骨董品の買取

骨董品・古美術品の買取における4つの注意点とは?高く売るコツとともに徹底解説

引っ越し準備や終活、あるいは遺品整理などをしていて、骨董品や古美術品が見つかることがあるでしょう。思いがけず出てきた品物に、いったいどう扱ってよいのやら、迷ってしまうこともあると思います。

その解決方法として、買取店に買取依頼を行うことも多いでしょう。今は多くの買取店が骨董品・古美術品の積極買取を実施しており、専門の鑑定士と豊富な買取実績を持ち合わせています。

とはいえ、骨董品・古美術品の買取は、単に店舗に品物を持っていけばよいというものではありません。そこには、押さえておくべき大事な注意点があります。

この記事では骨董品・古美術品の買取における注意点を4つにまとめ紹介します。骨董品・古美術品の買取を検討中の方は、これらの要点をしっかり押さえ、後悔のない買取を実現してください。

併せて、高く売るためのコツも徹底解説しますので、骨董品・古美術品を買取に出す前にチェックしておくとよいでしょう。

骨董品・古美術品に当てはまるものとは

そもそも骨董品・古美術品とは何なのでしょうか。なんとなくのイメージはできるけれど、具体的に何を指すのかはあまり知られていません。まずは何が骨董品・古美術品に当てはまるのかを、説明します。

骨董品のことをアンティークと呼ぶ場合がありますが、アンティーク(antique)には明確な定義があります。それは1934年にアメリカで制定された通商関税法で、「製造から100年以上経過した手工芸品・工芸品・美術品」を指しています。

しかし、日本の「骨董品」に関してはこのような明確な定義がありません。

製造されたのが数十年前でも骨董品と呼ばれることがあります。逆に言うと、対象が骨董品としての価値を持つかどうかは専門家でないと判断できないということです。

さらに「古美術品」に関しては、書画や陶磁器、彫刻など、骨董品の中でも美術的な価値のあるものを指しますが、素人がその範囲を明確に線引きするのは難しいですよね。

このように骨董品・古美術品の定義は、やはりあいまいなものです。その分、鑑定はプロの目利きに判断してもらわなければいけません。

骨董品・古美術品を買取に出す際の4つの注意点

ここでは骨董品・古美術品を買取に出す際の注意点を4つにまとめ、解説します。これらの項目を理解しておくことが、間違いのない骨董品買取につながりますので、よく理解しておいてください。

買取に出した後に後悔しないか考える

言うまでもなく、骨董品・古美術品を買取に出してしまうと、取り戻すことは困難です。必要なもの、買取に出してはいけないものは、事前にしっかり知っておく必要があります。

例えば家宝と呼ばれる骨董品。遺品整理をしていて骨董品・古美術品が出てきたら、まずは親族に確認し、その骨董品が家宝ではないか、買取に出して大丈夫か、確認しましょう。

また故人が遺言状などで、大切にとっておいてほしいという意志を残していないでしょうか。自分の判断だけで売却し、後でトラブルになるようなことはないでしょうか。そういった判断は慎重に行わなければいけません。

他にも、大切な思い出の品や、手放したら後悔するものなどは、事前にしっかり考えておくことが必要です。その場の判断で買取に出し、後で後悔することのないよう、注意してください。

遺品の場合は取り扱いを遺族と整理する

買取に出す骨董品・古美術品が遺品である場合、その取り扱いは遺族間で必ず共有しておいてください。

そもそも買取に出して大丈夫か。あとで、「売らないでほしかった」ということにならないか。まずは親族の意志を統一することが大切です。

また、事前に遺産分割協議を行っておくことも、忘れてはいけません。

買取をしてもらい、思わぬ高値が付いたりすると、その分配などがトラブルの原因になりかねません。事前に遺産分割協議をしておき、そのような状況にも冷静に対応できるよう、あらかじめ決めておくことです。

遺品整理で出てきた骨董品・古美術品を買取してもらうケースも多いと思いますが、お店に行く前に、しっかりとその取り扱いについて整理しておいてください。

税金がかかる場合があることを知っておく

また骨董品・古美術品の売却は、税金がかかる場合があるので注意しましょう。知らなかったでは済まされません。

買取店に骨董品・古美術品を売るのは「譲渡」になります。そして「買取業者に売却した1組または1点の骨董品が30万円を超える場合」、譲渡所得税がかかってくることになります。

この場合の30万円は「価額」、つまりその品物の「値打ち」で判断されるわけですが、買取店で買取してもらう場合、その買取価格が30万円以上だと課税対象と認識しておけばおおむね間違いはありません。

またその骨董品を所有していた年数によっても、税金の金額は異なってきます。いずれにしても30万円以上の骨董品・古美術品を買取してもらった場合は、税金がかかることも忘れないようにしてください。

税制上の譲渡所得がある場合は、翌年の確定申告を行うことは必須になります。

骨董品・古美術品を高く売るコツを知っておく

骨董品・古美術品を売ることが決定し、税金のことも理解したら、いよいよ買取店に買取依頼を行います。

でもその前に、知っておくべきことがあります。それが、骨董品・古美術品を高く売るためのコツです。

これを知っているいないで、買取金額に雲泥の差が出ることもあります。いきなり買取店に持っていくのではなく、一度冷静に準備をしてから買取を行うようにしましょう。

骨董品・古美術品を高く売る5つのコツ

それでは骨董品・古美術品を高く売る5つのコツを解説します。

買取店が用意しているサービスなども紹介するので、骨董品・古美術品を買取してもらう際は、もれなくチェックしてください。

骨董品・古美術品の価値を把握する

骨董品・古美術品は言うまでもなく、それぞれの品物で価値が異なってきます。厳密な金額や専門的な鑑定は一般人には難しいですが、どういった品物が価値があるのかを把握することはできます。

まず、作家物であるかどうかで価値が変わります。作家物とは、著名な作家が作成した骨董品・古美術品のことを指します。作家物かどうかは、品物や共箱などに「落款(らっかん)」や「銘」と呼ばれる刻印があるかどうかで判断します。

また、作品の作られた時代でも価値が変わってきます。時代に関しては、こちらも付属品や共箱などにいつ製作のものか、記載があるかもしれません。古いものは希少性が高い傾向にあるので、特に高値が期待できます。

素材も大事な要素です。「象牙」「翡翠(ひすい)」のように、特に価値の高いものがあります。どの素材がどれほど価値があるのかは鑑定士に任せるにしても、素材が価値を左右することを知っていれば、買取方法を選ぶ際なども、判断材料となります。

今は「LINE査定」などのサービスで、写真を送って概算査定額を出してもらうことができます。その際、どういった骨董品・古美術品が価値があるかを理解していれば、その写真の撮り方、品物の説明の仕方なども明確になります。

複数の買取業者に査定をしてもらう

骨董品・古美術品の買取に力を入れている買取業者はたくさんあります。そしていずれの業者もホームページなどの情報では、甲乙つけがたい場合が多いです。

そんな時は買取店をいきなり一店舗に絞らず、複数の業者に査定を依頼し、もっとも高値の店へ買取依頼をすればよいのです。

なにもいろいろな店舗へ足を運ぶ必要はありません。今は各社「LINE査定」や「メール査定」のようなサービスで、だいたいの買取価格を事前に把握することができます。そのようなサービスを活用して、高く買い取ってくれそうな店を探しましょう。

他店の査定額を伝えて、より高い査定額の交渉をすることも可能です。

付属品を揃えておく

骨董品・古美術品を買取に出すときは、付属品も必ず一緒に買取査定に出しましょう。付属品には外箱や共箱、内袋などが該当します。

この付属品もかなり査定額に影響をおよぼします。付属品に「落款(らっかん)」や「銘」がある場合もあります。また、再販を考えた際、購入する人も付属品がある品物を好むので、買取価格が高まってくるのです。

もちろん付属品がなくても査定はしてくれますが、付属品がある場合は必ず持参しましょう。おうちで骨董品が見つかったときも、付属品をよく探してから、査定に出すのが重要です。

お手入れを行う

骨董品もできる範囲でお手入れを行った方が、査定額が高くなることがあります。ほこりや軽い汚れはやさしくふき取っておくことをおすすめします。

ただしやりすぎは禁物。強くこすりすぎて、キズをつけたりすると、値打ちは下がってしまいます。あくまでも、できる範囲のお手入れを行いましょう。

また保管方法も要注意です。買取店に持っていくまでの間、直射日光の当たる場所や、高温多湿の場所に置いておくと、繊細な骨董品や古美術品は劣化するおそれがあります。

安全な場所で、丁寧な保管を心がけましょう。

迷っている場合はまず査定してもらう

買取に出すか保管するか、迷っている骨董品・古美術品がある場合はまず査定してもらうようにしましょう。

迷っていて家で保管していると、品物が劣化してしまう可能性があります。そうなると後で買取に出しても損することとなります。

それであれば買取店にも迷っている旨を正直に伝えて、今後の価値の変動なども含めて相談してみればよいのです。査定をした上で、買取に出すかどうかは、こちらで改めて決めることもできます。

迷っている場合は、いちど査定に出してみましょう。重要な判断材料が得られるかもしれません。

骨董品・古美術品の買取方法

まずは、骨董品・古美術品の買取手段についてです。以下は買取店への依頼方法について、それぞれ特徴やメリットを表にしたものになります。

出張買取 宅配買取 店頭買取
現金化スピード
大型・大量査定
依頼の気楽さ
価格交渉 ×

 

どの項目を重視するかによって選択すべき買取方法も変わってきます。上記3つの鑑定方法について解説していきますので、自分のメリットに合ったものを選択しましょう。

出張買取で依頼

骨董品・古美術品の買取方法で最もおすすめなのが「出張買取」です。骨董品・古美術品は、ダメージを受けやすく非常にデリケートなものが多いので、素人が持ち運ぶことで傷を付けてしまう可能性があります。

出張買取のメリットは以下の通りです。

  • 目の前で鑑定している様子を見られる
  • 価格設定理由をヒアリングできる
  • 量が多くても買取してもらえる

鑑定士がどのように査定しているのか知りたい場合、あるいはしっかり説明を受けた上で納得して売りたい場合は、出張買取が適しているでしょう。遺品整理や蔵の整理などで発見した骨董品・古美術品を一度に見てもらいたいケースにもおすすめです。

ただし、知らない人を自宅に招くのに抵抗がある場合、そのほか訪問時間の調整が難しいといった忙しい人には不向きかもしれません。さらに、わざわざ出向いてくれているという申し訳なさから、値段交渉しづらいという声も耳にします。

宅配買取で依頼

宅配買取は、骨董品・古美術品を梱包して買取店へと郵送し、査定結果が出るのを待つだけの簡単な方法です。見積もりに納得できれば、銀行口座に査定金額を振り込んでもらい、売却完了となります。

宅配買取のメリットは以下の通りです。

  • 忙しい人でもスキマ時間で梱包・発送できる
  • 対面を避けられる
  • 梱包資材・送料がかからないケースもある

自分のタイミングで発送準備をして送ってしまえば、あとは結果を待つだけなので、忙しい人でも依頼しやすいのが特徴です。

さらに、買取店によっては専用の梱包資材を用意してくれる、また送料を負担してくれるところもあるため、気軽に依頼できる魅力もあります。

ただし、丁寧に梱包できるか不安な人、あるいは依頼品数が多い場合には不向きです。また、多くの場合、見積もりに納得できない際は交渉ではなく返送という形になります。

店頭買取で依頼

店頭買取は、実際に店舗や本社に骨董品・古美術品を持ち込んで鑑定してもらう方法です。近郊に買取店舗がある場合は、直接持ち込んで見てもらうこともできるでしょう。

店頭買取のメリットには以下のようなものがあります。

  • 自分のタイミングで依頼できる
  • 値段交渉しやすい
  • 即現金化できる

自宅に招くのは難しい、でも対面で鑑定してほしいという人におすすめの方法です。こちらから出向いているため値段交渉もしやすく、その場で現金化できるというメリットもあります。

しかし、持ち込みたい品物が大きい、また量が多い場合には向きません。また、持ち込みをする際は、駅から近い立地かどうか・駐車場完備かどうかについてもチェックしておきましょう。

骨董品・古美術品を買取に出す際は注意点と高く売るコツをおさえよう

本記事では、骨董品・古美術品を買取に出す際の4つの注意点と、高く売るための5つのコツを解説してきました。

骨董品・古美術品は、普段接することがないので、対応に困ってしまうことも多いと思います。また、他の買取品目と異なり、その値打ちや査定金額を判断するのが、困難な場合が多いでしょう。ましてや遺品などとなると、その取り扱いには特に慎重を期す必要があります。

後悔のない買取を行うために、紹介した注意点をきっちり確認し、適切な買取依頼を行うようにしてください。また、高く売るコツを押さえて、高値での買取を実現させてください。

気持ちの良い骨董品・古美術品買取ができるよう願っています。