこのジャンルが最近買取が話題」という特集がされる時もありますが、そういう情報も一つ売るきっかけとしては良いかもしれませんね。

ただ、テレビで特集が組まれているかと言っても、作家様によっても評価が全然変わってくるので、このジャンルが話題だからといって高く売れるタイミングではないこともあります。そちらはご留意いただく必要があります。

なるほど。それでは、骨董品の価格というものはどういう仕組みで決まるものなのでしょうか？

そうですね。各販売店の販売金額や百貨店などの催事、国内外のオークションや骨董業者のみが参加できるクローズドな市場などの価格を参考にし、相場としています。

この相場をもとにお持ちの作品のモチーフや状態によって買取金額の判断を行っています。

作家物以外は高値がつくことはないのでしょうか？

必ずしも、そういうわけではないです。

例えば絵画であれば、基本的には作家ものではないとお値段はつきづらいですが、陶磁器や茶道具、掛け軸であれば、作家がわからなかったとしても古さと内容、状態の良さ、種類によって価値がつくことは十分あります。

例えば、仏画と呼ばれる仏教関係の掛軸は作者がわからなかったとしても古さや来歴（〇〇の寺に保管されていた・〇〇が所持していた）などの評価で高額になる場合もあります。

付属品は買取価格に影響するのでしょうか？

基本的にはなくても査定が可能なので、安心していただければと思います。

掛け軸であれば、掛け軸自体に作家の名前が入ってたりしますし、陶器類やお茶道具とかで、特に何も付属品がなかったとしても、そのものに作家名が入ってることが多いので、判断することができます。

ただ、あった方がよいということは間違いがないです。

掛け軸、陶器類、茶道具などであれば、「箱」が一つ重要になっておりまして、箱の方に作品のタイトルと作家名が書いてあるんです。それがないとやっぱりちょっと査定額が下がるということがありますね。

例えば、茶道には主要な流派が3つあるのですが、各流派のトップの方が「これは良いものです」と箱に一筆書いてくれる場合があります。そういう物があったりすると少し値段が上がったりっていうのは実際によくあるため、やっぱり付属品も大事になってきます。

また、海外の物は箱が元々ない場合も多く、箱が付加価値にならない場合もありますし、また、鑑定書というものが付属している場合もあり、鑑定書の有無で買取りができない作品もあります。

査定の前にホコリをとったり、商品には手を加えないほうがいいのでしょうか？

そうですね。単純な汚れぐらいであればこちらで取れますので大丈夫ですし、ほこりを取るためにはたいてる時に商品が壊れてしまうということがあったりします。

そうしたきっかけで価値が下がってしまうことも多いので、そのまま見せていただくほうが良いかなと思いますね。

鑑定士の方が複数名いらっしゃっるそうですが、貴社の鑑定士の方の採用基準について教えて下さい

骨董品の鑑定士は、骨董品業界での経験に加えて、今の相場観を身に付けることが必要になります。

そのため、買取でも販売職でも、「骨董品業界での十分な経験」は必須で「品物の価値がわかる」人材を採用しているため、現場に出ている人間はそれぞれが品物の価値を判断できる人間となっています。

ここは、新人の方が査定に向かい、本部に写真を送って価値を判断する場合もある大手業者様とはちがう強みだと思います。

骨董品を査定依頼する際に注意するべきポイントは？

一番は個人で判断されないというところですね。

遺品整理会社に任せる、これは捨てるなどを個人で判断される前に、一度査定だけでも、弊社のような骨董品の専門家がいる会社に相談された方が資産としてはお金として残りやすいんじゃないかなと思います。

ご親族がお亡くなりになられたりすると、色々バタバタして忙しく、それどころじゃないと思いますが、49日過ぎられたタイミングでとか、少し期間を置いて、ゆっくりご相談されても良いのではないでしょうか。
誰かがお亡くなりになられた後、結構出費がかさむことが多かったり、書類上の手続きの依頼費用がかかったりもすると思いますが、それを少しでも相殺、もしくは若干のプラスにでもしていただければ、弊社としても嬉しく思いますね。