「有田焼を売りたいけど、どこで売ればいい?」
「少しでも高く売るコツがあれば知りたい」
このような方が多いのではないでしょうか。
有田焼を売るには、骨董品や古美術品の買取専門店に持っていくのがおすすめです。少しでも高く売るには、相見積もりをとることや、付属品をそろえておく必要があります。他に高く売るコツや高く売れる有田焼の種類について解説しますので、売却をご検討の方はぜひ参考にしてください。
佐賀県の有田焼
有田焼は佐賀県有田町とその周辺地域で作られる陶磁器を指し、明治時代以降に多く製造されるようになりました。陶石(とうせき)と呼ばれる白色の石から磁器土をつくり、成形した後、釉薬をかけて1300度の高温で17時間以上焼き上げることで完成します。軽く硬質で耐久性に優れた有田焼は、かつてヨーロッパの貴族から「白い金」と称えられたほどに美しく輝く白色が特徴です。なめらかな有田焼は絵付けにも向いており、色鮮やかな絵付けや、藍色に染付したものが数多くみられます。その格式高い上品な佇まいが世界的に人気の高い理由です。
有田焼と伊万里焼は同じ?
有田焼と伊万里焼は、作られた時代によって呼び名が変わるだけで、ほとんど同じ磁器といえます。伊万里焼と呼ばれるのは、江戸時代に作られたものが多いです。染付した上から金襴手(きんらんで)という赤や金色の豪華な装飾技法が用いられています。有田で焼かれた磁器が伊万里の港から輸出されることから、伊万里焼と呼ばれるようになったのです。明治時代になると、有田で作られた磁器は有田焼と呼ばれるようになり、現在までその名で親しまれています。
有田焼の種類|高く売れるものは?
高く売れる有田焼は有名窯元で作られたものや、有名作家の作品です。有田焼は作られた年代ごとに絵付けの技法が異なり、世界に影響を与える作品が数多く生み出されました。まずは有田焼の種類を詳しくみていきましょう。
画像参照:有田焼のまるぶん 公式オンラインショップより
初期伊万里
有田焼が誕生した江戸時代初期に作られた器を「初期伊万里」と呼びます。厚めの素地に青一色の染付が特徴で、お皿や瓶などの生活用品としてだけでなく、茶道具も作られていました。有田焼の製造がスタートしたばかりだったため、歪みが目立つものも多くありますが、素朴で大らかな美しさが多くの人の心を掴んでいます。
古九谷様式・初期色絵様式
1640年代に有田焼の技術革新が行われ、焼成の後に上絵付けを行なう色絵磁器が生産されるようになります。これにより、カラフルな有田焼が誕生し、中でも青・黄・緑を基調とした作品は古九谷様式と呼ばれるようになりました。この時期作られた有田に用いられた色絵を初期色絵様式と呼んでいます。
柿右衛門様式
濁手(にごしで)の地肌に上絵を焼き上げることで知られる柿右衛門様式は、1670年代から一世を風靡しました。柿右衛門様式の作品はヨーロッパに数多く輸出され、宮殿を飾りました。さらに、ドイツのマイセン窯やフランスのシャンティイ窯などで模倣されるなど、世界でもの評価の高い絵付け様式として知られています。
金襴手
1680年代になると、濃い染付に赤や金の絵の具を使い、花文様などを器面いっぱいに描き込んだ金襴手が用いられるようになりました。華やかな装飾が施された大型の壺は海外での人気も高く、輸出されたヨーロッパの国々で博物館や城を飾っています。
鍋島藩窯様式
鍋島藩窯様式の特徴は青みがかった地肌やくし高台、裏文様です。染付技法は3種類に分かれ、赤・青・緑の3色を基調とした「色鍋島」、藍色で細かく描かれた「藍鍋島」、自然の青翠色が印象的な「鍋島青磁」があります。
古伊万里は高く売れる
江戸時代に作られた伊万里焼の中でも古くに作られたものを古伊万里と呼びます。古伊万里はヨーロッパへの輸出向けに作られたものも多く、骨董品や古美術品としての価値が世界中から高く評価されています。世界中にコレクターが多い古伊万里は、1つ数十万円の価格で取引されることもあり、有田焼の中でもっとも価値がある作品といっても過言ではありません。
高価買取!有田焼の人気作家一覧
有田焼の買取価格は作品を作り出した作家によって大きく異なります。自宅の有田焼を売却しようと考えている方は、作家ごとの作品の特徴を確認してみると良いでしょう。有田焼の人気作家の特徴を紹介します。
画像参照:有田焼のまるぶん 公式オンラインショップより
酒井田柿右衛門
有田焼を世界に広めた名工・酒井田柿右衛門は、初代から十五代目と現在までその技術は代々引き継がれてきました。中でも十三代目の作品は乳白色の地色に仕上げる技術を復活させたことで、人間国宝に認定されています。十三代目と並んで十四代目の作品も世界的に評価が高く、高価買取が期待できます。
人間国宝:井上萬二
有田焼ろくろ成形の名手として1997年に人間国宝に認定された井上萬二は、現在も活躍を続ける有田焼の作家です。「形そのものが文様」として、なめらかな造形と温かみを追求した作品の数々は、重要無形文化財・白磁に認定されました。白磁丸形壺や白磁彫文壺は数十万円で取引されることも少なくありません。
今泉今右衛門
江戸時代に赤絵付けを行ったことで今泉今右衛門の有田焼作りが始まりました。その絵付け技術の優秀さは藩内でも高く評価され、他藩に技術が漏れるのを防ぐために秘法にされるほど。現在では十四代目が⽩抜きの⽂様を描き出す伝統技法に着⽬し、独⾃に発展させることで人間国宝に認定されています。十四代目の作品は特に高価買取が期待できるでしょう。
奥川忠右衛門
大物ろくろ作品を得意とした奥川忠右衛門は、白磁に美しい文様が刻まれた白磁彫文が特徴です。鮮やかな装飾が施された有田焼が主流の時期にシンプルな色使いの作品を数多く生み出した初代は人間国宝に認定されています。
有田焼の買取価格の相場
人気作家によって作られた有田焼の買取価格は、以下のような相場です。作家や作品によって買取価格が大きく異なるので、チェックしておきましょう。
作品:濁手 四方割花文花瓶 作家:十四代目酒井田柿右衛門 |
150万〜170万円 |
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作品:色絵雪花墨色墨はじき四季花文花瓶 作家:今泉今右衛門 |
50万〜70万円 |
作品:濁手野茶花文皿 作家: 酒井田柿右衛門 |
40万〜60万円 |
作品:色鍋島緑地草花更紗文蓋物 作家:十三代今泉今右衛門 |
10万〜15万円 |
作品:白磁青海波文花瓶 作家:井上萬二 |
10万〜15万円 |
作品:白磁緑彫文花瓶 作家:井上萬二 |
5万〜8万円 |
どんな場所で売れるのか
「有田焼はどこで売れる」と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
有田焼は骨董品や古美術の買取専門店での売却がおすすめです。リサイクルショップで売ることもできますが、専門の査定員が在籍しおらず、安く買い叩かれてしまう恐れがあります。買取専門店とリサイクルショップにはどんな違いがあるのか、詳しくみていきましょう。
リサイクルショップ
リサイクルショップは骨董品の買取に対応している店舗も多いので、有田焼を買い取ってくれる店舗も多いでしょう。しかし、さまざまなジャンルの品物を買い取るリサイクルショップには、有田焼を専門とする査定員がいない場合がほとんどです。知識や経験が少ない査定員は有田焼の価値を見極められず、安く買い叩かれてしまう恐れがあるので、少しでも高く売るなら買取専門店で売却するようにしましょう。
骨董品や古美術の買取専門店
骨董品や古美術の買取専門店なら安心して査定を任せられます。中でも有田焼の買取実績が豊富な買取店だと、経験や知識を活かし、最大限の価値で買取してくれるでしょう。買取店の公式サイトに買取実績を公開している店舗もあるので、事前にチェックしておくことが重要です。
どんな形式で買取可能か
有田焼の買取を行っている業者はたくさんありますが、おすすめなのはバイセルなどの大手の出張査定を行っている買取業者です。
出張 | 査定員が自宅を訪問し、玄関などで有田焼を査定し、買取してくれます。基本的に無料ですが、出張エリアが限定されている場合があります。 |
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宅配 | 業者に宅配で有田焼を送り、自宅に居ながら買取してもらえます。手軽ですが、査定の様子が見えないデメリットもあります。 |
店頭 | 自分で店舗に有田焼を持ち込み、買取してもらいます。目の前で査定してもらえますが、労力がかかります。 |
出張
出張買取では、査定員が自宅を訪問し査定から買取まで対応してくれます。店舗に持ち込む必要がないので、時間や手間がかからず、サイズが大きいものや数が多いものを査定してもらうときに便利です。有田焼は持ち運ぶときに傷ついたり、破損したりするリスクがあるので、出張買取をおすすめします。傷や破損で価値が大きく下がることもあるので、持ち運びが不安な人は出張買取を利用しましょう。自宅にいながら買取してもらえる便利なサービスですが、自宅を訪問されたくない人には不向きです。さらに、主張エリアが限定されていることがあるので、事前にチェックしましょう。
宅配
宅配買取では、品物を買取店に宅配するだけで、自宅にいながら査定が受けられるサービスです。店舗に持ち込んだり、査定に立ち会う必要がないので、自分の都合の良い時間を使って手軽に査定を依頼できます。一方、査定に立ち会わないことで、買取価格に納得できない人も少なくありません。納得できない場合に返送を依頼すると、キャンセル料や手数料が発生することがあるので、宅配買取を利用する前に確認しておきましょう。有田焼は配送中に傷つく恐れがあるので、宅配買取はあまりおすすめできません。宅配買取を利用する時は、しっかり梱包し配送中の揺れに備えましょう。
店頭
店頭査定では、直接品物を持ち込むことで査定から買取まで対応してもらうサービスです。直接持ち込むため時間や手間はかかりますが、査定に立ち会うので直接質問でき、買取価格に納得しやすい傾向にあります。有田焼を店頭に持ち込む時にはしっかり梱包し、丁寧に持ち運ぶようにしましょう。傷や損傷が心配な人は、出張買取がおすすめです。
有田焼を高く売るコツ
有田焼を高く売るためのコツを知っておくと、本来の価値より高く評価され買取価格アップが期待できます。少しでも高く売るには、コツを確認しておきましょう。
相見積もりをとる
まずは相見積もりをとることで、もっとも高く買い取ってくれそうな業者を探し出します。業者によって買取価格はさまざまですので、一社だけでなく複数社に見積もりを依頼しましょう。複数の買取業者を自分で探すのが面倒という人は、ネットで簡単に査定を依頼できる一括査定サービスの利用がおすすめです。一括査定では有田焼の作者や作品名などをネットに入力するだけで、複数の買取業者に一括で査定を依頼してくれます。すぐに買取価格がもっとも高い業者を見つけられるので、時間や手間をかけたくない人は、利用してみてください。
買取相場を知っておく
買取相場を知っておくと、査定で安すぎる価格を提示されてもすぐに気づいて他の買取業者で買い取ってもらえます。相場を知らずに査定を受けてしまうと、安い価格に気づけず買い叩かれてしまうことも。査定に出す前に買取相場をネットで調べておきましょう。あくまで相場価格なので、こだわり過ぎないことも重要です。
できるだけ早く売る
有田焼などの陶磁器は自宅に置いているだけで酸素や紫外線によって劣化します。今がもっともきれいな状態ですので、必要ないと判断した有田焼はすぐに売却することがおすすめです。長期間保管しておけば価値が上がることもないので、なるべく早く売りましょう。
付属品をそろえておく
有田焼を購入すると、共箱や鑑定書などの付属品がついています。有名な作品や人気作家のものだとほとんどに付属品がついているので、売却するときには一緒にまとめて査定に出しましょう。共箱には作者のサインや作られた時代などが刻まれているため、共箱だけでも十分に価値があります。購入した時の状態にそろえておくと、もっとも高い価値で評価されるでしょう。
ヒビや欠けのある有田焼も売れる?
生活用品として使うよりも、骨董品や美術品として高い価値をもつ有田焼は、ヒビや欠けがあっても売れる可能性があります。観賞用として保管しておく場合にはヒビや欠けが気にならない場合も多いためです。もしヒビや欠けがある有田焼を処分しようと考えていたら、まずは査定に出してみると良いでしょう。有名作家の作品などは思いもよらぬ価格で買い取られることがあります。
まとめ
高く売れる有田焼は人気が高い作品や有名作家の作品です。人間国宝に認定されて作家の作品は、数百万円以上の価格で買取されることも少なくありません。作家や作品名が分からない有田焼でも買取専門店で査定を受けてみましょう。高く売るためには相見積もりをとったり、付属品をそろえておいたりなどのコツがあります。査定を受ける前にコツをチェックして、少しでも高く買い取ってもらいましょう。ヒビや欠けが目立つ有田焼も買取してもらえる可能性は十分あるので、処分する前に一度査定を受けてみるようにしましょう。
有田焼の実際の買取祖事例、口コミ・評判
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