天皇陛下記念切手とは、天皇陛下に関わる慶事を記念して発行される切手のことを言います。
皇室の歴史が感じられる貴重な天皇陛下記念切手ですが、多くの種類が発行されてきました。
天皇陛下記念切手の中には、プレミアがついている切手も多くあり額面の何百倍もの価値があるものがあります。
今回の記事では、天皇陛下切手の種類や買取相場、高く売るコツをご紹介していきます。
天皇陛下の切手とは?
引用:スタマガネット
天皇陛下切手とは明治時代(1894年)から発行されている記念切手の種類です。
天皇陛下や皇室に関わった慶事を記念して発売される特別な切手なので、コレクターから人気の高い切手となっています。
例えば、皇太子や天皇の即位記念の際には 「即位◯◯年記念」として発行されます。
そのほか御成婚、銀婚記念、成婚記念といった慶事にも発行されています。
記念切手は全て発行枚数が限られているので、普通切手ほど世に流通していません。
中でも特に発行枚数が極めて少ない切手は、希少価値があるので特に高く評価されています。
また、保存状態が良ければ、査定額の相場が低い記念切手でも高額で取引される可能性が高くなります。
明治時代の天皇陛下切手
明治時代に発行された稀少な天皇陛下の代表的な記念切手をみてみましょう。
明治銀婚
発行年 | 1894 年 |
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額面 | 5銭・2銭 |
図柄 | 菊花紋章に雄雌の鶴 |
買取相場 | 7000円 |
2銭切手は1,480万枚発行に対し、5銭切手は100万枚だったため、5銭の稀少価値は特に高くなっています。
日本初の記念切手でもありコレクターから高い人気を集めました。
大正ご婚儀
発行年 | 1900年 |
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額面 | 3銭 |
図柄 | 結婚式の引き出物 |
買取相場 | 3,000円 |
発行枚数は3,634万枚と少なくないのですが、買取額は1枚2,000円から3,000円と高値で取引されています。
国内発行の他に「朝鮮」と「支那」と加刷されていて、中でも「支那大正婚儀」は特に高値で取引可能となっています。
大正時代の天皇陛下切手
引用:スタマガネット
大正時代に発行された稀少な天皇陛下の代表的な記念切手をみてみましょう。
大正大礼
発行年 | 1915年 |
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額面 | 1.5銭・3銭・4銭・10銭 |
図柄 | 1.5銭は大嘗祭の冠 3銭は高御座 4銭は赤色紫宸殿南庭の式場 10銭は青色紫宸殿南庭の式場 |
買取相場 | 5,000円 |
発行枚数2,000万枚以上の1.5銭切手と3銭切手の買取価格が数百円に対して、発行枚数217万の4銭切手の買取価格は1,200円から1,500円が相場となっています。
4種類の中で最も高い10銭切手は、223万枚発行されており、1枚3,000円から5,000円の買取となります。
裕仁立太子
発行年 | 1916年 |
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額面 | 1.5銭・3銭・10銭 |
図柄 | 1.5銭・3銭はオシドリの文様 10銭は儀式の冠 |
買取相場 | 50,000円 |
昭和天皇だった裕仁様が、立太子の礼を受けたことを記念して発行された切手です。
発行枚数が多い1.5銭と3銭の買取相場は比較的安く設定されています。
しかし、発行数86,000枚の10銭はプレミア切手となっていて、状態が良ければ50,000円以上の買取となっています。
大正天皇銀婚
発行年 | 1925年 |
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額面 | 1.5銭・3銭・8銭・20銭 |
図柄 | 1.5銭・8銭は松食い鶴 3銭・20銭は鳳凰 |
買取相場 | 10,000円 |
発行枚数は1.5銭、3銭は500万枚ほどに対して8銭は30万枚、20銭は20万枚と非常に数が少なく買取価格も8銭は1.5銭の倍の値段で取引されています。
最もレアな20銭は、10,000円を超える買取になる場合もあります。
昭和時代の天皇陛下切手
昭和立太子礼
発行年 | 1916年 |
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額面 | 1.5銭・3銭・10銭 |
図柄 | 1.5銭は赤・緑のオシドリ 3銭は赤色のオシドリ 10銭は儀式の冠 |
買取相場 | 70,000円 |
発行枚数が647万2千枚の1.5銭と576万2千枚発行の3銭の買取金額は200円から600円前後と言われています。
86,000枚発行された10銭切手は発行枚数が少ないこともあり、希少価値が高いため50,000円から65000円前後の高額買取が期待できるでしょう。
昭和ご帰朝
発行年 | 1921年 |
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額面 | 1.5銭・3銭・4銭・10銭 |
図柄 | 軍艦香取と鹿島 |
買取相場 | 20,000円 |
比較的発行枚数の多い1.5銭、3銭の買取金額は200円から300円と低い相場で買取されています。
30万枚発行された4銭は2,000円から4,000円、1番高額で買取が期待できる10銭は保存状態が良ければ10,000円から20,000円で買取が可能となります。
昭和ご婚儀
発行年 | 1923年 |
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額面 | 1.5銭・3銭・8銭・20銭 |
図柄 | 1.5銭・3銭は筑波山 8銭・20銭は東宮仮御所 |
買取相場 | 1.300.000円 |
1923年11月に昭和天皇のご成婚を記念して4種類の切手が発売される予定でしたが、関東大震災によって当時切手を保管していた場所が全焼し、発行ができなくなってしまいました。
パラオ諸島に送られていた数千万分の奇跡的に残った切手が流通し、現在では幻の切手と言われています。
1.5銭と3銭の買取金額は50,000円から120,000円、20銭切手は約200,000円前後の買取となっています。
最もレアな8銭切手は1,300,000円前後での高額買取となります。
平成時代の天皇陛下切手
引用:スタマガネット
平成の時代に発行された人気の天皇陛下の記念切手をみてみましょう。
天皇陛下御在位十年
発行年 | 1999年 |
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額面 | 80円 |
図柄 | 桐竹紋様と鳳凰文様 |
買取相場 | 800円 |
平成天皇が即位してから10年を記念して発行された切手です。
3990万枚発行され、高級感のある図柄となっていますが、プレミアはついていません。
ほぼ額面どおりの買取金額となっています。
天皇陛下御結婚満五十年
発行年 | 2009年 |
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額面 | 80円 |
図柄 | ボンボニエールと扇 |
買取相場 | 800円 |
平成天皇のご成婚を記念して発行された切手です。
発行枚数は1000万枚となっていて買取金額は800円前後となっています。
天皇陛下御在位二十年
発行年 | 2009年 |
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額面 | 80円 |
図柄 | 鳳凰と麒麟 |
買取相場 | 80円 |
平成天皇が御即位二十年を迎えられることを記念して発行された切手です。
発行枚数は600万枚、比較的年式が新しいので買取金額はほぼ額面通りとなっています。
令和時代の天皇陛下切手
引用:日本郵便
令和の時代に発行された、最新の天皇陛下の記念切手をみてみましょう。
天皇陛下御即位三十年記念切手
発行年 | 2019年 |
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額面 | 84円 |
図柄 | 吉祥文様 |
買取相場 | 84円 |
平成天皇御即位三十年記念を記念して発行された特殊切手です。
発行枚数はわずか5万部。
平成の天皇皇后両陛下のお写真や、特殊切手の説明を記載したハードカバー製切手帳とセットで発売されました。
天皇陛下御即位記念
発行年 | 2019年 |
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額面 | 84円 |
図柄 | 鳳凰と宝相華文様 |
買取相場 | 84円 |
今上天皇の即位を記念した記念切手です。
明治宮殿の中でも最も格式の高い正殿の内部装飾に使用された文様が描かれています。
販売枚数は200万シートとなっていて、プレミアはついていません。
プレミア価格の天皇陛下切手一覧
引用:国立印刷局
前述したさまざまな天皇陛下切手のうち、額面以上のプレミア切手をご紹介します。
- 明治銀婚
- 大正ご婚儀
- 大正大礼
- 裕仁立太子
- 大正天皇銀婚
- 昭和立太子礼
- 昭和ご帰朝
- 昭和ご婚儀
平成以降に発行された天皇陛下切手ではプレミアがつくものはありませんが、昭和以前に発行されたほとんどの切手が額面以上で取引可能となっています。
中でも昭和ご婚儀の際に発行された切手の価値は最も高く、状態が良ければ1,300,000円前後の買取になるでしょう。
記念コインとセットで高価買取も
引用:造幣局
天皇陛下記念切手は記念コインとセットで発行されることが多いのも特徴です。
記念コインにも高値がつく可能性あるので、お手持ちのものがあれば確認してみましょう。
同じ種類の切手とコインのセットでさらに高値で買取になるかもしれません。
- 平成11年 天皇陛下御在位10年記念1万円金貨 買取価格・・125,600円
- 平成21年 天皇陛下御在位20年記念1万円金貨 買取価格・・125,600円
- 令和元年 天皇陛下御即位記念1万円金貨 買取価格・・要問い合わせ
- 令和元年天皇陛下御在位30年記念1万円金貨 買取価格・・138,000円
【要確認】天皇陛下切手を高く売るコツ
天皇陛下記念切手であれば相場通り買取ができるわけではありません。
状態や買取を依頼する業者によって、買取金額に差が出てしまいます。
こちらでは天皇陛下記念切手を高く売るために注意したいポイントを3つご紹介します。
相見積もり
買取の依頼をする際は、何社かに分け相見積もりをすることをおすすめします。
業者によって切手の査定方法や買取額が異なります。
場合によっては数千円もの差が出てしまうかもしれません。
希望の取引額で買取を行うために、複数業者でお見積りをして1番高値で買取を行ってくれる信頼できる業者で取引を行いましょう。
できるだけ早く売る
年式が古く発行枚数が少ない切手は希少価値が高いものがほとんどです。
しかし、高く評価をされやすい切手でも、保管状況が悪く切手に傷が付いていたり、色褪せてしまったりした場合は買取額も下がってしまいます。
また、切手収集ブームも衰退しはじめている昨今、価格は今後も暴落していくことが予想されています。
切手が高値で買取できる今のうちに、納得のできる金額で取引することをおすすめします。
切手に詳しい業者を選ぶ
切手の買取依頼をする際は、切手の知識を持つ専門の業者に依頼しましょう。
手軽に出品できるオークションなどは、悪徳業者が介入することで安く買いたたかれていしまう可能性が少なくありません。
また金券ショップでは知識の少ないスタッフが切手の価値を分からず、相場以下の金額で買取になってしまう可能性があります。
切手の買取依頼をするのであれば、大手の総合買取業者がおすすめです。
しっかりと知識の持つスタッフが在籍する買取業者を選びましょう。
まとめ:
式典や祝典といった皇室の行事に合わせて発行された天皇陛下記念切手は、とても品がある華やかなデザインが目を引きます。
発行された切手の種類によって買取金額は異なりますが、どれも額面以上の価値があるものばかりなので、保管の際はなるべく良い状態を保てるように気を付けください。
もし、自宅に眠っている天皇陛下記念切手の買取依頼を検討しているのであれば、専門知識がある買取業者に依頼しましょう。
想像以上に高い買取が出来るかもしれません。