着物基礎知識

【着付け初心者の教科書】必要なものから学習方法まで徹底ガイド

「着物って素敵だな」
「自分でも着てみたい」

そう思ったらぜひ着付けにチャレンジしてみましょう。

着物の着付けというと何やら敷居の高いイメージですが、少し練習すればすぐに着れるようになります。

今回の記事では、自分で着付けができるメリットから、必要な道具、どこで学ぶかなど着付けに関するあれこれを詳しく解説していきます。

自分で着付けができるメリット

まずは、着付けができることでどんなメリットがあるかを見ていきましょう。

着付け代が不要になる

着付けができると、結婚式や子どもの入学式などのイベント毎で着物を着るときの着付け代がいらなくなります。

着付け師や美容師に着付けを依頼した場合の費用は、おおよそ5,000円程です。

子どもの人数が多かったり、結婚式などへのおよばれの回数が重なればかなりの出費になってしまいます。

その点、自分で着付けができればその分の出費を抑えることができ大変リーズナブルです。

気軽にどこへでもお出かけできる

自分で着付けができるようになると、着物が身近な存在になります。

わざわざ着付けを頼む必要がないので、「着物を着よう」と思い立ったときにすぐに着ることができるのは嬉しいポイントです。

観劇や美術鑑賞、ショッピングやランチなど、着物での行動範囲がぐんと広がりいろいろな場面で着物を楽しめるようになります。

初心者から着付けを学べる方法

それでは、着付けの初心者が着付けを学ぶにはどんな方法があるのでしょうか?

いくつかご紹介しましょう。

着付け教室に通う

ひとくちに着付け教室といっても、以下のように大手の着付け教室から、自治体の着付け教室までさまざまな種類があります。

着付け教室の種類 特徴
大手の着付け教室 初心者コースからプロ養成コースまでさまざま
授業料は全般的に高め
個人の着付け教室 小人数制
生徒のニーズに柔軟に対応しながら丁寧に学べる
呉服店主催の着付け教室 着物を着て楽しむことが目的
着物の購入を考えている場合には、着物の豊富な知識を持つ呉服店のスタッフが、細かく相談にのってくれる
自治体の着付け教室 営利目的ではないので受講料がリーズナブル

「着付けを学んで、プロになりたいから大手の教室に通おう」
「最初は受講料の安い自治体の着付け教室で様子を見よう」

など、自分の希望と予算に合わせて、ピッタリ合った着付け教室を選びましょう。

【着付けを習いたい人必見】着付け教室選びの6つのポイント着付け教室選びのポイントを自治体、個人、大手などそれぞれの種類ごとに解説。これを読むことで自分にピッタリな教室を見付けることができます。...

DVD付き書籍で学ぶ

着付けのスキルは、独学でも十分身に付けることが可能です。

「着付けに興味はあるけれど、着付け教室に通うほどお金もないし、忙しい」

そんな人には、DVD付きの着付けの書籍がおすすめです。

少し大きな書店に足を運べば着付けに関する書籍はさまざまありますが、中でも着付けの様子を動画で解説したDVDが付いているものを選ぶと、分かりやすいでしょう。

近くに書店がない場合でも、ネットで購入することもできます。

着付け方の他にも、マナーや、所作などが載っているものを選ぶと着物に対するより専門的な知識を身に付けることができます。

おすすめ商品

画像引用元:Amazon

出版社 朝日新聞出版
商品名 DVD付き着物レッスン はじめての着付けと帯結び
価 格 1,430円

初心者にも分かりやすいと人気のDVD付き書籍です。

肌着の付け方から、着物、帯結びまでそれぞれの段階ごとに細かく解説されています。

さらに、その段階ごとに、良い例、ダメな例の写真が並べて載せられているので、正しく着れているかをチェックしながら着付けを進めることができるのも嬉しいポイントです。

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簡単に無料で学べるYoutubeも

最近では、YoutubeやTwitterでもたくさんの着付け解説動画がアップされています。

  • 浴衣の着付け
  • 帯結び
  • 着崩れたときの対処法

など自分が知りたい情報をピンポイントで検索することができます。

そして何といっても一番のメリットは「費用がかからないこと」です。

また、動画なので分からなければ何回でも繰り返し学ぶことができます。

同じ浴衣の着付けでも多くの動画が投稿されているので、その中から自分が一番分かりやすいと感じる動画を選んで学ぶことができます。

ただ、分からないことがある場合には、質問することができないので少し物足りなさを感じるかもしれません。

【準備編】着付けに必要なもの


着付けにはそもそもどんなものが必要なのでしょうか?

着物と帯

まずは着物を着る上で欠かせない着物と帯から見ていきましょう。

着物は着用シーンに合わせた着物を着ることが大切です。

着物の種類 着用シーン 合わせる帯
振袖 成人式、結婚式、式典など 袋帯
黒留袖/色留袖 結婚式、卒業式や入学式(色留袖)など 袋帯
訪問着、付け下げ、色無地 結婚式、お茶会、創業式、入学式、観劇など 袋帯、名古屋帯
小紋、ウール、浴衣 街歩き、ランチ、買い物など 名古屋帯、半巾帯

着付け初心者さんは、だいたい浴衣や小紋の着付けからスタートすると思います。

しかし、着物が着れるようになったからといって、小紋を結婚式に着て行くのはマナー違反です。

着付けを学ぶ前に、まずは最低限着物の着用シーンについての知識を身に付けておくと良いかもしれません。

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長襦袢

浴衣以外の着物を着る場合には、長襦袢も必要です。

長襦袢には、あらかじめ「半衿(はんえり)」を縫い付けておきます。

半衿とは、長襦袢の衿元の汚れを防ぐための布です。

長襦袢の衿に半衿をくるんで縫い付けるだけ、針と糸があれば簡単に縫い付けることができます。

以下の動画を参考に半衿をつけてみましょう。

着付け小物

その他、必要な小物が以下です。

小物 説明
肌着・裾除け 素肌の上に着る和装用の肌着
衿芯 長襦袢に縫い付けた半衿に通して使用
腰ひも 4~5本 長襦袢や着物の裾の長さを調節するひも
コーリンベルト 着物の衿合わせを固定する
伊達締め 長襦袢、着物の腰回りに使用
帯枕 お太鼓などの帯結びのベースとして
帯板 帯の前部分に入れる
足袋 和服用のくつ下
タオル&補正パット 補正用

着付けにはさまざまな小物が必要ですが、初心者さんにはどれがどれか見分けがつかないかもしれません。

そんなときに便利なのが、「着付け小物セット」です。

着付けに必要な上記の小物がワンセットになっているので、手軽にそろえることができます。

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画像引用元:Amazon

製造業者 キョウエツ
商品名 着付けセット 振袖用 和装小物15点セット
価 格 6,290円

上記で説明した、補正パット、足袋以外の着付けに必要な小物がこのワンセットですべて揃うので大変便利です。

価格が少し高いかな?と感じるかもしれませんが、ひとつずつ別々に買い揃えるよりも随分リーズナブルです。

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着付けに便利なもの&代用できるもの

ここからは、あると便利な着付けアイテムをいくつか紹介していきます。

着物クリップ

着付けのときに、長襦袢と着物の後ろ側の衿を一緒に留めたり、帯を一時的に留めたりできる着物クリップは大変便利です。

着物専用のクリップなので、着物地を傷めずしっかりと留まるようにできています。

着付けのときだけでなく外出時にバックに何本か入れておくと、トイレや突然の雨で裾を汚したくないときに、たくし上げた着物を裾を帯にチョンとはさんで留めておくこともできます。

着物クリップがなくても、市販の洗濯ばさみでも十分代用することができます。

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販売業者 さらさ
商品名 お花柄 着物クリップ 大3個セット
価 格 850円

同じ着物クリップの3個セットでも、ブランドによって価格に幅があり、2,000円以上するものもあります。

その中でも、こちらの着物クリップはパステルカラーに桜柄とデザインも可愛く、価格も大変リーズナブルがおすすめのポイントです。

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ウエストベルト

こちらは、ゴムタイプの腰紐です。

伸縮するので、しっかりと体にフィットし、かつ締め付け感もありません。

胴に二巻きした後、フックを反対側の輪っか部分に引っかけるだけと使い方も簡単で、着物初心者さんにもおすすめのアイテムです。

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画像引用元:Amazon

販売業者 さらさ
商品名 メッシュウエストベルト 白
価 格 800円

こちらは、数あるウエストベルトの中でも珍しく、ゴムの部分がメッシュ地になっています。

通気性が良く、特に暑い時期などに蒸れを防いでくれる優れものです。

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補正パッド

着物専用の補正パットも便利なアイテムです。

着物を美しく着るためには、体を筒形に整える「補正」が欠かせません。

一般的には、タオルや綿花(脱脂綿)、ガーゼなどを使っておしりのくぼみ、ウエストのくびれなどのボディーラインを平らに整えます。

しかし、タオルを巻きつけてその上から紐を巻いたりするのは意外と面倒なものです。

その点、この補正パットを使えばゴムにフックを引っかけるだけで、簡単に着物向きの筒形の体型に整えることができます。

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販売業者 阿波和(アワワ)
商品名 補正パット ヒップ腰パット 調整パット付き
価 格 3,370円

この補正パットのおすすめポイントは、調整パットが付いていることです。

人によりウエストのくびれやヒップのカーブの形は違うもの。

カーブが大きい人は、普通の人以上に厚く補正を入れなければいけません。

調整パットが付いていることで、くびれの多い人や逆にくびれの少ない人など体型に合わせて自由に調節することができます。

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改良枕

「着物までは着れるけど、帯結びは後ろが見えないし、手がつりそうで苦手…」という人のために大活躍してくれるのがこの改良枕です。

お太鼓や代わり結びなどをあらかじめこの改良枕にセットし帯結びができるので、簡単にきれいな帯結びが作れます。

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販売業者 あづま姿 株式会社
商品名 あづま姿 結貝(改良帯枕)
価 格 3,200円

改良枕があると帯結びが簡単にできるので、着付け時間が短縮できます。

胴に巻き付ける部分は2つに折りにし、枕の下の部分の空洞部分に入れますが、下のスナップを外すと切れ目が入っているので、帯をスッと入れることができ、帯を痛めません。

お太鼓が一般的ですが、振袖の変わり結びなども簡単に結べる便利アイテムです。

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【実践編1】まずは浴衣を着てみよう

着物の準備ができたらいよいよ実践です。

まずは、着物の中でも一番手軽に着れる、浴衣の着付けの方法を解説します。

浴衣の着付けに必要なもの

浴衣を着るには以下のものが必要です。

  • 浴衣
  • 半幅帯
  • 下駄
  • 肌着&裾除け
  • 腰紐 2本
  • 伊達締め
  • 帯板
  • コーリンベルト
  • 着物クリップ(洗濯ばさみ)
  • 補正パット

その他、髪をまとめる場合にはかんざしを、また浴衣姿に合わせてかごのバッグやきんちゃくなどお気に入りのものを用意しましょう。

浴衣の着付け&帯結び

それでは、いよいよ浴衣の着付け実践編です。

着付け初心者さんでもYoutubeの解説動画を見て、何回か練習すれば、上手に着ることができます。

上の動画は、初心者にも分かりやすく下記のポイントを解説しています。

  • 浴衣姿が細く見える着付けのポイント
  • 腰紐の締め方
  • 衿合わせ
  • 初心者でも簡単に結べる半巾帯での「カルタ結び」

ただし、この動画では補正を行っていません。

ウエストのカーブが大きい若い女性は、浴衣を羽織る前に補正パットを入れると帯まわりが美しく仕上がります。

浴衣の帯結びは前で結んで、後ろに回せるのでとっても簡単です。

初心者でも簡単 スタンダードな蝶結び

こちらは、「浴衣といえばこの帯結び」ともいえる代表的な蝶結び(文庫結び)です。

初心者にも分かりやすく、ゆっくり丁寧に解説しているので、動画を流しながら一緒に帯結びすると簡単に結べます。

前で結んだ帯結びを後ろに回すときに、乱暴に動かしてしまうと、せっかくキレイに作った衿が崩れてしまいます。

少しずつ丁寧にゆっくりと動かすのがポイントです。

【実践編2】改良枕で簡単にできるお太鼓結び

改良枕は、短時間できれいに帯を結ぶことができるすぐれものです。

カジュアルな着物に合わせるお太鼓結びの方法を、動画でみてみましょう。

動画を見ても分かるとおり、帯揚げ、お太鼓の形をあらかじめ作って背負うことで簡単にお太鼓が結べます。

この改良枕は、「着物は着れるけれど帯結びは苦手」「手が後ろまで回らずキツイ」という人におすすめです。

初心者でもできる!着崩れにくいテクニック

一生懸命に着付けしたのに、長時間の着用でだんだんと着崩れてしまっては大変です。

ここからは、初心者さんにもできる着崩れを防ぐための着付けのポイントをいくつかご紹介します。

長襦袢の衿はヘアピンで固定する

長襦袢の衿は一番目立つ部分でもあるので、できれば長時間キレイにキープしたいものです。

しかし、時間の経過とともにだんだんブカブカしてきてしまいます。

そこで役に立つのが「ヘアピン」です。

ヘアピンの使い方は以下のとおりです。

  1. 半衿が交差する部分を上下まとめてヘアピンで挟み込む
  2. そのまま横にスライドする
  3. 下の半衿のラインと同じ角度になるように向きを変える

最後にヘアピンの角度を変えるのは、衿合わせをよりしっかり固定させるためです。

こうすることで、長襦袢の衿が長時間キープされブカブカしにくくなります。

上半身のシワは可能な限り伸ばす

余分なシワを伸ばすことは、とても大切なポイントです。

長襦袢を羽織り腰ひもを結んだら、腰ひもの下の部分にある襦袢の布をやさしく引っ張り、上半身のシワをできるだけ取り除きます。

着物も同様にシワを取り除きます。

あまり引っ張りすぎてしまうと、せっかくキレイに作った衿が崩れてしまうので、あくまでも優しく、シワだけを取り除くイメージで行ってみましょう。

これを行うかどうかで着崩れ方にずいぶん差が出てきます。

ふくよかな胸は和装ブラジャーで平らに

胸がふくよかな人におすすめなのが、和装ブラジャーです。

私たちが普段使っている洋服用のブラジャーは胸を立体的にボリューミーに見せるために作られています。

それに対し和装ブラジャーは、胸を平らにして着物の似合う筒形の体型に整えるためのもので、洋服のブラジャーとは根本的な構造が違います。

着物の帯の上に、ボリューミーな胸がポテっと乗っていると、とても不格好に見えてしまいます。

和装ブラジャーを使って豊かな胸をボリュームダウンして、胸元をすっきりさせると仕上がりも大変キレイです。

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まとめ

「着物に興味がある」
「着付けを習いたい」

そう思った時が着付けの勉強のスタートです。

はじめは、難しく感じても慣れてくれば思ったよりも短時間で着られますよ。

何回か練習を重ねて、ぜひ積極的に着物でのお出かけを楽しんでみてください。