飯田紬とは？特徴や柄、見分け方から買取相場まで総まとめ

豊かな自然に恵まれた長野県は、古くから各地で養蚕と織物が盛んでした。

飯田市で作られる飯田紬は、100％草木染の素朴な風合いが特徴です。

今回の記事では、飯田紬の特徴や歴史、おすすめのコーディネート例、さらに買取相場についても詳しく解説していきます。

目次
0.1 おすすめの買取業者
1 飯田紬とは
1.1 他の信州紬たち
2 飯田紬の特徴
2.1 100％草木染のやさしい色柄
2.2 空気をたっぷり含んだふわふわの風合い
2.3 着れば着るほど増すしなやかさ
3 飯田紬の製法
3.1 使う糸は生糸と真綿糸
3.2 染料はすべて草木から抽出
3.3 独特の織り技法
4 飯田紬を売るならバイセルがおすすめ
5 飯田紬の歴史
6 飯田紬の織元【廣瀬草木染織工芸】
7 飯田紬の着用シーン
7.1 結婚式の二次会には洒落袋帯を合わせて
7.2 少しかしこまった食事会には名古屋帯を
7.3 ショッピングや街歩きには個性を演出して
8 飯田紬の証紙と見分け方
9 飯田紬の買取相場と口コミ
9.1 飯田紬の買取相場
9.2 実際に買い取りを行った人の口コミ
10 まとめ
11 飯田紬を売るならココ！おすすめ買取業者ランキング
11.1 1位 バイセル
11.2 2位 福ちゃん
11.3 3位 ザ・ゴールド

おすすめの買取業者

順位	業者名	説明
1位	バイセル	バイセル 重点対応地域：全国 形式：出張・宅配・店舗 公式サイト 詳細・口コミ（111）
2位	福ちゃん	福ちゃん 重点対応地域：全国 形式：出張・宅配・店舗 公式サイト 詳細・口コミ（11）

飯田紬とは

飯田紬は、長野県飯田市で織られている絹織物で、長野県を代表する信州紬のひとつです。

古くから風土に豊富に自生する植物から染料を抽出し、紬糸を染め、手織りで反物を織り上げる先染めの織物です。

飯田紬の素朴でぬくもりのある風合いと、手織りならではの味は、着物好きの間でも人気です。

信州紬には飯田紬の他、上田紬・伊那紬・松本紬などがあります。

1975年にこれらの紬をまとめて、信州紬として経済産業省の伝統的工芸品に認定されました。

他の信州紬たち

伊那紬は信州紬のひとつです。ここでは、他の信州紬も紹介します。

上田紬

長野県の上田市に伝わる紬です。

現代の日本三大紬といえば牛首紬・大島紬・結城紬ですが、古来の伝承では牛首紬ではなく上田紬であるとの説もあります。

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伊那紬

長野県南東部に伝わる紬です。

現在では1つの工房でしか生産していないため、カードケースやストールさえもとても貴重で高価なものになっています。

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松本紬

長野県の安曇野市や松本市で織られる紬です。

縦糸は絹または紬、横糸は真綿から紡いだ糸または天蚕糸で織られます。

スタンダードな無地の他に、格子や縞模様といった柄が特徴です。

飯田紬の特徴

画像引用元：京呉服せき

飯田紬にはどんな特徴があるのでしょうか？

100％草木染のやさしい色柄

飯田紬の一番の特徴は、草木染のやさしい色合いと素朴な雰囲気です。

飯田紬の原料となる糸は、化学染料を一切使わず、100％草木染で染められます。

染料のもとになるのは、風土に豊富に自生している草木で、染め上がった糸はどれも優しい色合いです。

多くの植物から採れた染料を使い糸を染め、無地、縞、格子柄を表現します。

飯田紬の柄の中でも柔らかい味わいのある格子柄は、飯田格子と呼ばれ特に人気があります。

空気をたっぷり含んだふわふわの風合い

飯田紬は、無撚糸の紬糸を使って織り上げられています。

無撚糸とは、糸に撚りといわれるねじれを加えない糸のことで、真綿から紬出されたそのままの糸は、空気を十分に含んでいるのが特徴です。

さらにこの糸は、太さが均一ではなく、ふしと呼ばれる太い部分ができます。

この撚りのない紬糸を使って生地を織り上げることにより、生地の表面に素朴な凹凸が生まれ、ふわふわと軽い風合いの飯田紬が出来上がります。

着れば着るほど増すしなやかさ

着る人をやさしく包み込む、素朴であたたかみのある飯田紬の生地。

とても丈夫な生地なのでメンテナンスをきちんと行っていれば、親子三代に渡って受け継いでいけます。

着れば着るほどに体になじみ、どんどんしなやかさを増していくのも飯田紬の特徴のひとつです。

飯田紬の製法

ここからは飯田紬が作られる工程を、原料から織りの工程まで順を追って解説していきます。

使う糸は生糸と真綿糸

飯田紬は、生糸と真綿糸を使います。

生糸とは、蚕が吐き出した糸をそのまま引き出した糸です。

真綿糸は、変色してしまった繭や破れた繭など、生糸として加工できない規格外の繭を使った糸です。

糸の使い方によって、以下の2種類の生地に分かれます。

生地の種類	糸の使い方
平紬	経糸（たていと）に生糸を、緯糸（よこいと）に真綿糸を使う
譜紬	経糸、緯糸ともに真綿糸を使う

染料はすべて草木から抽出

飯田紬の染料はすべて風土に自生する草木です。

染料として使われる草木は、以下のようにさまざまです。

飯田紬の染料	白樺、椿、杉、栗、楓、松葉、一位、リンゴ、梅、蓮、柿、紅葉

自然の染料で染められた糸は、どれもやさしい色合いに仕上がります。

独特の織り技法

飯田紬は平織りで、すべてが手織りです。

しかし、その織り方は一般的なものとは少し違います。

一般的には経糸はピンと張られている状態で織られるのに対し、飯田紬は経糸を最大限にゆるめて織る独特の織りの技法なのです。

この独特な織り技法は大変手間がかかりますが、ふんわりとした絹本来のしなやかさを表現できます。

こうして丁寧に織り上げることにより、飯田紬ならではの風合いが出るのですね。

飯田紬を売るならバイセルがおすすめ

飯田紬の歴史

長野県で織物が盛んになったのは、古くから養蚕が盛んだったことと、風土に豊富な山野草が自生していたことです。

飯田市周辺も同様に古くから養蚕が盛んで、江戸時代には上質な生糸が京都などをはじめとする、着物の産地に販売されていました。

しばらくすると、この地方で作られる「富田絹」や「オコンド縮緬」などの絹織物が市場に流通します。

一方で、農家では売り物にならない規格外の繭を使い紬糸を作り、付近に自生する植物で草木染した着物地を自家用として作っていました。

これが「飯田紬」の始まりです。

やがて「飯田紬」として商品化され、昭和40年頃にはこの飯田紬の生産が主流になり、長野を代表する紬織物の産地へと発展し現在に至ります。

飯田紬の織元【廣瀬草木染織工芸】

画像引用元：たちばな

飯田紬の織元で最も有名なのが、廣瀬草木染織工芸です。

現在市場に出回っている飯田紬のほとんどが、廣瀬草木染織工芸で作られたものです。

この工房が作る反物は、仕上がりの状態や柄によって4つのタイプに分けられます。

手織り中の手織り	経糸、緯糸共に草木染の真綿糸を使用 上記のうち工房が特に高品質だと認めたもの
上手な手織り	経糸、緯糸共に草木染の真綿糸を使用
草木染紬	経糸に生糸、緯糸に真綿糸を使用 縞、格子柄のもの
草木染無地紬	経糸に生糸、緯糸に真綿糸を使用 無地柄のもの

「手織り中の手織り」は、工房で作られたものの中でも特に品質が高いと認められた最高級の飯田紬です。

廣瀬草木染織工芸の作る着物地は、全国の着物愛好家から絶大な支持を得ています。

しかし現在は残念ながら廃業しており、その希少価値は高まり続けています。

飯田紬の着用シーン

画像引用元：工藝きもの水流

飯田紬は高価な絹織物ですが、着物の格としてはあくまでもカジュアル着です。

しかし、カジュアルシーンでは少しかしこまった場から、街歩きなどのカジュアルシーンまで幅広く着まわすことができます。

結婚式の二次会には洒落袋帯を合わせて

飯田紬はあくまでもカジュアル着なので、結婚式や披露宴などのフォーマルな場での着用はNGです。

しかし、結婚式の二次会などには着用できます。

結婚式の二次会はセミフォーマルなイメージなので、袋帯を合わせて着物全体の印象を格上げしましょう。

選ぶ袋帯は金、銀などの糸を使っていない袋帯の中でもカジュアルな、洒落袋帯を選びましょう。

半衿は、色柄ものよりも、白地やクリームなどの落ち着いた色合いにすると場の雰囲気にマッチします。

草履やバッグは、控え目で上品なものを選びましょう。

少しかしこまった食事会には名古屋帯を

割烹や料亭など、少しかしこまった食事の席にもおすすめです。

帯はかしこまりすぎず、かつきちんと感の出る名古屋帯を合わせましょう。

やさしい色合いの飯田紬には、少し濃い色合いの帯やはっきりとしたポイント柄の帯を選ぶと、アクセントになり全体の雰囲気が引き締まります。

半衿は、着物の色に合わせて淡い色合いのものを合わせると、上品な中にも少しくだけたイメージになり上手にカジュアルダウンすることができます。

ショッピングや街歩きには個性を演出して

お友達との気軽な街歩きやショッピングには、思い切り個性的なコーディネートをしてみるのも良いでしょう。

優しく素朴なイメージの飯田紬ですが、趣味性の高いモダンな帯を合わせたり、ライトな色合いの帯揚げを合わせると、がらりと印象が変わりカジュアル感がよりUPします。

さらに、竹細工のバッグや、白足袋に少し上質な下駄を合わせ、全体のイメージを整えましょう。

飯田紬の証紙と見分け方

画像引用元：きもの工芸大黒屋

現在市場に流通している飯田紬のほとんどは廣瀬草木染織工芸製です。

廣瀬草木染織工芸で作られた飯田紬には、白地に味のある筆文字で以下のいずれかが記載されます。

• 信州飯田紬
• 手織りの中の手織り
• 上手な手織り
• 草木染飯田紬
• 草木染むじ紬

また、その横には、草木染であることの記載と、また経糸緯糸それぞれに使われた染料が書かれたラベルが張られます。

飯田紬は、伝統的工芸品に指定されている信州紬のひとつです。

したがって、信州紬の証紙に加えて伝統マークが貼られることもあります。

証紙が付いていない場合、専門家でなければ飯田紬かどうかを見分けることはできません。

飯田紬の証紙がある場合には、査定時高額買取の保証になるので、大切に保管しておきましょう。

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飯田紬の買取相場と口コミ

ここからは、飯田紬の買取相場と口コミを見ていきましょう。

飯田紬の買取相場

飯田紬の買取相場は、カジュアルな着物の中では高めです。

しかし、これはあくまでも目安の価格で、シミやシワなどがある保存状態の悪い物、またサイズの小さい飯田紬は、この値段に届かない場合もあります。

飯田紬を持っている場合には、普段から虫干しなどのメンテナンスを行っておきましょう。

飯田紬の買取相場	～10,000円程

【注意】保存状態や種類によって価格は変動する

実際の買取価格は、保存状態・作家・産地などによって変動します。保存状態の良い飯田紬には100,000円ほどの価格が付くこともあれば、汚れの目立つ古いものにはほとんど値が付かないことも。

お手元の飯田紬が実際にいくらになるのかは査定に出してみないとわかりません。まずは無料査定に出してみることをおすすめします。

実際に買い取りを行った人の口コミ

飯田紬の相場を知らずに買取に出し、意外と高値で買い取ってもらえたことに喜ぶ人、また反対に期待以下の査定額にがっかりの人など、感想は人それぞれですね。

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まとめ

飯田紬は、着物愛好家の中でも人気が高い紬です。

お手持ちの方は、きちんとメンテナンスしながらいろいろな場面で着回し、飯田紬の良さを十分味わってください。

また、証紙がある場合には、高価買取のためにも大切に保管しましょう。

飯田紬を売るならココ！おすすめ買取業者ランキング

飯田紬を売るのに最適な買取専門業者をご紹介します。