インテリアとして飾ったり、コレクションしていたりして自宅にあることも多い旧紙幣・古紙幣。今ではあまり興味がなくなったなら、旧紙幣・古紙幣を高く売れるかもしれません。そこで今回は、どのような旧紙幣・古紙幣が高く売れるのか、時代別の一覧や相場、売り方を徹底解説いたします。
旧紙幣・古紙幣とはどんなもの?
旧紙幣とは、明治以降発行された紙幣のなかでも、現在では新規発行されていないもののことをいいます。さらにそのなかでも現在も額面通りに使える紙幣のことです。日本銀行がこれまでに発行してきた紙幣は53種類。現在でも22種類がそのまま紙幣として使えるのです。一方、古紙幣はそのままでは使うことができない、より古い時代のお札のことをいいます。両方をあわせて旧札と呼ばれています。
代表的な旧紙幣・古紙幣一覧
たくさんある旧紙幣・古紙幣のなかから代表的なものをご紹介します。
【明治】明治通宝
1872年(明治5年)4月に発行された紙幣です。ドイツのフランクフルトにあった民間工場で製造されたことから「ゲルマン札」と呼ばれることがあります。幕末時代から使われていた旧紙幣を回収し、流通している紙幣を統一するために作られました。特に、100円と50円は現存数が少なく高値が付きやすいです。
【明治】旧国立銀行券・新国立銀行券
「旧国立銀行券」は明治5年に製造が決まり、1873年(明治6年)に発行された紙幣です。1円から20円まで5種類の紙幣があります。また「新国立銀行券」は1877年(明治10年)に発行され1円と5円の2種類があります。どちらも1899年(明治32年)には通貨としての運用が停止されました。大量に発行された紙幣ですが、当時の紙幣は積極的に回収されたこともあり稀少性が高くなっています。
【明治】改造紙幣
1881年(明治14年)から1883年(明治16年)にかけて発行された政府紙幣の別称です。この紙幣は十円、五円、一円、五十銭、20銭から10円の5種類があります。1円以上のものには神功皇后の肖像が描かれており「神功皇后札」や「神功札」または、表面中央上部に菊花紋章があることから「菊花章紙幣」とも呼ばれました。日本で初めて肖像画が使われた紙幣として有名で、特に5円と10円紙幣は人気があります。
【大正】大正兌換銀行券
1916年(大正5年)から1958年(昭和33年)に流通した紙幣です。1円から20円の4種類があります。額面が横書きであることから「横書き20円」と呼ばれた大正兌換銀行券20円がもっとも価値が高い紙幣とされています。
【大正】大正小額紙幣
1916年(大正6年)に発行された紙幣です。低額貨幣だった銀貨の価値が、銀の高騰によってあがってしまったため替わりに発行されました。10銭・20銭・50銭の3種類があります。50銭紙幣はもっとも長い1916年(大正6年)〜1921年(大正11年)の8年間発行されていたにもかかわらず、現存数が少ないため高値が付く可能性があります。
【昭和】政府紙幣
1938年(昭和13年)、1942年(昭和17年)、1948年(昭和23年)に発行された紙幣です。戦争などの影響から価格高騰や欠乏が原因で硬貨の継続発行が困難になったとき、補助貨幣が紙幣化され小額の政府紙幣が発行されました。
富士桜・靖国神社・板垣退助が描かれた50銭紙幣があります。
高く売れるのはどんな旧紙幣・古紙幣?
実際に高く売れる旧紙幣・古紙幣はどのようなものなのかを解説します。
紙幣番号
紙幣番号とは、紙幣に印刷されているアルファベットや数字で表してあるものをいいます。この番号が若い、ぞろ目、キリ番、階段になっていると高値がつきやすくなります。
・ぞろ目
ぞろ目とは連なった桁数の数字のことをいいます。そのなかでも特に1・2・7・8といった数字が並んでいるものがコレクターに人気があるため、高値での買取が期待できます。
・キリ番
キリ番とはキリのいい数字のことをいいます。「A1000000」や「B5000000」などの数字がついた紙幣も高価買取対象になる可能性があります。
・階段
階段とは数字が階段状になっているものをいいます。「C123456」といったような数字の並びだと稀少性が高くなり高値が見込めます。
印刷エラー
印刷ずれ、印刷ミス、裁断ミス、記号違いといった印刷エラー紙幣も高価買取対象になります。
・印刷ずれ
旧紙幣・古紙幣には印刷がずれたまま発行されたものがあります。絵柄や肖像がわずかでもずれていたり、重なっていると違和感があり、コレクターからの人気が高まります。
・印刷ミス
印刷ミスがあるにもかかわらず、そのまま流通してしまった紙幣も稀少性が高く高値になる可能性があります。印刷が欠けていて絵柄の一部が空白になっていたり、片面だけが印刷されたものがあります。
・裁断ミス
紙幣に耳と呼ばれる余分な紙が残っている状態のことをいいます。耳の部分は福耳とも呼ばれ、稀少性の高い紙幣です。
・記号違い
通常なら表も裏も同じ番号が印刷されているはずのものが、異なっている状態の紙幣のことをいいます。こちらもプレミア価格で取引される可能性があります。
帯付きの旧紙幣・古紙幣
帯付きとは帯がついたままの使われていない状態の旧紙幣・古紙幣のことをいいます。旧紙幣・古紙幣の帯付きは保存状態がいい場合が多く、付加価値が付くため買取価格があがることが期待できます。
旧紙幣・古紙幣の買取価格の相場
旧紙幣・古紙幣の買取価格の相場についていくつかご紹介します。
明治通宝 10円 | 15万円~30万円 |
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旧国立銀行券 | 300万円~3,000万円 |
改造紙幣 1円 | 5,000円~10万円 |
大正兌換銀行券 20円 | 1万円〜1,200万円 |
大正小額紙幣 50銭 | 3,000円~9万円 |
どんな場所で売れるのか
旧紙幣・古紙幣を買取してもらうには買取専門店のほかにリサイクルショップや金券ショップへ持ち込む方法、銀行で換金する方法などがあります。
それぞれについてご紹介します。
旧紙幣・古紙幣の買取専門店
旧紙幣・古紙幣を売る場所としておすすめなのが、専門の買取専門店です。買取専門店には旧紙幣・古紙幣を専門家が査定してくれるので、適正な価格での買取が実現します。特に旧紙幣・古紙幣の買取実績がある業者ほうが安心して査定してもらえます。
金券ショップやリサイクルショップ
リサイクルショップや金券ショップでも買取は可能だとは思いますが、金券ショップは額面以上の買取価格は付きにくいでしょう。リサイクルショップは、そもそもお金の買取をしているかが不明なので事前確認が必要です。全く知識のない査定員に二束三文で買い取られてしまう可能性があります。
銀行で換金
銀行での換金は、換金可能なものと換金不可なものがあります。さらに額面以上には絶対にならないので買取業者などでプレミア価格がつく旧紙幣・古紙幣だと損をしてしまいます。
どんな形式で買取可能か
旧紙幣・古紙幣の買取には宅配・出張・店頭買取の3つの方法があります。それぞれについてご紹介します。
出張 | 査定員が自宅を訪問し、買取してくれます。出張エリアが限定されている場合があり確認が必要です。 |
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宅配 | 業者に宅配で紙幣を送り、自宅に居ながら買取してもらえます。手軽ですが、デリケートな紙幣を梱包するときに細心の注意が必要です。 |
店頭 | 自分で旧紙幣・古紙幣を店舗に持ち込み買取してもらいます。目の前で査定してもらえますが、手間がかかります。 |
宅配
宅配買取業者は旧紙幣・古紙幣を梱包して配送業者に任せればいいだけなので手軽に査定に出せるのが良い点です。しかし、査定の様子が見えず、結果だけが電話やメールで伝えられることもあって、詳細が聞きにくく納得感が得にくいです。また旧紙幣・古紙幣の扱いになれていないと、梱包時に破損してしまう恐れがあるため注意が必要です。
出張
出張買取は自宅に査定員が来てくれて、玄関などで査定をしてくれます。業者によっては旧紙幣・古紙幣専門の査定員が対応してくれることもあります。また無料で査定を行ってくれるとこが多く、傷みやすい旧紙幣・古紙幣を持ち運ぶことなく査定に出せて便利です。しかし自宅に来てほしくない人には不向きで、業者によっては出張範囲が限られているため確認が必要です。
店頭
目の前で査定してもらえて、なぜその値段になったのかといった不明点をその場で確認できます。このため納得した取引に繋がります。しかし、店舗まで旧紙幣・古紙幣を持っていかなければならず、紙幣が傷まないように運ぶ手間が生じます。
旧紙幣・古紙幣を高く売るコツ
旧紙幣・古紙幣を高く売るためのポイントを3つご紹介します。
相見積もり
複数の買取業者のなかから、買取実績やサービス内容、口コミなどを参考にして、2,3業者に見積もりをお願いしてみてください。買取金額に差があったり、サービス内容が異なったりします。自分が売りたいと感じた業者に買い取ってもらいましょう。
買取相場を知っておく
旧紙幣・古紙幣の買取相場を知っておくことで、実際に査定結果が出たときの判断基準にできます。自分が所有している紙幣の買取相場を知ったうえで査定に出すと、結果が自分の想定とあまりにも差がある場合、なぜその額になったのかをその場で質問できます。納得のいく取引に繋がります。
できるだけ早く売る
旧紙幣・古紙幣を買取に出したいと思ったらできるだけ早く売りに出してください。紙幣は硬貨と違って傷みやすく、傷むと買取価格が下がってしまいます。また、コレクターは年々減少しているので、今は価値が高くても今後は価値が下がるかもしれません。したがって、早めに売ることがポイントになります。
中国の旧紙幣・古紙幣は売れる?
日本と同じように中国にも旧紙幣・古紙幣があります。中国の旧紙幣・古紙幣にも高く売れるものがあり、人気の中国旧紙幣・古紙幣には、1988年発行の1角券、 1987年発行の5角券などがあります。
まとめ
過去に発行されて、今でも銀行で額面通りに換金することが可能な旧紙幣・古紙幣ですが、そのまま換金してはもったいない場合があります。自宅に眠っている昔のお金がある場合は、専門の買取業者に一度見積もりをお願いしてみることをおすすめします。