以前は気に入って使っていたけど、今は使わずにジュエリーボックスで眠ってしまっている宝石。
買取に出そうと考えたとき、一円でも高く売りたいと誰もが思います。
そこで、今回の記事では、買取時の査定額をUPさせるための宝石のお手入れ方法について、解説していきます。
宝石の手入れをしたらどうなる?
お手入れをすることで、査定時の印象が良くなり買取額がUPする可能性が高くなるからです。
そして、一番注意しなければいけないのは「それぞれの宝石に適したお手入れをすること」です。
また、お手入れしても落ちないくすみや汚れは無理に落とそうとしないのも大切なポイントになります。
間違った方法や強引なお手入れは、割れや変色につながってしまい売り物にならなくなってしまいます。
正しいお手入れで、買取額UPを目指しましょう。
宝石の王様!ダイヤモンド
宝石の王様ともいわれるダイヤモンドですが、ケアを行わないとだんだん輝きが失われ、曇ってきてしまいます。
ここでは、ダイヤモンドのお手入れと、保管の方法を見ていきましょう。
お手入れ方法
ダイヤモンドは以下のような特性を持っています。
- モース硬度:10
- 親油性が高い。皮脂でくすみやすい
- 静電気でほこりが付きやすい
- 超音波洗浄機でも洗える
モース硬度とは、ダイヤモンドの硬さを10として、それぞれの宝石の硬さを数字で表したものです。
地球上で一番硬い鉱物なので、扱いやすい宝石ですが、次のような手順で丁寧にお手入れを行いましょう。
ダイヤモンドのお手入れ方法は次の手順で行いましょう。
- ぬるま湯に中性洗剤を数滴溶かす
- 洗浄液にダイヤモンドを浸し、毛先の柔らかい歯ブラシで優しくこすり洗いする
- 肌に触れるダイヤモンドの裏側は特に入念に洗う
- 数回水を取り替えながら、真水で丁寧にすすぐ
- 柔らかい布で優しく水分を拭き取り乾かす
水ではなく、ぬるま湯を使うのは、汚れを取りやすくするためです。
ダイヤモンドのくすみが、皮脂が原因だった場合にはくすみが取れ、輝きが戻ります。
ダイヤモンドは、静電気でほこりが付きやすいので、洗浄後は、静電気防止布で優しく水分を拭き取りましょう。
上記の手入れをしてもくすみが取れない場合には、細かいキズが原因かもしれません。
家庭で取れない場合は、無理に処理せず、そのまま買い取りに出しましょう。
保管方法
硬度の高いダイヤモンドを他の宝石と一緒に保管するのはNGです。
宝石同士がぶつかると、他の宝石を傷つけてしまう恐れがあるからです。
また、ダイヤモンド同士が接触してしまうことでも、傷や削れが起きてしまいます。
保管の際は、宝石を別々に保管できる仕切りのあるジュエリーボックスに保管しましょう。
ダイヤモンド以外のお手入れ方法
ダイヤモンド以外のお手入れ方法を見ていきましょう。
エメラルド
- モース硬度:8
- ほとんどのエメラルドがオイル、樹脂で加工処理されている
- 熱、衝撃に弱い
- 超音波洗浄機はNG
ほぼすべてのエメラルドは、産出時、天然のひびや気泡があり、透明度を高めるために、そのひびにオイルや樹脂を詰めて処理されています。
熱を加えたり、超音波洗浄機にかけると内部のオイルや樹脂が流れ出てしまい、割れの原因になってしまうので、絶対にNGです。
エメラルドのお手入れは、以下の手順で行います。
- ぬるま湯に中性洗剤を数滴入れる
- こすらず、洗浄液の中で優しく振って汚れを落とす
- 何回か水ですすぐ
- 乾いた布で優しく拭き取り、自然乾燥させる
エメラルド自体の硬度は8と高めですが、ひびや気泡があるため衝撃に弱いので、やさしく扱いましょう。
サファイア
- モース硬度:9
- 衝撃に強い
- 熱に強く劣化しにくい
- 超音波洗浄機でも洗える
宝石の中でも比較的扱いやすいのが、サファイアの特徴です。
しかし、扱いやすいからといって雑に扱わず、丁寧にお手入れしましょう。
- ぬるま湯に中性洗剤を数滴溶かす
- 洗浄液にサファイアを浸し、毛先の柔らかい歯ブラシで優しくこすり洗いする
- 肌に触れる裏側の部分は入念に洗う
- 数回水を取り替えながら、真水で丁寧にすすぐ
- 柔らかい布で優しく水分を拭き取り乾かす
それでも落ちない場合には、中性洗剤を少量溶かしたぬるま湯に30分ほど付けておくことで、汚れが柔らかくなり落ちやすくなります。
ルビー
- モース硬度:9
- 熱や衝撃に強く扱いやすい
- 超音波洗浄機でも洗える
扱いやすい宝石ですが、グレードが低いルビーは衝撃で割れてしまうこともあります。
ルビーは次の手順でお手入れを行いましょう。
- ぬるま湯に中性洗剤を数滴溶かす
- 洗浄液にルビーを浸ける
- 毛先の柔らかい歯ブラシでやさしく洗う
- 肌に触れる裏側の部分は入念に洗う
- 数回水を取り替えながら、真水で丁寧にすすぐ
- 柔らかい布で優しく水分を拭き取り乾かす
それでも落ちない場合には、汚れに応じ洗浄液に30分~一晩浸けて取り出し、水洗いした後、キレイに拭き取りましょう。
パール(真珠)
- モース硬度:2.5
- 衝撃に弱い
- 油や熱、水に弱い
- 超音波洗浄機はNG
パールは、他の宝石と比べると非常に繊細な宝石です。
お手入れの基本は、柔らかい布で拭きとること。
パール磨き専用のパール・クリーニングクロスを使うのが理想的ですが、眼鏡拭きなどでも代用できます。
他の宝石のように、水の中で洗うのも絶対にNGです。
パールの加工穴から、内部に水が入り込むと真珠層が変化し輝きが失われてしまいます。
汚れが気になる場合には、固く絞った布で水拭きした後、乾いた布でやさしく、かつしっかりと水分を拭き取り乾燥させましょう。
貴金属のお手入れ方法
プラチナ、金、銀のアクセサリーはどのようにお手入れすれば良いのでしょうか?
プラチナ
- モース硬度:4.5
- 他の貴金属と比べて変色、変質しづらい
- 超音波洗浄機でも洗える
プラチナ自体の硬度は4.5と少し低めですが、一般的なプラチナのジュエリーは、強度を高めるため、他の金属が混ぜられています。
変色、変質の心配もないので安心なジュエリーです。
お手入れは次の方法で行いましょう。
- ぬるま湯に中性洗剤を数滴溶かす
- プラチナをしばらく浸す
- 細工の部分や裏側を柔らかいブラシで優しく磨く
- 数回水を取り替えながら、真水で丁寧にすすぐ
- 柔らかい布で優しく水分を拭き取り乾かす
プラチナ専用のクロスもありますが、眼鏡拭きなどでも代用できます。
プラチナに宝石が付いている場合には、宝石の特性に合わせたお手入れをしましょう。
金
K24 |
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K18 |
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K14 |
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K24は金の純度が100%で、変色することはありませんが、硬度が低いので、取り扱いには十分注意が必要です。
お手入れは、柔らかい布で拭くだけで、輝きが蘇ります。
純度が低い金は、他の金属が混ざっているため、硬度が高くなる代わりに、変色しやすくなります。
長年の使用でくすんでしまったものは、皮脂汚れが原因の場合が多いため、以下の方法でお手入れしましょう。
- ぬるま湯と中性洗剤を1:1の割合で溶かす
- 金を5分程浸しておく
- 洗浄液の中で軽く振ると汚れが落ちる
- 水で何回かすすぐ
- 柔らかい布で優しく水分を拭き取る
銀
- モース硬度:2.5~3
- ひっかき傷に弱い
- 黒ずみやすい
- 超音波洗浄機でも洗える
シルバー製のアクセサリーの黒ずみは、硫黄との化学反応が原因です。
指輪を付けたまま温泉に入ると、温泉の硫黄成分と反応し黒ずんでしまいます。
空気中にも硫黄の成分があり、長年付けていると黒ずみが起こります。
黒ずんでしまったシルバーアクセサリーは以下の方法でくすみを取り除きましょう。
- 耐熱容器の中にアルミホイルを敷く
- 重曹を入れ、熱湯を注ぐ
- シルバーアクセサリーを浸し、5~10分放置する
- 取り出して、水でよくすすぐ
- 柔らかい布で水分を拭き取る
こうすることで、銀の黒ずみがなくなり、キレイな状態に戻ります。
ただ、シルバーアクセサリーに宝石が付いている場合には、宝石の洗浄方法に合わせるか、プロのクリーニング業者にお願いしましょう。
まとめ
宝石を買取に出す前にお手入れを行いキレイにしておくことで、買取額がUPしやすくなります。
お手入れの方法は宝石ごとに異なるため、必ず特性に合わせたお手入れを行い、思い入れのある宝石を少しでも高く買い取ってもらいましょう。