世界中でたくさんの種類が発行されている切手。
昔集めた切手や家族がコレクションしていた切手を売りたいと思っている方も多いのではないでしょうか?
切手の中には、プレミア切手といって高価買取対象になる切手が数多く存在しています。
お手持ちの切手が、思いのほか高い評価を受けて高価買取の対象になるかもしれないのです。
この記事では、基本的な切手の種類、高価買取になる切手、高値で売るポイントをご紹介します。
小さな芸術品?切手の魅力とは
世界中で発行されていて、誰もが手軽にコレクションとして集めることができる切手。
芸術面でも魅力的な切手は、その美しさから小さな芸術品として大変な人気を誇ってきました。
海外では、価値のある切手をコレクションとして集めることで、将来の資産形成を立てる人も。
それぞれの国で起こった出来事や歴史、文化を垣間見ることができるのも、切手ならではの良さと言えるでしょう。
切手にはたくさんの種類がある
一口に切手といっても種類は豊富にあります。
どのような切手があるのか、それぞれの特徴を見ていきましょう。
普通切手
販売期間や販売枚数に制限のない、通常の郵便物に使用する切手を普通切手とよびます。
枚数制限がなく発行される普通切手は、他の種類の切手に比べて希少価値はあまり高くないのが特徴です。
普通切手は1円から500円まで細かな単位で発行されていて、郵便物の大きさと重さによって使い分けます。
記念切手
国の重要行事や国際イベントを開催した時を記念して発行された切手を、記念切手とよびます。
販売期間や発行枚数、販売される郵便局に制限があるので、普通切手より希少価値があるのが特徴です。
近年は、東京五輪・パラリンピックを記念して記念切手が発行されました。
五輪競技(50種類)をデザインした華やかな切手が特徴です。
特殊切手
テーマに沿って図柄を決めて、シリーズ化されるものを特殊切手と呼びます。
人気キャラクターや春夏秋冬に合わせたイラスト、美しい自然や風景などを描いたバラエティー豊かな切手が特徴です。
例えば季節ごとに送る郵便物に貼り付けるグリーティング切手も特殊切手に含まれます。
最近では夏のグリーティング切手や、近代通貨制度150周年を記念して特殊切手が発行されました。
ふるさと切手
ふるさと切手とは、ふるさとに関するテーマで発行される切手シリーズの1つです。
現在、ふるさと切手として発行されている題材は「国民体育大会」や「国土緑化」などです。
1989年から発行が始まり、当時は販売郵便局の制限がされていましたが、現在は全国の郵便局で購入することが可能になっています。
年賀切手
新年の挨拶のために送る年賀状に貼る切手を年賀切手とよびます。
グリーティングのために使用される特殊切手のひとつです。
年賀切手の販売期間は、前年の11月から年明けの1月前半まで.
発行期間に限りがありますが、お正月以外でも使用可能な切手です。
航空切手
航空切手とは1919年から1961年までの間に航空郵便を使用する目的で発行された切手です。
飛行機と観光名所を組み合わせた絵柄が多いことが特徴です。
1953年8月15日発行の大仏航空切手が、日本で発行された最後の航空切手と言われています。
現在の日本では、普通切手と航空切手の使用上の違いがないので、さまざまな郵便に使用することが可能となっています。
軍事切手
軍事関係者が郵便を出す際に使用していた切手を軍事切手とよびます。
日本では普通切手の上に「軍事」という字を重ねて印刷したものを使用していました。
第二次世界大戦までは、世界の軍隊が使用するため軍事切手が発行されていましたが、戦後は軍の解散とともに軍事切手の発行も廃止されました。
沖縄切手
沖縄切手とは沖縄がアメリカ軍に統治されていた際に発行されていた切手です。
「琉球郵便」という文字が入っているのが特徴で、使用停止となるまでに259種類が発行されたと言われています。
「沖縄西表政府立公園4セント」は、現在も市場に出回っている評価の高い沖縄切手の1つです。
中国切手
1949年10月以降の中華人民共和国建国が発行した切手のことを中国切手とよびます。
現在日本に流通している中国切手の多くが、1960年代~1970年代にかけて発行された文化大革命時代の中国切手です。非常に高い人気があります。
近年は、2020年に天文現象や風雲・ストームライダーズなどが発行されました。
その他の外国切手
外国で発行された切手のことを外国切手とよびます。
それぞれの国の文化や特徴が描かれているほか、アートとして魅力的な切手も多く存在します。
2021年には可愛いウサギのイラストが描かれた「ブラシウサギ」が発行され、人気を集めました。
買取価格が高いプレミア切手
切手の額面以上の価値が付く切手のことをプレミア切手とよびます。
一般的には、普通切手などに比べて、高価買取になりやすいといわれていますが、その価格は常に変動しています。
プレミア切手の価値は、流行や時代、需要によって変わるので、常に一定の金額で取り引きが行われているわけではありません。
ここではプレミア切手の種類と買取相場などを詳しく見ていきましょう。
昭和30年以前の普通切手
昭和30年以前の普通切手は、枚数が非常に少ないためプレミアム品として扱われています。
中には未使用品の入手困難な普通切手も存在し、記念切手よりも高値で買取になることも少なくありません。
印刷ミスによって作られるエラー切手にも希少性があり、高値が付きやすいでしょう。
買取相場
・竜文切手 銭二百文 第1版・・23,000円~
・桜切手 洋紙 カナ入り 1銭 ホ・・43,000円~
・田沢切手 大正白紙切手 10銭・・13,000円~
・新大正毛紙切手 平面版切手 25銭・・7,000円~
記念切手
日本で一番最初に発行された記念切手は、1894年に発行された明治天皇銀婚記念切手です。
全国の郵便局で無制限で販売されている普通切手と異なり、記念切手は昭和初期まで数年に1度しか発行されていませんでした。
そういった背景から価値の高い記念切手が数多くあるのです。
特に飛行郵便試験記念 壱銭五厘は希少価値が高いため、高価買取の対象となっています。
買取相場
・明治銀婚記念 5銭・・5,000円~
・飛行郵便試験記念 壱銭五厘・・21,000円~
・郵便創始五十年記念 10銭・・11,000円~
・皇太子結婚式記念 不発行切手 3銭・・100,000円~
特殊切手
特殊切手の中でも特にプレミアといわれているのが、宮島・天橋立・松島のイラストが描かれた1960年発行の切手です。
日本を代表する三大絶景が描かれた切手は現在も需要が高く、高い評価を受けています。
歴史的な偉業を成し遂げた文化人切手も人気があり、プレミア切手となっています。
買取相場
・切手趣味週間記念 見返り美人 小型シート・・15,000円~
・文化人シリーズ 西周・・32,000円~
・日本平からの富士 20面シート・・220,000円~
・観光地百銭切手 日本平からの富士・・2,000円 ~
年賀切手
年賀切手は限られた期間しか発行されないことや、元旦やお祝いにちなんだデザイン切手、その年の干支が描かれている切手などがあり、希少価値は年々高まっています。
中でも1935年末、国内で初めて発行された昭和十一年年賀用切手や昭和初期のものは、査定価格が高くなりやすい傾向にあると言われています。
買取相場
・1936年用年賀切手 富士山 20面シート・・50,000円~
・昭和13年用年賀切手 しめ飾り 弐銭・・1,200円~
・お年玉小型シート 多数・・42,000円~
・応挙のとら 小型シート・・6,500円~
航空切手
1953年切手の取り決めが改定され、普通切手で航空郵便を利用することが可能になったたと同時に、航空切手は廃止されました。
そのため、現在では航空切手そのものが評価の高い価値を持つ切手と言われています。
立山連峰と航空機が描かれている立山航空 円位 6種完は特に人気が高く、プレミア切手となっているので高価買取が期待できます。
買取相場
・五重塔航空 銭位・・10,000円~
・立山航空 銭位・・ 9,400円~
・芦ノ湖航空 5種完・・7,000円~
・キジ航空 5種完・・12,000円~
軍事切手
通常一般の人が手にして使用する機会はほとんどない軍事切手は、存在そのものに高い価値があります。
同じ名前の切手でも、形や軍事の文字間などで細かく種類が分けられているため、切手の価値はさまざまです。
軍事切手の中では、1910年に発行された菊切手加刷軍事が特に人気です。
プレミア切手となっているので、たった1枚で高額取り引きの対象になると言われています。
買取相場
・軍事加刷Ⅰ型 大正白紙・・42,000円~
・新大正毛紙軍事・・6,800円~
・在朝鮮局 菊切手 朝鮮加刷 拾銭・・50,000円~
・飛信逓送切手 海軍用 木版印刷 黄・・100,000円~
沖縄切手
沖縄返還までの限られた期間に発行された切手ということから、価値が高いといわれている沖縄切手。
独特のデザインがコレクターの間でも人気が高く、買取においても高い評価をされやすいと言われています。
1958年以前に発行された切手はプレミア切手として評価されていて、沖縄改訂加刷100円は特に高額買取の対象となっています。
買取相場
・沖縄 改訂加刷 100円・・ 51,200円~
・琉球切手 第1次普通切手 7種完・・32,000円~
・琉球郵便 沖縄西表政府立公園 4¢・・20,000円~
・琉球切手 改訂加刷切手 百圓 100BY・・100,000円~
中国切手
中国国内では1966年から1977年まで、切手収集が禁じられたほか、海外の輸出が禁止されていました。
当時の中国では資産となる切手を持つことを禁じられたことから、現在は海外に残っている切手を求めて高値で売買されていると言われてます。
数ある切手の中でも価値が高い切手が多く、バラでも数万円の買取金額が付くことも少なくありません。
コレクターの人気は非常に高く、特に1966年~1976年に発行された赤猿や大パンダ、毛沢東などの切手は稀少価値が高く高価買取の対象になっています。
買取相場
・年賀切手 赤猿・・112,000円~
・徐悲鴻奔馬シリーズ・・126,000円~
・梅蘭芳舞台芸術・・70,000円~
・全国の山河は赤一色・・3,000,000円~
さらなる高値買取が期待できるポイント
希少価値の高い切手を、さらに高価買取につなげるポイントをご紹介します。
バラよりもシートが高値
一般的にバラよりも、シートの切手の方が高い金額が付きやすい傾向があります。
シート切手は未使用品と認識されるので、バラ切手よりも高額での買取り対象になりやすいのです。
特に切手以外の部分にも絵柄が入っている特殊切手は、1枚でも切り離すと買取価格が大幅に下がってしまうので注意が必要です。
良好な保存状態で高値
切手の保存状態によって買取金額は大幅に変わります。
どんなにプレミアが付く切手でも、傷みがひどい場合はそれなりの価格になってしまいます。
保存の際は、クリアファイルやクリアシートなどを上手に活用し、できるだけ綺麗な状態で保存しましょう。
適切な業者選びもぬかりなく
切手の買取では、業者によって金額が大きく異なります。
金券ショップやネットオークションでは、切手の価値を理解しているスタッフが少ないので、査定額は低くなりやすいでしょう。
1番おすすめの方法は、実績のある買取業者を何社かピックアップして査定依頼をすることです。
適切な業者を選ぶことで切手を正しく評価してもらいましょう。
切手の価値を把握した上で買取に出そう
プレミア切手には特殊切手から軍事切手などとても多くの種類が存在します。
どのプレミア切手も、とても価値があるものばかりで高価買取の対象ということが分かりました。
しかしどんなに価値があるプレミア切手でも、保管状態が悪い場合や実績の少ない業者に買取依頼した場合は、買取価格が下がる可能性があります。
切手の買取を依頼する際は、依頼する業者を見極めて納得できる取引を行いましょう。