書道をたしなんでいたり、家族が趣味にしていたりして自宅に書道具があるという方もいるのではないでしょうか。趣味が変わり処分したくなったとき、書道具を高く売ることができるかもしれません。
そこで今回は、どのような書道具が高く売れるのか、その相場や売り方を徹底解説いたします。
書道具の定義とは?
書道のときに使用する道具のすべてが書道具だと考えてよいでしょう。人によって多少は定義が異なるものの、代表的には文房四宝とも言われる筆・墨・硯・紙、それに加え紙の下に敷く毛氈(もうせん)と文鎮を加えたものと言えます。
代表的な書道具の種類
代表的な書道具は文房四宝と言われる筆・墨・硯・紙です。その他にもいくつか買取対象になる道具をご紹介します。
筆
毛筆とも呼ばれる、墨をつけて字を書く道具のことです。筆にはさまざまな種類があり穂の太さや長さ、筆の原料によって分類されます。例えば穂の部分は馬毛・羊毛・狸毛などで作られていて、その太さも太筆・中筆・小筆に分かれています。
墨
すすやにわか、それに香料などを加え練り固めたものをいいます。固形の墨は水とともに磨りおろして使い、液状の墨は墨汁(ぼくじゅう)または墨液(ぼくえき)はそのまま筆につけて使用します。
硯
墨を水ですりおろすために使用する道具です。墨汁や墨液を入れて使用することもあります。石・瓦などで作られているものが一般的で、中国硯は特に高価です。
紙
一般的な紙とは異なり、書道で使われる紙は和紙でできているものです。一般的に多く使用されているものは半紙で、これは紙の大きさを表しています。その他にもより大判の画仙紙などがあります。使用済みのものやシミがあるものでも、買取対象になる場合があります。
水滴
硯で墨を磨るときや 墨の濃さを調整したいときに硯に水を注ぐ道具のことをいいます。子どもが使う書道具セットなどには簡易的なスポイト型の水滴が入っていますが、買取が期待できる水滴は陶磁器、金属製、石玉製などのものです。
印材
書に押されている印を作る材料が印材です。書道では作品が完成した証に署名と捺印をおこないます。寿山石・巴林石・青田石のほか、高価な田黄・鶏血などがあります。サイズや素材、年代によって買取価格が変動します。
書道具の価値は何で決まる?
基本的には、お稽古用の書道具は高くなりにくいです。祖母の代のものや蔵にあったというようなものの方が、プレミア価格になりやすいとされています。もちろん有名作家のものや高級素材品などの価値のある書道具を今もお使いになられている場合は、それも高く売れる可能性はあるでしょう。
素材
さまざまな素材で作られている書道具ですが、その素材によって買取価格は異なります。特に中国で採掘される原石を使って作られる歙州硯や洮河緑石硯は、その採石期間が短く稀少なため高値が付けられることがあります。
状態
書道具の状態によっても価格は変動します。使用済みかどうか、傷みの有無などによって査定額が異なります。使用済みやシミが目立つ和紙などは1点では買い手がつかない一方、作家作品の和紙などは付加価値がつき、高値が付く場合があります。
作家
骨董品全般にいえることですが、書道具を売る際にも有名作家作のものは高価になります。落款等があるかないかは重要なポイントです。
書道具の買取相場
書道具の買取相場について道具ごとにご紹介します。
筆
一休園 熊の筆 | 10,000円~20,000円 |
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堆朱筆 | 10,000円~30,000円 |
墨
乾隆御墨 | 4,000円~30,000円 |
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硯
端渓硯 | 10,000円~35,000円 |
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紙
本草紙 | 2,000円~38,000円 |
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水滴
李朝白磁水滴 | 20,000円~80,000円 |
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印材
印材 翡翠 | 1,000円~100,000円 |
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どんな場所で売れるのか
買取で思い浮かぶのがリサイクルショップや買取専門業者などです。買取専門業者のなかでも書道具の取り扱い実績のある業者がおすすめです。
リサイクルショップ
リサイクルショップでも買取は可能だとは思いますが、全く知識のない査定員に二束三文で買い取られてしまう可能性があります。本来なら高値で買い取ってもらえるかもしれないものを買い取ってもらえない、買い取ってもらえてもわずかな価格しかつけてもらえなかったというを防ぎたい場合はリサイクルショップで売ることは避けてください。
骨董品・書道具の専門買取業者
骨董品全般を買取しているところの中でも、書道具の取り扱い実績が多い専門業者の方が安心です。特に書道具のオークションや骨董市に出入りしており、最新の相場に精通しているかは注目ポイントです。適正な金額で買い取ってもらえる可能性が高くなります。
どんな形式で買取可能か
書道具を買い取ってもらうときは大手買取業者の無料宅配もしくは出張査定で見積もり取ってもらいましょう。宅配の場合、無店舗運営でコストカットを行い高額査定になる事が多く、見積もりを出してからの比較がしやすい事もメリットです。また自宅から遠くにある業者でもより高価な買取額を提示してくれるところに依頼できる点でもおすすめです。
一方、硯などの割れやすい書道具は配送時の破損が心配ですし、品物が蔵に大量にあった場合などは梱包の手間があるので出張が向いていますね。
出張 | 査定員が自宅を訪問し、玄関などで査定し買取してくれます。書道具専門の査定士が対応してくれる業者もあります。基本的に無料ですが、出張エリアが限定されている場合があり確認が必要です。 |
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宅配 | 業者に宅配で書道具を送り、自宅に居ながら買取してもらえます。手軽ですが、査定の様子が見えないデメリットもあります。 |
店頭 | 自分で書道具を店舗に持ち込み買取してもらいます。目の前で査定してもらえますが、労力がかかります。 |
宅配
宅配買取業者はコロナ禍のなか、人に会うことがなく査定をしてもらえることでも人気があります。書道具を梱包して配送業者に任せればいいだけなので手軽に査定に出せるのも良い点です。しかし、査定の様子が見えず、結果だけが送られてくることもあって、詳細が聞きにくいので納得感が得にくいです。また業者によっては、キャンセル時の返送料がかかったりする場合もあるので注意が必要です。
出張
出張買取のメリットは自宅まできてくれる点にあります。業者によっては書道具専門の査定員が対応してくれることもあります。また無料で査定を行ってくれるとこが多く、かさばるものや大量に査定に出す場合には便利です。しかし自宅に来てほしくない人には不向きです。業者によっては出張範囲が限られているため、事前に確認しましょう。
店頭
目の前で査定してもらえて、なぜその値段になったのかなど不明点をその場で質問することができ納得して買い取ってもらえます。しかし、店舗まで書道具を持っていくことが手間だと感じる人が多くいます。
書道具を高く売るコツ
書道具には高く売るコツがいくつかあります。どのようなポイントがあるのかをご紹介します。
簡易査定を利用して、相見積もりをとる
真贋かどうかなど素人が価格を予想するのはかなり難しいです。まずは専門の業者にメールやLINEでの簡易査定をお願いしてみましょう。写真で査定をおこなってくれます。そのときには、落款(サイン)のある場所を撮ることは大切です。またキズがあるなどの情報は隠さずに伝えることで正確な査定に繋がります。
買取相場を知っておく
買取相場を知っておくことで、実際に査定結果が出たときの判断基準にできます。買取相場を知り、ある程度自分のなかで価格を想定したうえで査定に出しましょう。査定結果が自分の想定とあまりにも差がある場合、なぜその額になったのかを質問してみることが納得のいく結果に繋がります。
一式でまとめて査定してもらう
書道具一式をまとめて売ることで、まとめ売りのキャンペーンを利用できたり、掘り出し物がその中にある事で高価査定となる可能性があります。なお、古いものに関しては消耗品などが揃っていないことも多いと思うので、必ずしも一式が揃っていなければならないという訳ではありません。
付属品を揃えておく
供物や書物、箱といった付属品があれば買取価格が高くなる可能性があります。付属品が汚れていたり、傷みがあったりする場合、査定価格が下がるのではないかと心配し廃棄してしまう方もいますが、そのような品物でもあった方が高額がつくという場合もあるので、自己判断せずに一緒に査定に出してください。
少しでも綺麗な状態にしておく
ホコリをはらっておくなど、綺麗な状態で査定してもらう方が印象は良くなるのは間違いありません。傷つけてしまうのは本末転倒ですが、軽く掃除しておくのは大切でしょう。現在も価値のあるものをそのままお使いの場合は普段からの手入れは大切です。
破損している・汚れている書道具でも売れる?
破損していたり、汚れている書道具の買取については、査定に出してみないとわかりません。買取価格は下がる可能性が高いですが、割れていたり汚れていても書道具をまとめて査定してもらうことで、稀少性が認められた利すると思わぬ額になる可能性があります。結局はどれくらいの値段が付くかは買取の専門家に相談するのが一番良いので、あきらめずに一度査定に出してみてください。
まとめ
お使いの書道具はもちろん、蔵から出てきた・遺品整理の書道具も思いもよらぬ値段がつくかもしれません。年代物の書道具は汚れていたり壊れていたりしても特に高額査定になりやすい可能性があります。自宅に眠る書道具を一度査定に出してみてはいかがでしょうか。